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夫婦の年金受給額は月22万円...「老後資金」を効率よく貯めるコツ

伊藤亮太(ファイナンシャルプランナー)

2022年05月27日 公開

 

貯めどきゾーンではつみたてNISAを活用

老後資金を貯める手段のひとつとして注目されているのが、「つみたてNISA」です。

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、一定金額内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度のことです。

NISAには「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類があり、年間の非課税枠や非課税期間に違いがあります。0~19歳が使えるのがジュニアNISAで、20歳以上が使えるのが一般NISAとつみたてNISAです。なお、2024年以降はジュニアNISAが廃止されるなど、制度が変わります。

つみたてNISAは、その名前の通り長期間積立をすることでリスクを分散する投資方法です。非課税となる年間の投資限度額は40万円で、非課税となる期間は20年間です。つみたてNISAでの投資可能期間は2042年までとなっています。

つみたてNISAは投資初心者に向いているといわれています。その理由のひとつは、100円単位の少額からでも積み立てられること。2つ目の理由は取り扱う商品が、金融庁の条件をクリアした投資信託やETF(上場投資信託)に限られているという点です。いわば金融庁のお墨付きなので、初心者でも安心できるのです。

つみたてNISAには、「商品が豊富で、口座管理手数料がなく、手数料が安い」「途中で解約して引き出せる」といったメリットもあります。

 

2024年からは新NISAがスタート

NISAには「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類があります。このうち、20歳以上の日本居住者が利用できるのが、「一般NISA」と「つみたてNISA」です。

一般NISAは金融商品を年間120万円まで購入できて、最大5年間はその金融商品で利益を得ても非課税となります。対象となる金融商品は、上場株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)です。つみたてNISAより商品の幅が広いといえます。

つみたてNISAと比べて1年あたりの投資額が多いのも一般NISAの特徴です。短期間でお金を増やしたいと考えている人にはつみたてNISAよりも一般NISAをおすすめします。

2024年から制度が新しくなるので、一般NISAが利用できるのは2023年までです。2024年以降は「新NISA」を利用することとなります。

新NISAは、簡単にまとめると、一般NISAとつみたてNISAの合体版のようなものです。2階建ての制度で、1階部分は積立形式での投資です。購入できるのはつみたてNISAの対象商品で年間20万円まで。2階部分では、現行の一般NISAの対象商品が購入できます。こちらの金額は年間102万円までです。少額でも1階部分で積立投資をすると、2階部分の投資ができるしくみになっています。

 

老後資金はiDeCoで増やす

「自分で作る年金」といわれているのが、「iDeCo(イデコ)」です。iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」です。決まった金額を積み立てた資金を自分で運用して老後資金を作る公的制度です。運用する金融商品は、iDeCo用にあらかじめ用意された定期預金、保険、投資信託などです。

金融商品だけでなく、投資額や受け取り方も自分で決めます。

iDeCoを利用できるのは、公的年金に加入している20~59歳の人です。ただし、勤務先で企業年金に加入している場合、iDeCoを利用できないこともあります。

iDeCoでは、自分で掛け金(拠出金)の金額と投資する商品を決めて運用を行います。毎月の掛け金は5000円以上で、1000円単位で増やせます。この投資額は途中で増やすこともできますが、投資額の上限は被保険者の職業によって異なります。

iDeCoの大きな特徴として、何歳で加入したとしても運用した結果のお金を受け取れるのが60歳以降という点です。途中で引き出せないのはデメリットといえるでしょう。

そのほかのデメリットとしては、「運用状況によって資産が減る危険性がある」「各種手数料がかかる」というものがあります。

メリットとしては「投資額は所得控除」「運用益は非課税」などの大きな節税効果が挙げられます。

 

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