「勉強嫌いだった」たかまつななさんが中学の頃に気づいた“社会を変える面白さ”
2023年06月20日 公開
小さな成功体験が社会を変える原動力に
「高校3年生の署名活動により、あるものの値上げで高校生が反対の署名をしました。値上げしたものとは一体何でしょうか?
正解は英検です。
英検の検定料を値上げしたことに対して高校3年生の子が反対の署名活動をネットで始めました。そして署名は3万人以上で集まり、英検は値下げを発表したのです」
このようにたかまつさんの出張授業では、「社会を変えられるかもしれない」と子どもに希望を与える事例を伝え、実際に自分たちができることに対し、子どもたちに宣言をしてもらうといいます。
例えば、「私が変えたいのは、理不尽なブラック校則です。そのため、私は署名を集めます。なぜならば、そのことで苦しんでいる友達がいるからです」といった宣言を、実際に子どもたちがしているそうです。
「どんなことでもいいです。社会を変える小さな成功体験を。自信がないと、社会を変えるというところまでなかなかいかないです。小さな成功体験が自信に繋がって、その自信が、社会を変える原動力につながります。
学校内でも学校を変えられるという場を作って欲しいですね。先生は子どもたちの声を受けとめ、学校内を変えられる情勢も作っていけると本当に変わっていくんじゃないかと思います」とたかまつさんは語ります。
国も動く! 子どもの意見を反映する仕組み
子どもの意見表明や社会参画については、まさにこのタイミングで国としての動きも見られます。本年度新設されたこども家庭庁では、こども基本法でも定められた子どもの意見を政策に反映すべく、子どもの意見を集めるしくみ「こども若者★いけんぷらす」の取り組みをスタート。
こども家庭庁担当者は、「この取組に参加し広く意見を伝えてくれる「ぷらすメンバー」については、1万人規模程度の登録を目指しています。そして、集めた意見は政策の検討段階から反映します。また、もし反映できなかった際も、検討の過程の公表と、その理由等を適切にフィードバックする予定です。
すぐに意見を言える人ばかりではないので、この仕組みを通して、子どもたちが意見を出し合ったり、聞いてもらい、意見表明の権利について学ぶ機会を提供したいと考えています」と語りました。
※「こども若者★いけんぷらす」(https://www.cfa.go.jp/policies/iken-plus/)
子どもたちの意見、耳を傾けていますか?
「私も社会を変えようとするとしょっちゅう炎上しますね(笑)」とたかまつななさん。
子どもたちが安心して意見を発すること、一員として社会参画すること、社会を変えられる!という意識を持つこと。そして、そんな意識を持てるように促すこと。
家庭で、学校で、社会の中で...確かに、今まで強く意識されてこなかったようにも思います。ともすれば、我慢を美徳とし、寧ろ声を上げないことを是とする風潮もあったのではないでしょうか。
しかし近頃、SNS等で世論が動き、実際に政治の場で議論されるなど、声を上げることに対し、その影響力は誰もが認識するところとなっています。実際に社会を動かす方法を知り、行動を促す「主権者教育」。子どもたちの意見に真摯に耳を傾け、意見を表明する情勢を作ること。大人の私たちも意識していきたいですね。