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なぜ、三日坊主は治らない? 原因にある「脳の防衛本能」の正体

大平信孝(メンタルコーチ)

2024年02月28日 公開

なぜ、三日坊主は治らない? 原因にある「脳の防衛本能」の正体

食べすぎ、飲みすぎ、スマホいじりなど、やめたいのになかなかやめられない習慣はありませんか? 一方で、やればよい結果が得られることはわかっているのに、三日坊主で終わってしまう習慣も。悪い習慣を手放して、よい習慣を定着させるために必要なこととは。

※本稿は、『PHPスペシャル』2018年2月号より内容を抜粋・編集したものです。

 

悪い習慣を手放して、なりたい自分になる

悪い習慣が手放せないのも、よい習慣が長続きしないのも、あなたの意志が弱いからでも、あなたの性格のせいでもありません。そもそも脳の仕組みがそうなっているからです。

変化を恐れているのは、あなたではなく、脳なのです。脳は、新しいことをはじめたり、やめる努力をするよりも、今まで続けてきた現状維持をよしとします。新しい行動をするかしないか迷ったときは、行動しないほうが安全だと判断する脳の防衛本能が、私たちには備わっているのです。

たとえば、もともと夜型の人が、いきなり朝5時に起きて朝活をしようとすれば、多かれ少なかれ心身に負担がかかります。脳は変化を嫌い、「もとの生活リズムに戻そう」と邪魔をします。これを意志の力でコントロールしようとしても、脳のほうが勝ってしまいます。いわゆる三日坊主というのは、こうして起こるのです。

それでも新しい行動を習慣化しようとするならば、変化を嫌う脳に抵抗する必要があるのでしょうか。

そんなことは、ありません。脳の防衛本能に打ち勝つには、「ちょっとずつ」変化し続ければいいのです。脳は、少しずつであれば変化を受け入れる性質も持っています。これを脳の「可塑性(かそせい)」といいます。そのコツをこれからお伝えします。

 

実はこれも「悪い習慣」です

「悪い習慣」というと、タバコや深酒などが浮かびがちですが、実は下記のようなものも含まれます。自分自身を振り返ってみましょう。

1. 自分にとって大切なことを先延ばしにする
2.「でも・だって・どうせ」の否定形から会話を始める
3.  愚痴、不平不満が多い
4. 自分の問題を人のせいにする
5. 全てを完璧にこなそうとする
6.「どうしてできないんだろう」と自分を責める
7. 人の目を気にしすぎて自分を出せない
8. 無理していい人を演じて、断れない
9.「いいなぁ」「あの人ばかりズルイ」と嫉妬してしまう
10.「お金がない・自信がない・時間がない」が口ぐせになっている
11. 小さなことでクヨクヨ悩んでしまう

 

「悪い習慣」はやめられず、「よい習慣」が続かないのはなぜ?

「悪い習慣」をやめようとすればするほど、ついやってしまうのには理由があります。
それは、「脳は否定形を理解できない」からです。

では、一つ試してみましょう。突然ですが、次の文を読んでみてください。

ピンクのカーテンを、想像しないでください

あなたは今、何を思い浮かべましたか? この文を読んだ瞬間に、「ピンクのカーテン」が勝手に頭の中に浮かんできたのではないでしょうか。

つまり、私たちが「今度こそ、クヨクヨするのをやめよう」「いいかげん、夜更かしをやめなきゃ」と思うたびに、「小さいことにクヨクヨする自分」や「夜更かしを楽しんでいる自分」を、脳はイメージしてしまうのです。

すると、脳は自動的に「クヨクヨし続ける」「夜更かしし続ける」方向で動いてしまいます。やめようと思えば思うほど、やめられなくなってしまうわけです。

一方で、自分にとって「よい習慣」が長続きしないのは、行動のハードルが高すぎるからです。目標実現の専門家として、経営者やオリンピック選手など7800名以上の方のサポートをしていく中でわかったことは、先延ばしせず、よい習慣を身につけられる人は、最初の「行動」を小さいものにしているということです。

たとえば、「毎朝30分のエクササイズ」を習慣化したい場合、初日はなんとか頑張れます。でも、飲み過ぎた翌日、残業で疲れが溜まっている朝、寒い日などに「めんどくさいな」「今日はエクササイズなんてしたくないな」と思って、挫折してしまうわけです。

多くの人は、高い目標を掲げて、短期間で劇的に変わろうとしますが、小さな変化が積み重なって変わっていくのが、先述した脳の防衛反応にも打ち勝てる、自然なメカニズムです。

 

よい習慣で自分を変えるために

ここからは習慣を味方にして、なりたい自分になるための方法をご紹介します。

ある行動を瞬間的なブームではなく、しっかり「習慣」として定着させるためには、ポイントが2つあります。

1つ目は、心底「やりたい!」と思ったことや、自分の人生にとって大切なことだけを選んで、習慣化に取り組むということです。そのためには、単なる数値目標ではなく「ぶっとんだ目標」をたててみてください。

「ぶっとんだ目標」とは、あなたにとって魅力的で心が踊るような目標です。「未来にどうしてもたどりつきたい!」。そんな「ぶっとんだ目標」が見つかったとき、人は「その気」になるのです。

「悪い習慣」をやめた先には、どんなワクワクする未来が待っているだろう? 「よい習慣」が続いたとしたら、どんな夢が実現するだろう? まずは、もしうまくいったら「こうなる」というものを、イメージしてみましょう。 

2つ目は、行動するときに「めんどくさいなぁ」「続けるのがしんどい」と思えないくらい簡単なことから始めることです。

ここで効果を発揮するのが「10秒アクション」です。「10秒アクション」とは、文字どおり、まず10秒でできる行動をすることです。どんなときでも、人は10秒なら行動できます。また、10秒間の小さな行動であれば変化を嫌う脳にも対応できます。

たとえば、「毎朝30分のエクササイズ」を習慣化したい場合には、「エクササイズ中に聞くテーマソングをかける」「ゆっくり深呼吸する」「ジョギングシューズをはく」ということでいいのです。

10秒試してみて、スムーズにいくのであれば、そのまま続けてしまいましょう。もしうまくいかなかった場合は、たった10秒ですから、すぐに別の「10秒アクション」を試すこともできます。

目標は情熱的で限りなく高い「ぶっとんだ目標」を、そして行動は今すぐできる「10秒アクション」から、ぜひ試してみてください。

 

著者紹介

大平信孝(おおひら・のぶたか)

アンカリング・イノベーション代表

中央大学卒業。長野県出身。
脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、これまで1万5000人以上の課題を解決してきたほか、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、各種メディアからの依頼が殺到。現在は法人向けにチームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。
「2030年までに次世代リーダーをサポートするプロコーチを1000人輩出し、日本を元気に!」を目標に掲げ、プロコーチ養成スクール「NEXT」を開講。

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