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バカンス大国・フランスに学ぶ、熱波の夏を思い切り楽しむ3つのヒント

ロッコ

2024年08月07日 公開

バカンス大国・フランスに学ぶ、熱波の夏を思い切り楽しむ3つのヒント

最高気温40度超の日もある夏のフランス。そんな灼熱の季節に欠かせないのが「バカンス」です。2週間から4週間という長期休暇をフランスの人たちはどのように過ごしているのでしょう。フランス人の夫と子ども3人の5人家族でフランス・リヨン暮らすロッコさんに、フランス流の夏の過ごし方を教えてもらいました。

※本稿は『主役はいつも"私自身"フランス人に学んだ「本当の感性」の磨き方』(大和出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

夏にしか味わえない時間の変化を楽しむ

フランスには夏時間(4月~ 10 月)と、冬時間(11 月~3月)があります。日本との時差8時間のところ、夏時間は時計の針を1時間進めるため、時差が7時間になる仕組みです。フランスを訪れたことがある方は、夏は21時頃まで明るく、冬は17時には薄暗いという、極端な日照時間に驚いたのではないでしょうか。

そんな時間の変化を上手く楽しむ友人がいました。

友人は、日常生活で小さな幸せを見つけるのが上手で、毎年夏時間がはじまると心底嬉しそうにしているのです。「どんなときも視点や意識を変えて物事を自分なりに楽しめる人は心が豊かだなあ」と、よい刺激を受けます。

日本には、時間の切り替えはなくても、季節を楽しむ習慣がありますよね。満開の桜や真っ赤な紅葉を見て素直に喜んだり、感じたことを言葉にしてみるのもいいかもしれません。

 

とにかく休息する。何もしない時間を意図的につくる

シャワーを浴びているときや散歩をしているときといった何気ない「ぼーっとしている時間」に、ふっと考えが思いつく。そんな経験はありませんか?

私がフランスで出会った起業家やクリエーターの方たちは、口を揃えて「何もしない時間をつくらなきゃ!」とアドバイスします。それはフランス人が日常から離れてしっかり休暇を取る「バカンス文化に通ずる」こと。オフやバカンスは計画的に取る。

これは誰もが意識したいことですよね。でもどうやって?

ここで、私がやっている方法をひとつご紹介します。

私は仕事でもプライベートでもGoogle カレンダーを使い、毎月、月末に翌月の「重要ミーティング」を確保しています。そう、これは自分の貴重なひとり時間です。

簡単で最も確実な方法なので、ぜひ試してみてください!

 

柄物派か、ホワイトコーデ派か。夏ファッションを楽しむ

夏になるとフランスでは、目覚めるような色や、派手な柄の服が店頭に並びます。年齢問わず、街ゆく人々の服装が一気に華やかになるのです。

近所の図書館で働いている女性も、夏のバカンス期間になると、青や緑の爽やかな色合いの柄物のドレスを着ていました。

「素敵ですね」と話しかけると、太陽のような笑顔で、次のように答えてくれました。「普段はシンプルな服装を好むけど、夏が近づくと柄物が着たくなるの」と。

フランスの年度末である6月頃から、みんなの気分はバカンスモードになるように思います。
日々のファッションでも、意外性に挑戦する余裕ができるのかもしれませんね。

その一方で、バカンスシーズンの南フランスでは、白シャツ、白ボトムの全身真っ白なコーディネートをよく見かけます。ある友人も旅支度の際、「どんな服を持っていく?」という話題で、真っ白なコーディネートについて語っていました。

特にフランスは冷房がない建物も多いので、熱波が来るような夏は、天然サウナ状態なのです……。
それでも暑苦しさを感じさせない彼らの装いの秘密は、爽やかさのある色選びと、通気性がよく、快適に過ごせるリネン素材を選んでいることでしょう。

真っ白のコーデはハードルが高いかもしれませんが、トップスかボトムス1点だけでも、ぜひ取り入れてみてください。湿度が高い日本の夏も、少し快適になると思いますよ。

フランス人の足元、夏の定番はレザーのフラットサンダルです。石畳もたくさん歩け、耐久性も抜群で、支持されています。履き心地を重視しているからこそ、フランス人は足になじむ素材にこだわるのでしょう。

そしてレザーは、お手入れも楽しみのひとつですよね。週末、ほんの少し時間をつくり、服や靴のケアをします。履いているときは気にならないキズを発見する、かかとの減り具合で自分の歩き方の癖がわかるなど、気づきも多いです。

そして、せっかく靴のお手入れをするなら、収納棚もお掃除をして、きれいに靴を並べなおすのもおすすめです。

 

海外旅行よりも断然人気。国内旅行で母国の魅力再発見

夏が近づいてくると、「今年はどこへ行くの?」と話題が尽きないバカンス大国のフランス。そんなやりとりで気づかされたのは、彼らは「自分の国が大好き!」ということです。

私のような外国籍の配偶者を持つ家族を除き、「毎年必ず、国外旅行をする!」という家族は意外と少数派。今年はブルターニュ、来年はニースなど、各地の名所を巡り、東西南北その土地の郷土料理やチーズやワインを堪能する。そんな楽しみが絶えないのがフランスという国です。

私が日本に住んでいたときは、海外へ行くことばかりに目を向けて、国内旅行の優先順位を下げていました。今は、フランス人を見習い、日本各地を紹介できるような海外在住日本人を目指して学びを深めています。

 

「夏休みのプロ」から学べば酷暑の夏も楽しく過ごせる

幼少の頃に溺れかけた経験から、私は、海もプールも大嫌いで、「泳げなくても困らない」と頑固に生きてきました。

そんな私が南仏マルセイユで暮らすことになり、語学学校で「泳げないから海には入りません」と言うと、先生は目を丸くして驚きました。なぜなら彼女は、夏の期間中、毎日仕事帰りに自転車で海へ行く、生粋の南仏っ子だったからです。

「泳がなくてもいい。ただ海に浮ぶだけで元気になりますよ」。

そんな彼女の言葉に後押しされて、身体を地中海のしょっぱい水に浸してみました。その重力から解放される感覚には、ただただ感動。身体を海水にゆだねるだけで、水の音、太陽の光、身体の感覚に、とても敏感になるのです。

「ただ浮ぶだけ」を教えてくれた彼女に感謝しています。

フランスでオリンピックが開催されるこの夏。フランスのバカンスの過ごし方をヒントに、酷暑を乗り切ってはいかがでしょうか。

著者紹介

ロッコ

東京出身。ロンドンで写真の勉強をした後、ロンドンにてフォトグラファーとして勤務。その後、フランスへ。南仏マルセイユを経て、現在リヨン在住。フランス人の夫・子ども3人の5人家族。
コロナウイルス感染対策のためのロックダウン生活をきっかけに、Instagramにて「フランスでやめたこと」をテーマに、毎日の暮らしを発信したところ、フォロワーが急増。一気に話題となり、今では約3.5万人に支持されている(2024年6月現在)。
Instagram: https://www.instagram.com/rokko_france

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