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「生きるのがつらい人」を救う考え方...1億の借金を背負った男性がやり直せた理由

ひすいこたろう

2024年05月27日 公開 2024年12月16日 更新

「生きるのがつらい人」を救う考え方...1億の借金を背負った男性がやり直せた理由

あなたはいま、生きている。これ以上の奇跡はありません。

それにもかかわらず、誰もが「本当はこうしたい」という思いを無視して、自分の本心に気づかぬまま、周りの空気に合わせて生きています。

あなたの頭が考えていることと、あなたの「ハート(本心)」が求めていることは、必ずしも同じではありません。自分のハートに素直になり、ほんとうの自分に会いにいきませんか?

※本稿は『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。

 

頭は自分勝手

僕の友人の話です。

彼は、起業したものの、背伸びをして実力以上に見せようとしたようで、さまざまな問題に巻き込まれ、結果、1億円の借金を背負うことになりました。20代で1億円の借金。どう考えても、返す方法が浮かばなかった。

保険に入り、車の運転中に、対向車線のトラックに飛び出そう。事故に見せかけて、自分の命を犠牲にして、1億円を返すしかない。

それが彼が出した結論でした。冷静に考える力が、彼にはもう残っていなかったのです。

対向車線から勢いよく走りくるトラック。

でも、飛び出せない。

今度こそ。

でも飛び出せない。自分は飛び込む勇気すらないのか......。そんな日々が続いた。

でも、今日こそ飛び出そう。これまでは、あれこれ考えすぎて、恐怖に飲み込まれてしまった。今度は、何も考えずに無心でトラックに突っ込むんだ。

来た。あのトラックに飛び込もう。今度は無心で。

すると、ついに彼はアクセルを踏みこむことができた。

その瞬間、いつもは見えなかったトラックの運転手の表情がはっきり見えた。運転手は、しあわせそうな表情をしていた。

彼は急ブレーキを踏んだ。

そうだ! そうだった!!! 彼は当たり前のことにようやく気づきます。

トラックの運転手にだって、家族はいるんだ!

このとき、「頭って勝手だな」と思ったそう。「成功したい」「有名になりたい」「自由になりたい」とずっと思ってきた。でも、いざ事業を始めたら、失敗して1億円の借金。今度は、お金を返せないから、死んで楽になりたいと頭は考えている。あれだけ成功したいって思っていたのに。頭はなんて自分勝手なんだ......。

命より大切なものなんかない。やっと彼は冷静に戻ることができたのです。

 

ほんとうの願いに気づく瞬間

トラックに突っ込むのをあきらめ、彼は自宅に戻りました。

家には、生まれたばかりの息子さんがいました。気づいたら、夢中で子どもの絵を描いている自分がいたそうです。古民家で、丸い座布団に座り、子どもを抱きしめている絵。絵の隣には、もし明日に希望があるならと、明日やりたいことを書いた。

「明日も、こうして、子どもを抱きしめたい」
「明日も一緒にご飯を食べたい」
「普通に、笑顔で暮らしたい」

書きながら、涙が出ていた。彼は死と向き合うなかで、これまで頭の声にかき消されていて聞こえなかった「ハートの声(本心)」と出会ったのです。

自分のほんとうの願いは、成功することじゃなかった。有名になることでもなかった。

「明日も、こうして、子どもを抱きしめたい」
「明日も一緒にご飯を食べたい」
「普通に、笑顔で暮らしたい」

これが彼のほんとうの願いだった。彼は、「頭」が求めているものと、「心」が求めているものが違っていたことに気づくのです。

どんなにみじめでもいいじゃないか。昼間働き、夜は吉野家でバイトして、借金は一生かけて返していけばいい。「楽になりたい」ってだけで死を選ぼうとしていた「頭」の身勝手さにバカらしくなり、彼は死ぬのをやめた。

現実の状況をありのままに受け入れた彼は、そこから今日やれることを、手を抜かず一つひとつやっていきました。すると、見事に復活。いまや本を出版するほど活躍されています。

死を前にしたとき(未来が消えるとき)、大切じゃないものはすべて消え落ち、いま、この瞬間にある本心と出会う。ハート(本心)を取り戻すんです。そこにほんとうのあなたがいる。ほっとしているときは、ハートとともにいるときです。

その時間をもっと増やすために、今日からできることはなんだろう?

 

どんなことも、生きているからこそのボーナス特典

そろそろ、この話の本題に入りましょう。

うれしかったこと、あなたもいろいろあったと思います。それ、誰のおかげだと思いますか?

人生では絶対に自分では起こせない奇跡があるんです。絶対に自分では起こせない奇跡が。

それは、あなたが生まれてくることです。
それは、あなたの両親が起こした奇跡です。
あなたは、ずっと「無」だったんです。

宇宙が生まれて137億年間も、喜ぶこともできない。怒ることもできない。哀しむこともできない。楽しむこともできない。そんなに気が遠くなる間、あなたは、ずっと、ずっと「無」だったんです。

しかし、あなたの両親が奇跡を起こして、あなたは「オギャー」とこの世に遊びに来れた。そのおかげで、喜ぶことができる。怒ることができる。哀しむことだってできる。楽しむこともできる。
これが、どんだけすごいことか、あなたはわかっているだろうか?

あなたは、あなたの存在に涙を流して喜ぶに値する。死ぬことだって、生まれた人だけが体験できる特典です。怒れる。悩める。不安になれる。これも、生きているからこそのボーナス特典です。 

「そうはいっても、悩みのない世界へ行きたいですよ」というあなたにお伝えしよう。

この世にひとつだけ、悩みがない場所があります。

それは墓場です。

でも、そこは必ずいつか行く場所なんだから、いまは悩める人生を楽しみましょうよ。僕らの人生は約80年。これは、宇宙137億年の歴史に比較した場合、わずか0.1秒に過ぎません。80年の人生って、宇宙の歴史に対して、0.1秒、まるで花火のような、まばたきの瞬間なのです。

だから、朝、目が覚めるって、それだけでどんだけすごいことか。明日から目が覚めたら、「ヒャッホー」って大喜びしていいくらいです。(家族からは変な目で見られるでしょうけど、大丈夫です。最初からそんな目で見られてるから、いまさら気にすることはないよね?(笑))

いいことも、悪いことも、何かが起きること、それ自体が生きている醍醐味です。心の平安は、死んだあとの墓場で永遠に味わえるんだから、いまは、悩み、叫び、悲しみ、歌い、踊り、笑おうよ。

 

1日をまるごとぞんぶんに味わい尽くそう

僕らは、もともと「無」だったんです。もともと何も持たずに、素っ裸で生まれてきたんです。生きることに、失うものなんて何もない。だから、僕らが、この人生でやることは、ひとつだけです。

何が起きようと、今日という1日をまるごと受け止め、ぞんぶんに味わうこと。するとね、ハートの扉がひらき、心の声が聞こえてくるはずだよ。あとは、あなたの心の声に従って生きていけばいい。

ひとつだけヒントをいっておこう。

ハートの扉がひらいたとき、人は自然に誰かのよろこびのために生きたくなるよ。

「人生は美しい! 生きることは素晴らしい! 君はいつも病気のことばかり考えて、暗く、うつむいている。それじゃあ、いけない。人間には『死ぬ』ことと同じくらい、避けられないことがあるんだ。それは『生きる』ことだよ!」
チャップリン『ライムライト』より

さあ、今日も1日が始まった。あなたが言うべきセリフはこうです。

そう。

ヒャッホー

 

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