夫の死後に起こった不思議な出来事
実はそう思わせてくれるような、不思議な出来事がいくつかありました。
夫が亡くなって半年も経っていなかった頃だと思うのですが、誰も触っていないのに彼の本棚からパサッと、しかも唐突にファイルが落ちてきたのです。
「なぜこんなものが落ちるの?」
と拾ってみると、それは夫の保険の契約書類でした。
しかし生前、そんな話を本人から聞いたことはありません。すぐにその会社に電話してみると、自分の死後に保険金が入ってくるようにと夫が私に内緒で加入していたことがわかりました。
ちょうどその頃、夫の一周忌が終わったら古くなった家のリフォームをしようかと考えていたところで、その件については生前夫とも話していたのですが、先立つものが足りずにどうしようかと悩んでいたのです。
リフォームは、夫が残してくれた保険金で無事に済ませることができました。しかも、必要な額面までピッタリだったのです。
ある女性が、父親の三回忌が終わった夜、母親と思い出話に花を咲かせていました。テーブルの上には、生前父親が好きだった清涼飲料のペットボトルを置いていたそうです。
「お父さん、あの時面白かったね」
「よくみんなで旅行したよね」
などと話していると突然、そのペットボトルのフタがペコ、ペコ、ペコと3回、まるで相づちを打っているかのように持ち上がったと言います。
そうした不思議なお話は、本当にたくさんあるのです。
ですから、「死後の世界はあるのだな」と思っておいたほうが、自分の死、親の死、身内の死、大事な人の死に直面した時に、少しだけ楽になれると思います。
年月が経つと、死んだ人は粒となり、やがて宇宙と一体化すると私は考えています。
だからこそだんだんと姿やサインが間遠になっていくのですが、しばらくは一緒にいられます。私の場合もそうでした。
いままでとは違ったコミュニケーションの形になってしまいますが、亡くなった後もあの人は、死後の世界から私たちを見てくれているのです。