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生き方

「苦手なことを誰かに丸投げする」行為に罪悪感をもたなくていい理由

龍夏(メンタルコーチ)

2024年10月28日 公開 2024年12月16日 更新

「苦手なことを誰かに丸投げする」行為に罪悪感をもたなくていい理由

占星術の世界では、200年周期で時代が変化するといわれています。これまでの「土の時代(物やお金、不動産などの目に見える資産や、成績、肩書き、安定、固定などといったひと目でわかる確実なものが価値となる時代)」から、2020年を節目に、目には見えないが存在する、情報や知識、教育、コミュニケーションなど、形のないものの要素が中心となる「風の時代」になるといわれています。

そんな確固たる正解のない、先行きの見えない不安な時代を生き抜くためには、自分なりの正解をつくり出していくことが必須であることは周知のとおりです。でもどうやって正解を決めればいいのでしょうか。通算1500回以上の講座やセミナーを開催してきたメンタルコーチの龍夏さんが解説します。

※本稿は、龍夏著『何をやっても中途半端…な 「器用貧乏さん」から脱出する本』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

 

「欲」に素直に向き合う

どれだけ素敵な未来を想像しても、今までと同じ思考・感情・行動では、これまでの延長線上の未来につながるばかりです。新しい未来を手にするには、それぞれを今までと違うものに変えていくことが必要です。今までと違う思考・感情・行動に変えていくために必要なこと。それが「欲」です。欲は自分の背中を押してくれる原動力になります。

欲が明確になってくると、叶えたい、手に入れたい、という気持ちが高まります。ですが時間は有限です。欲望にかられた勢いで行動してしまうと、時間、人生というかけがえのない大切な有限資産を目減りさせてしまうことになります。どれだけ優秀であろうとそうでなかろうと、富を得ていようと得ていなかろうと、一日の時間は誰にとっても平等に24時間しかありません。それに加えて、人生は必ず終わりの時がやってきます。当たり前ですが、人類史上死ななかった人は誰ひとりとして存在しません。

これらの有限資産を不用意に目減りさせてしまうことのないように、そしてこの先の時間を大切にしていくために、以下のメソッドを活用しましょう。

 

人生の終わりから逆算して今をつくる「最期のイメージング」

二度とない人生を実りあるものにするには、「命は有限である」という実感を得ることが大切です。より良い人生を送るということは、より良い最期を迎えること。素晴らしい日々の先にある最高の最期がどのようなものになるかを、なりゆきで迎えるのではいけません。今から想定しておけば、これから先の日々を充実したものにできます。

最高の人生を終えるそのときを、あなたはどこで(Where)誰と(Who)何をして(What)どんなふうに過ごしている(How)のでしょうか。最高の人生を終えるときというのは、理想の人生を生き切ったときであるとも言えます。病院でたくさんの管につながれたり、モニター音が響く病室で寝たきりのままその最期を迎えるとは限りません。参考までに、わたしの受講生が描いた最期をひとつだけ、ご紹介します。

・海が見える高台に建つ高級老人ホームの個室のベッドの上で、夕食後のデザートと紅茶をいただきながら、昼間に来てくれた孫たちや子どもたちとの会話を思い出しながらそのときを迎える(ママ起業家が描いた最期のイメージング)。

あなたが望む未来を生ききったのちに訪れる最期のときを想像してください。このワークを行うと、感情が高ぶり、涙があふれてくる方も多くおられます。どうか感情も味わいながら、書き出してみてください。おそらく本当の最期のときを迎えるのは、きっとまだ先のことでしょう。まだまだ時間はあるはずです。そうであるならば、先ほど考えた理想の最期を「今から」叶えてもいいのではないでしょうか。

 

家族の年表を作る

あなたの未来は、あなたひとりだけでつくられるものではありません。ご家族や大切な人との人生も、共に歩んでいくものです。そこで、あなたが描いた年表のタイミングで、ご家族や大切な人たちがどんな人生のタイミングを迎えるのかを、あらかじめ想定しておきましょう。

