あなたのプレゼンを劇的に変える"黄金の3原則"(成毛眞)
2018年11月01日 公開 2022年11月30日 更新
原則(2)資料を事前配付しないほうが良い2つの理由
プレゼンではできるだけ、資料は配付しないほうがいい。
理由は二つある。
まず、人は資料を配られると、先に最後まで目を通したくなってしまうからだ。すると、話がはじまる頃には資料をすべて読み終わっている人も出てくる。
その人たちにとって、資料に書かれている内容を読みあげるだけのプレゼンは退屈でたまらないものになってしまう。
なので、配付はしないほうがいい。する場合も、それだけを見てもなんのことなのかわからないものにするべきだ。配付しなくてはならない場合には、投影用と配付用は、作りわけるのが原則だ。
資料を配付しないほうがいい理由のもう一つは、資料が一人歩きする可能性があることだ。一人歩きした資料は誤解の元だ。
プレゼンや講演には、その場にいる人だけが共有できる空気感がある。その場で聞くから笑える話というものが必ずあるのだ。同じ場所にいる人だけに通用する、内輪話のようなものだ。
それは、そこにいない人には伝わらないことが多い。政治家はよく失言をするが、その場は後援会の会合であることが多い。すべての失言がそういうものではないのだが、その場では通じるジョークのつもりが、その場にはいない人にとって、失言であることも少なくない。
受け取る側の温度差が、失言を引き出している可能性は否定できないだろう。温度差は必ずある。だから、その温度差が原因の炎上を避けたいなら、温度の低いところには、話した内容が伝わっていかないように自衛しなくてはならない。その自衛の一つが、資料を配付しないということだ。