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バービーさんが、結婚を通して理解した「男性の生きづらさ」

バービー(お笑い芸人)

2023年06月12日 公開 2024年12月16日 更新

バービーさんが、結婚を通して理解した「男性の生きづらさ」

2021年に結婚を発表した、お笑い芸人のバービーさん。当初は結婚に窮屈なイメージを抱いていたと語るバービーさんが、法律婚を選んだキッカケとは? 「結婚とは何か」「平等な夫婦の在り方」について思索します。

※本稿は、バービー著『「わたしはわたし」で生きていく。』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

結婚で「まともな人」になった!?

結婚して何が変わったかといえば、いちばんは私のイメージなんです。つまりは、周囲の私を見る目が変わったということ。「見られ方」が変わったと言ったらわかりやすいかもしれませんね。というのも、結婚する前のバービー像って、どうやら相当の「変人」だったらしいのです( 笑)。

番組で共演したタレントさんから、「バービーさんって、宇宙人みたいな変な人なんだと思ってました」と言われたこともあるほどだから、世間一般の方々にとっては、かなり変な人に映っていたんでしょうね。あなたももしかしたら、そう思っていたかな?

結婚したおかげで、そのイメージがガラッと変わったみたいで......ちゃんと生活感があって、ひとりの人を好きになる感情を持っている人間なんだと思ってもらえるようになったんです。

だから思いのほか、結婚に対する反応は好意的なものばかりで、「意外と普通の人だったんだ、いい人だったんだ」というような声がたくさん聞こえてきました。より親近感を持ってもらえる存在になれたみたいなのです。

自分ではまったく想像していなかった反応だったので驚いたけれど、"奇人変人"とか"性欲お化け"だと思われていたのが、彼と結婚したことで「まともな人」になりました( 笑)。

 

「一緒にいたい=結婚」じゃない

「結婚」って、おそらく人によってものすごく捉え方が違いますよね。

私の場合、「結婚すること」と「ひとりの人を選ぶこと」はイコールじゃないんです。ちょっとわかりにくいかもしれないけれど、「この人と一緒にいたい」と思える人と一緒に暮らせるのであれば、結婚それ自体は必要ないと言ったらいいのかな。

これまでにも同棲は経験しているし、気持ち的に「もう夫婦だよな」と感じる関係性もあったと思います。じゃあ、結婚と何が違うのかといえば、それは単に法的に手続きしたかしなかったかの違いでしかない。

だから、結婚が特別だとも思っていなかったんです。

今のパートナーとは、わりと最初の頃から「きっとずっと一緒にいるだろうな」という思いはありました。でも、結婚のかたちをどうするかについては、ものすごく時間をかけて話し合ったんです。そのせいで喧嘩も何回したことか。

彼はもともと「好きだから結婚したい」というとてもシンプルな思考の持ち主だったので、「女性が結婚したら、どれだけ大変なことが待っているか知ってるの!」と延々と伝えて、ディベート大会になることもしょっちゅうありました。

正直なところ、話し合いはかなり長いあいだ平行線だったんです。「好きだから結婚したい」という彼と、「好きだったら結婚しなくてもいい」という私のせめぎ合い。周囲から「バービーちゃんなら結婚しなくてもいいんじゃない?」「事実婚してほしい」という声も聞こえていたので、本当に迷いました。

その長い話し合いの過程で、「もしかして選択的夫婦別姓が可能になるか!?」と期待した時期も一瞬あったんです。ただ、また逆風が吹いて、どうやら法改正はなさそうだ......という地点に来てやっと、法律婚が現実味を帯びてきたというわけなのでした。

そして最後の追い風になったのが、じつは占い。「近々お子さんを授さずかるかもしれませんよ」と言われたのが効きました。

もともと「子どもを考えたときには法律婚かな」という合意はあったので、「それなら対外的にも先に発表しなきゃダメだね」と選択を迫られたわけです。結婚の決め手は、占いだったという( 笑)。

そのあとも当然ながら、名字をどうするかで揉めました。もちろん彼も私も譲りたくなかったけれど、最終的には「名字変更にまつわる書類手続きはすべて僕がやる」という彼の言葉に負けて、私が折れました。バービーにそもそも名字はないしね( 笑)。

ただ、考えてみると、一般社会により近いところで生きている彼のほうが、名字変更による弊害が大きいということにも気づきました。

「女性が生きづらい社会=男性に有利な社会」という単純な構図じゃないってことに。男性側にも生きづらさがあるんですよね。そんなわけで、私が法律婚を選択した理由は、実務上の問題を値踏みにかけて秤にかけた結果でしかないとも言えます。ロマンチックな要素は、ほぼゼロなんです。

 

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