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目上の人にもかわいがられる! 「敬語」きほんのき

2012年09月11日 公開

梶原しげる (フリーアナウンサー、東京成徳大学客員教授)

『社会人なら絶対おさえておきたい 敬語きほんのき』より》

 呼ばれたときの答え方

上司と交わす「朝いちばん」の言葉

 最寄り駅で、会社までの道中で、会社の玄関で、エレベーターで、出社時は多くの会社の仲間と顔を合わせることになります。
 そのときのあいさつ。部下に対してなら「おう!」でいい場合がありますが、「目上」となると「朝からめんどくせーなー」と感じることがあります。なぜなら、それなりの「敬語表現」が求められるからです。

 面倒臭さを避けるための対策にはいくつかあります。
 1.見えないふりをしてとぼける。
 2.「あ、どうも」と軽くひと言だけにしてその後に会話が発展しないよう素早く通り過ぎる。
 3.「おはようございまーす!」と元気よく声をかける。

  とはいえ、いち社会人として、また大人として、これらの選択肢で迷っているようでは困ります。朝は、場面を選ばず、人を選ばず。なにはともあれ「おはようございます」から始めます
 したがって、3以外はありえません。

 ここで、こんな質問がくるかもしれません。
 「何時まで『おはようございます』?『こんにちは』への切り替えは何時?『こんばんは』は何時から?」
 いろいろな基準を口にする「敬語屋さん」「マナー屋さん」がいますが、そこでは大抵、朝10時から11時ぐらいまでを「おはようございます」、夕食時あたりから「こんばんは」とすることを勧めています。しかしこれらの基準も、四季によって日の長さが大きく変わり、東西に長い日本列島では、一概に「すっきり」とはいえません。

 

空気を読むことこそ敬意表現

 職種によっても、早番や遅番などのある所では「納得度」が違ってくることでしょう。24時間フル操業で、朝昼夜の感覚がズレまくっているテレビ・ラジオ局の現場では一日中、「最初に会ったら『おはようございます』、2度目以降に顔を合わせたら、仕事の始まりだろうと終わりだろうと『お疲れさまでーす』」と声をかけるのが習わしです。季節や、職場の状況、伝統、慣習に合わせて判断するのがもっとも「無難」なのでしょうね。 

 「でも正解は?」とあくまでもマニュアルを求める人がいますが、「無難か、無難でないか」を嗅ぎ分ける、嗅覚、という「微妙な判断」が「敬意表現」には求められるのです。
 「無難」というと「相手の顔色ばかり窺う、卑しい態度」を思い浮かべる人もいると思いますが、敬語表現とはそもそも、自分と相手(話の向かう先)の立場、役割、力関係を感じ取る、嗅ぎ取ることで、自在に言葉や態度を変える宿命にあります

 「そういう卑屈なことは大嫌い」という人生観をお持ちの方は、そうなさればいいのですが、そこにはそれなりの厳しい反発がくることを覚悟しなければなりません。 
 

 「おはようございます!」
 朝の始まりに、こう明るく声をかけられて「不愉快だ」という人はそんなにはいません(あきらかに遅刻した上司が、そっと隠れるようにオフィスに滑り込もうとするところに、新入社員が空気を読まず、大声で、というようなときはいけませんよ)。

  上司であろうと部下であろうと、出入り業者であろうと、もちろん同僚であろうと、多くの人が気持ちよく一日を始められる敬意あふれる言葉「おはようございます」をマスターし、積極的に自分から口にすることは、穏便な人生を送るうえで大事なポイントです。

 

名前+「おはようございます」+ひと言

 上司に「おはよう」または「おはようございまーす!」と先制攻撃されたからといって、「あ、どうも」と口ごもったり、小さな声でボソボソとあいさつをしていたら一日が台無しです。

・ 「あ、○○部長!おはようございます!!今朝はまた一段とお早いですね」
・ 「△△課長!おはようございます!!紫のネクタイ、お似合いですね」
・ 「□□先輩!おはようございます!!資料、机の上にお出ししておきました」

 このように「おはようございます」を言うときには、その前後を軽い言葉で挟む、サンドイッチ方式が相手にいい印象を与えます。

 point 「おはようございます」はサンドイッチの具に
 A 「相手の名前・役職」+B 「おはようございます」+C 「3~4秒のひと言」

 A を抜いては、Bの効果が薄まります。人間にとって一番耳に心地いいのは自分の名前だといわれます。おぎゃあと生まれてまもなくから、その名前で呼ばれ続け、その名前と苦楽をともにしてきた我々。名前=自分の人生、名前=自分の存在です。名前を呼ばれた瞬間、「他者に認められた」と自尊心が満たされる気分になるものです。朝一番、自分の「ブランド」である「名前」を呼んでくれた人を悪く思う人は、まずいません。
 名前を呼ぶときは、その人のほうに身体を向け、どんなに寝不足でも、たとえ前の晩の酒が残っていても、出かけに奥さんとケンカしてきたとしても、とびっきりの笑顔で口角を上げ「あ!会えてうれしい!!」という気持ちを言葉に乗せることがポイントです。

  そしてB、相手の顔を見ながら滑舌よく(口をはっきり動かして)、軽やかに、「おはよう」の「はよ」にとりわけ力を入れて発音すると元気さが強調されます

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