自分以外の人の人生がどうなるかは自分のこと以上にわからないものですので、50年後、30年後に家族が迎える年齢を書いておくようにします。その上で、「この年齢になるということは、おそらくこんなライフステージに差しかかっているのではないか」と想像して、仮の想定を書き込んでおきましょう。想定でき得ることとしては、子どもの入学や卒業、入試や就職など。定年退職や引退、結婚や出産については、まったくの想像と希望として書き込んでおきます。

どうしてこういったことを書き込んでおく必要があるのか。それは、自分の人生における大きなイベントやタイミングのときと、家族のライフイベントのタイミングが重なっていないかどうかを確認し、トラブルを未然に回避するためです。もしあなたがこれからの人生において、転職や起業などの新たなチャレンジをすることがある場合、物理的にも精神的にも相当な負荷がかかる可能性があります。そのタイミングで家族の入学や卒業、入試などが想定される場合は、自分がやるべきことを前倒しして済ませておくか、もしくは後ろに延期することを検討する必要があるかもしれません。

自分の思いだけで突っ走ってしまうと、家族とのコミュニケーションがおざなりになってしまい、のちに大きな問題に発展しかねません。備えあれば憂いなし。ぜひ事前に家族のライフイベントが発生しそうなタイミングをしっかりと確認しておきましょう。

 

あなたの「嫌いで苦手」は、誰かの「好きで得意」なこと

「嫌いで苦手」なことを持つことに罪悪感を持たれる方が多いです。自分の理想の未来のために必要なことなのに、嫌いで苦手だからといって自分で行動せずに他人に丸投げしてしまうなんて責任感がないのではないか、自分のことなのだから努力して行動すべき、と言われる方も多くいらっしゃいます。

けれども、本当にそうでしょうか?あなたが嫌いで苦手なことを世の中には好きで得意だと自覚している人がいます。それを仕事にしている人も多くいます。例えばわたしの場合だとお金に関すること、経理や会計業務がそれにあたります。

嫌いで苦手なことを克服しようとする努力は素晴らしいものです。ですが時間は有限です。自分軸を定め理想の未来を実現していく才能長者になるためには、本当に自分の好きで得意なことに時間も能力も全力を注いだほうが、充実したより良い人生を送れるのではないでしょうか。

あなたが嫌いで苦手なことを「自分ではやらない」と決め、手放すことで、それが好きで得意な誰かが仕事を得ることができたり、貢献感を味わう機会を与えることになります。反対にあなたが無理をして抱え込んでしまうと、誰かが活躍できる機会を奪うことにもなるのです。

誰もが自分の好きで得意なことをすることが、結果として世の中の良い循環をつくることができる。そう思えば嫌なことや苦手なことと向き合うストレスから解放されると思いませんか。勇気を出して「自分ではやらないこと」が何なのかを決め、嫌いで苦手なことはどんどんシェアリングして循環させましょう。そしてなによりも限られた資源である時間、さらには行動するための時間を確保し、自分軸で満たされた理想の未来を実現していきましょう。

著者紹介

龍夏(りゅうか)

器用貧乏さんの「生きるコンパス」をつくるコーチ・運命学鑑定士

大手自動車メーカーで28 年間勤務し、お茶汲みやコピー取りの冴えないOL 時代を経て、社内外のカイゼン活動、マインド改革を2 万6000 時間以上実施し、メンタルとビジネスの結びつきの重要性を実感。この経験を生かして2011 年よりメンタルコーチの活動を開始。5 ~ 83 歳までの器用貧乏に悩む学生、主婦、社会人、治療家、経営者に向けてカウンセリング領域までをも含んだ1 万1000 件以上の悩みの解決に携わる。2019 年よりライフコーチング・運命学・起業支援を組み合わせた、器用貧乏さんにマンツーマンで関わる講座「アシタノコンパス®」を主宰。これまでに
8100 時間以上開講中。

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