「転職は得ですか? 損ですか?」に現役人事部長が出した答え
2021年09月02日 公開
転職は一つの手段
私はこれまでの社会人生活を何度も振り返りましたが、改めて「新卒からさまざまなことを経験し、今に至っているなあ」と感慨にふけっています。
正直に話すと、新卒で入った頃は、自分がずっと働き続けることや部下を持った管理職になることは想像すらしていませんでした。キャリアなんてまったく考えていなかったのです。ましてや、新卒で入社して10年以上経ってから転職するなんて。
そんな感じでしたので、気づけば転職を3回もして、勝手に「キャリア」と言えるようなものがついてきていたといった感じでしょうか。そんな私がここまでやってこられた理由は?と聞かれて、答えるとしたら、
「今、自分にできることをやりきる」
「相手の期待を上回る成果を出す」
「惜しまれて辞める人材になる」
といった点でしょう。これらを常に意識し、自分なりにこだわってきたからです。その日々の積み重ねが今の私を作っているのだと思います。時々「自分を成長させるためには転職をした方が良いですか?」と質問を受けることがあります。
私は基本的に「転職は、キャリアアップにつながり、収入や待遇が以前よりも良くなり、仕事の自由度も広がる方が良い」と考えています。そして、それは正しい知識を身につけ、正しい努力を続ければ、誰でも可能だと思っています。
しかし実のところ、答えはその人自身にしかわからないと思います。転職してもしなくても、それは人それぞれなので、自分で決めて納得できるなら良いのです。自分で腹を括って決めた先で成長できれば、その先が転職であろうが、今の会社であろうが、どこでもいいのです。
そういった点において、転職活動はキャリアを振り返り、しっかり棚卸しをして自分を認め、次に向かうべき方向を確認する上で良い機会になるのだと考えています。