ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。
こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。
今回、紹介するのは『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野 壮彦 著、フォレスト出版)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。
組織経営で最も重要な能力
組織を運営する中で最も大切な能力の一つと言える「人を見る目」は、最も不確実で天性のものと感じているかもしれません。
そして、自分にも人を見る目があればどれだけいいだろうかと、思わずにはいられない人も多いのではないでしょうか。
採用や人材抜擢の中で活かされることは言うまでもありませんが、その他にも例えば友人や結婚相手の選び方にも通じうる応用範囲の広いものです。
著者はキャリアの中で起業や組織運営の経験を積んだだけでなく、世界でも有数のエグゼクティブサーチファームで、ヘッドハンターの実務を約10年間積まれています。
その秘伝のノウハウと理論を大胆に開示された本と言えます。本書は学習と訓練によって、誰もが人を見る目を養うことができるという希望を見出すことができる一冊です。
個人の特性をタイプ別に分析する
とても優秀でも、一緒にいると居心地が悪く離れたくなる人もいます。そのような背景もあって、個人の成果とチーム全体の成果には違いがあります。
その違いは人の特性によることは容易に想像できると思いますが、まず本書では人を4つのタイプに分類しています。
(1)人として善かつ優秀
誰もがほしい人材。その一方で、平凡の仮面を着けていることもあって、見極めることが難しい。
(2)人として善だが能力は平凡
ここに属している人は無害なため、期待しすぎず、ご機嫌にやっていれば大丈夫。
(3)人として悪で能力は平凡
このタイプは有害なので仲間に加わってしまうと困るが、平凡ゆえにその有害さを隠す狡猾さはない。わかりやすく、避けやすい。
(4)人として悪だが優秀
もっとも厄介なタイプ。すごく優秀だが、会社の文句や周りの人に悪態ばかりついて、ネガティブなコメントをまき散らしている人たち。優秀であるがゆえに実績もつくってしまうので、評価も分かれやすい。のちに組織内での問題が大きくなるタイプ。
比較的見極めにくいとされる(1)と(4)のタイプが見極められたら、人生にどれだけ役に立つでしょうか。特に優秀だったとしても組織や自分にとって有害になる人を避ける、というところが重要でしょう。
そのような人は、本人が出すパフォーマンスの2倍程度の悪影響を周りに与え、組織の足を引っ張るとも言われています。その見極め方を順に追っていきます。