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「いつまでも行動に移せない人」が抱えている考え方の癖

大平信孝(メンタルコーチ)

2024年03月07日 公開

「いつまでも行動に移せない人」が抱えている考え方の癖

行動を起こさなきゃと思っても、最初の一歩を踏み出せすことが出来ない人は多いものです。いつまでも動けない原因はどこにあるのでしょうか? 本稿では、メンタルコーチの大平信孝さんが「動けない人の思考の癖」について解説します。

※本稿は、大平信孝『「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

いつまでも動けない人の思考の癖

ここでは、不安になると足が止まってしまう方に共通する思考の癖をご紹介します。

・正解待ち

「これ、という正解が見つかったらすぐ実行して、結果を出せる自信はある。けれど、今はどれが正しくて、どれが間違っているのかがはっきりわからない。早く誰か偉い人が、『これ!』という正解をはっきり指示してくれればいいのに。今は、白黒はっきりしないグレーゾーンのことが多いから、動きづらくて困惑している」

どんなことについても「こうしたらいい」「こうしたらダメ」と白黒がはっきりしていれば、ラクですし、もっとスムーズに動けますよね。私もそう思います。

でも実際は、違います。たとえ今は絶対的に正解と思われていることでも、時代が変われば不正解ということは、いくらでもあります。すごい人がただ1つの正解を指示して、それに従っていれば一生安泰という時代は、もう過ぎ去ってしまったようです。

逆にいえば、誰もが自分で正解をつくっていくことが許される時代になりました。正解は誰かがつくってくれるものではなく、自分で試行錯誤しながらつくっていくものです。

・完璧主義

「仮に決めるとしても、白黒はっきりしないあいまいな状態で行動するのは自分の主義に反する。しっかり調べて、ちゃんと準備してからとりかかりたい。やるからには、ちゃんと決めて、ちゃんと結果が出るまでやりたい」

確かにその通りです。しっかり調べて、しっかり準備して、ちゃんと決断して、結果が出るまで、最後までやりきれたら、最高です。でも、ハードルが高すぎませんか。完璧な基準で動けるならいいのですが、基準が高すぎて、逆に足を引っ張っていませんか。

未知のことに挑戦するときや激動の日々の中では、最初から完璧を目指すことはほぼ不可能です。10割の出来を目指して何もしないよりは、5割の出来でいいので行動したほうが実際には物事は動いていきます。一度動き出せば、試行錯誤する中で軌道修正していくことができるからです。

・失敗したくない

「絶対に失敗しないという確証がないと動きたくない。もういい歳だし、今さら大きな失敗をしてしまったら挽回するのは大変。だから、今は攻めるよりも守りたい。誰でも歳を重ねたらそうなるのが自然だと思う」

失敗したくないという気持ちはよくわかります。失敗を挽回するのが大変なことも痛感しています。でも、もし「失敗しないこと」が仕事や人生の目的になっているとしたら、それはもったいないです。

失敗しないことは、成功でも幸せでもないからです。むしろ変化の時代には行動しないこと、挑戦しないことが最大の失敗かもしれません。

そんなあなたには、心理学者のアルフレッド・アドラーの言葉を贈ります。

「仕事で失敗しませんでした。働かなかったからです。人間関係で失敗しませんでした。人の輪に入らなかったからです。彼の人生は完全で、そして最悪だった」
「人は失敗を通じてしか学ばない」

今は大きな問題はないかもしれませんが、数年後には支障があるかもしれません。だとしたら、手遅れになる前に今から動き出してみませんか。

・条件待ち

「時間もお金も自信もない。これらが揃えば自分だって動ける。でも、残念だけど今の自分にはないから無理」

世界三大言い訳をご存知ですか?「時間がない」「お金がない」「自信がない」の3つだそうです。条件というのは永遠に揃いません。お金があっても時間がない。時間もお金もあるけれど、自信がない。自信と時間はあるのにお金はない。といったように、3つを同時に完璧に満たすことは現実的ではありません。

だとしたら、今の自分で、現状で動いてみませんか。アドラーは、「重要なことは人が何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである」と言っています。今あるもので勝負してみませんか。

どれか当てはまるものはありましたか? まずは自分の思考の癖に気がつくことで、不安を希望に変えるスタート地点に立つことができます。

 

