何事も「5、6割」がちょうどいい
商家の育ちなので、「お客様は神様」という感覚が染み込んでいます。
そのためか、人のことを嫌ったり、苦手と思ったりはしないようにしています。
とはいえ、自分から嫌うことはなくても、「私のこと、嫌いなのかな」という人には、ときに出会います。
万人に好かれないのが当たり前です。何事も完璧はありません。5、6割うまくいけばいい方です。人間関係も同様。そう思っています。
今住んでいる地域のご近所さんでも、私のことを嫌っているのだろうなと感じる人が2人いました。
外で会うと、直前に角を曲がって避けられることも。だから、こちらからは近づきませんでしたが、会えば必ず挨拶をしました。
トラブルからは逃げないことをモットーにしているので、避けたり隠れたりはしません。
でも、挨拶を何年も繰り返してきたら、相手が折れて、立ち話をするような関係になりました。きっと根負けさせてしまったのでしょう(笑)。
中高の6年間通ったミッションスクールで、賛美歌や聖書に触れたことも大きいように思います。
「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい」という教えが、深く印象に残っています。この言葉を習った当時は学生だったので、「それは難しい」と思っていました。
でも、大人になり、人にやさしくできない人は気の毒な人なのだと。仕返しをするのではなく、やさしさでもって返せば、相手も心を開いてくれるということだ、と解釈しています。
そうはいっても人間ですから、「ちょっと合わないなあ」という人はいます。
でも、その人に合わせれば、諍いが起こることはありません。相手の話を聞き、自分と意見が違っても、否定したりしません。
否定されたら、誰でも寂しいものじゃないですか。
それに、人の話を聞くのは大好きだから、話を聞くのは苦ではありません。そうして話を聞くうち、親しくなるということもあります。
人と関わると、いろいろなことを教わります。「自分以外の人はみな先生」は、良いことも悪いことも。
嫌なことを言われたら、「こういうことを言うと人は傷つくんだな」と、ひとつ学ぶことができます。