ファイティング・スピリットは「よい人生」のカギ
弱い人、つまり愛情飢餓感の強い人は、すぐに相手を恨む。そして相手を恨むことで、今までの自分の苦労を水の泡にしてしまう。こういう人たちは、自分の人生は困難に満ちていると思っている。
それは間違いである。
自分の弱さが困難を招き、自分で自分の首をしめて「苦しい、苦しい」と言っているに過ぎない。直面すべき困難とは、自分の内なる愛情飢餓感である。
人を恨んでいる人に必要なのは何よりも戦う心、ファイティング・スピリットである。
よい人生を望むなら、ずるい人を拒絶することである。善人の仮面を被ったずるい人を拒絶することなしに、死ぬほど努力しても意味はない。
【著者紹介】加藤諦三(かとう・たいぞう)
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。