↑玄関マットで転がるおキャット様
泥だらけの子猫が美しいいたずらっ子に成長したり、険しい顔つきのオス猫が甘えん坊に変身したり。「保護猫」たちは新しい家族に迎えられ愛されて、徐々にその個性を発揮していきます。
お客さんには警戒するけど家族の前では私がいちばん! と言わんばかりの大きな態度。そんな内弁慶なところもたまらなく可愛いのが猫の魅力。
Xが人気の城主ペネロペさんちの「おキャット様」(@tsurukameryu)も元保護猫ながら、家族に構ってほしい寂しがり屋の甘えん坊。ごろんと転がりアピールする個性的な姿はたくさんの人を魅了しています。そんな「おキャット様」について、飼い主である城主ペネロペさんが語ることとは? (写真・芳澤ルミ子)
※以下の記事は『みんなしあわせ! 保護猫ビフォーアフター』(辰巳出版)から一部抜粋・編集したものです
おキャット様は大の甘えん坊で寂しがり屋
↑やってきた当初は生後8ヶ月、メス(写真・城主ペネロペ)
↑現在11歳
「顔が全体的に薄く、マズルも薄い。目は丸くなく上まぶたが平行なので目つきが悪いと言いますか、ガン飛ばしているような表情。でも喉をぐるぐる鳴らしながら近づいてくるのが可愛いですね」。
そう語るのはおキャット様の飼い主、城主ペネロペさん。おキャット様は凄みのある顔をしているが、実は大の甘えん坊で寂しがり屋で人好き。物心つく頃からずっと猫と暮らしているというペネロペさん曰く、その人懐こさは歴代随一だという。
「おキャット様は極度の寂しがり屋で、猫よりも圧倒的に人が好き。私が車で帰宅する音を聞きつけると玄関で転がってお出迎えしてくれます」。
お腹を見せたごろんポーズはおキャット様の得意技。「転がるときに『これから転がりますよ』という気配をビンビンに出して、まさに『ゴロン』という擬音が聞こえてきそうな転がり方をします。基本的に人の気配があるところで転がっているので、見てほしいんだと思います」。
SNSではリビングや玄関などあらゆるところで得意げに転がるおキャット様の姿を拝むことができる。構ってほしがりのおキャット様は、朝は身支度に忙しい人間たちの動線上にゴロンと転がり、夜は人と一緒じゃないと眠れない。
早く寝ようと鳴いて催促したり、うっかりリビングで寝落ちしてひとりぼっちになってしまったときには大きな声で鳴いて人を呼ぶ。自分から人のところに行くのではなく、一貫して人に自分のところまで足を運ばせるところは実に猫らしい。
おキャット様は、ペネロペさんのお母さんの知人が保護した猫だ。木の上に登り、降りられなくなっていたその子は、母猫とはぐれ、そのままでは生きていけない様子だったので迷わず保護を決めたそう。猫はそのときすでに3匹飼っており、迎えることに迷いはなかったという。
「家族全員猫が好きで、保護したり拾ったりしてずっと猫と一緒に暮らしていました」
お家の子となったおキャット様はとにかく元気で家中を走り回るおてんばぶりを発揮。顔や表情はツンとしていたものの、すぐに人に馴れたという。
「うちでの暮らしに慣れたのは、フーちゃんのおかげが大きいと思います」とペネロペさん。
おキャット様がやって来た当時、家にはフーちゃん、やっちゃん、御猫様の3匹がいた。三毛で長毛のフーちゃんは「菩薩猫」と呼ばれるほどおっとりした猫で、その寛大な心で同居猫たちを受け入れる、猫たちの信頼の厚い猫だった。おキャット様もそんな先輩猫の背中を見て、穏やかにすくすくと成長していった。
↑左からやっちゃん、フーちゃん、おキャット様、後ろにいるのが今も時折SNSに登場する御猫様(写真・城主ペネロペ)
おキャット様がペネロペさんのお家に来てから11年。さまざまな表情、ポーズを披露しては家族に笑いと癒しを提供しているが、その魅力は家族だけにとどまらず、SNSでも大人気だ。
「猫専用アカウントのつもりは全くなかったのですが、ゴロンと床に落ちている姿をアップしたところ、多くの人に見てもらえるようになり、そこから頻繁に写真を投稿するようになりました。
いまや私はおキャット様専属カメラマン。おキャット様もモデルとしての自覚があるのか単に見てほしいだけなのか、私がカメラを向けるといいポーズをしてくれます」
個性豊かな表情、見てほしくて構ってほしくて家族の中心で己を貫きゴロンとポーズ。多くの人を魅了してやまないおキャット様にペネロペさんは言う。
「あなたがいいならそのままでいて」
↑ペネロペさんにぴったり寄り添い、頭をぽんぽんなでられうっとり