行きたい未来に向かって指をさす

不安に負けずに、前進し、成果を出していくには、不安を希望に変えていくことが必須です。もちろん、希望に満ち溢れた人や夢に向かって真摯に努力している人と一緒の時間を過ごすと、一時的には希望を見出すことができます。ですが、希望を自家発電できないと、そういった環境や人から離れた途端に希望がすぐ枯渇してしまいます。

だから、希望は、自分で見出していきましょう。あなた以外の他の誰かを頼りすぎたり、会社・世の中の情勢が良くなるのを待つという、受け身になるのをやめるのです。

そして、自主的・能動的に自らまず動くこと。行動することで、希望は湧いてきます。ただし、目的もなく動いても彷徨ってしまいます。ハムスターが、運動用ホイールをいくら頑張って早く回してもどこにもたどり着けないように、目指すべき方向がある程度明確になっていないと、せっかく動いても、不安に囲まれ続けることになります。

不安や不満だらけの現状から抜け出すには、行きたい未来に向かって指をさす。そして、一歩踏み出す。一歩踏み出せたら、さらに一歩踏み出す。そうしているうちに、違う景色が見えてくる。そのころには、自分の内側からなんとなく勇気や希望が湧いてくるようになるのです。

この夏、庭でスイカが採れました。人生初です。都会の片隅のこじんまりした庭で、スイカが収穫できるとは思ってもいなかったので、驚きました。意外にも甘くて、さらにびっくりしました。

実は、スイカの苗を植えたのは長男です。初夏に「庭に苗を植えよう」という話になったとき、私の頭に浮かんだのは、トマト、ナス、ピーマン、きゅうり、ゴーヤといった、例年と同じ野菜でした。

でも、長男は「すいかが食べたい!」と、すいかの苗を買ってきて、庭に植えたのです。当たり前ですが、野菜や果物は「植えないと、育たないし、収穫できない」のです。

これって、野菜や果物に限りません。夢や目標も同じです。植えない限り育つ可能性も収穫する可能性もゼロ。希望という種も、自分で蒔かない限り育っていきません。

だから、あなたがちょっとでも「これいいな」「やってみたいな」「こうなったらいいな」と思っていることがあれば、書き出しておきましょう。

 

「頭の声」だけでなく「心の声」にも耳をすませよう

そうはいっても、「そもそも、行きたい未来がわからない。自分の本当にやりたいことがわからない。なんとなくはあるけれど、それでいいか確信が持てない」という方もいるでしょう。

確かに、不安になってしまうときというのは、ストレスも疲れも溜まっていることが多いです。こういうときというのは、どうしても、目線が下がりがち。自ら未来をデザインしていくというよりは、現状維持や防戦一方になってしまうのです。そして、どうしても「今という現状」の「延長線上」にしか、未来を描けなくなってしまうのです。

つまり、積み上げ思考でしか考えられなくなる。すると、1週間先、1ヶ月先、なんとか頑張って1年先くらいまでのことであれば考えられるけれど、それ以上先の未来のこととなると、思考停止してしまう。何も思い浮かばないのです。

そんなときは、「意図して」大きく未来を描きましょう。「未来を大きく描く。そして、行きたい未来に指をさす」のです。

ぶっとんだ未来を描く方法の詳細は、拙著『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(だいわ文庫)にゆずるとして、レストランで「チキンカツ定食、お願いします!」とオーダーするように、自分の理想をオーダーしてみてください。

●私はこういうライフスタイルをおくりたい
●本当はこういう仕事がしたい
●こんなふうに活躍したい
●本当はこういう取り組み姿勢が一番しっくりくるんです

もちろん現実的には、人生は制約だらけです。一方で、まずイメージの世界で構想するときは、制約はありません。あなたの人生をどう描くかは、本来あなた自身の自由設計です。誰からの許可もいりませんし、どんな資格も能力も必要ないです。

ぜひ、肩の力を抜いて「頭の声」だけではなく、素直で純粋な「心の声」に耳を傾けてみてください。自由に未来を描いていきましょう。

 

著者紹介

大平信孝(おおひら・のぶたか)

アンカリング・イノベーション代表

中央大学卒業。長野県出身。
脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、これまで1万5000人以上の課題を解決してきたほか、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、各種メディアからの依頼が殺到。現在は法人向けにチームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。
「2030年までに次世代リーダーをサポートするプロコーチを1000人輩出し、日本を元気に!」を目標に掲げ、プロコーチ養成スクール「NEXT」を開講。

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