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生き方

人あたりは良いのに...「人望がない人」と「なぜか好かれる人」の違い

有川真由美(作家)

2024年12月28日 公開

人あたりは良いのに...「人望がない人」と「なぜか好かれる人」の違い

作家の有川真由美さんは「どんな人でも、日ごろの小さな習慣によって"好かれる人"になれる」と語ります。本稿では書籍『なぜか好かれる人の小さな習慣』より、好かれる人になるための「自分を大切にする」習慣についてご紹介します。

※本稿は、有川真由美著『なぜか好かれる人の小さな習慣』(毎日新聞出版)を一部抜粋・編集したものです。

 

「ほんとうのところ、どうしたいの?」と自分に問い続ける

人あたりがよく、人のために尽くしているのに、なぜか人望がない人がいます。反対に、言いたいことを言い、やりたいことをやっているのに、「なぜか好かれる人」もいます。なにが違うのでしょうか?

それは、自分を大切にしていないから。自分を抑えて人に合わせる癖がある人は、気づかぬうちに我慢、不満、恨みなど負の感情が溜まっていく。本音を見せないので人と打ち解けられず、感情が爆発する危険性も秘めています。そんな人は"自分がない人"として軽んじられるし、寄りかかってくる姿勢に鬱陶しがられることもあり。

対して、言いたいことを言っても好かれる人は、我慢も恨みもありません。自分の気持ちを大事にしているから、相手の気持ちも尊重します。心を開いてわかり合おうとするし、ほんとうの意味で愛のある目を向けるから、好かれるわけです。

しかしながら、これまで自分を出してこなかった人が、自分の気持ちを伝えるのはむずかしいもの。なぜ"自己表現"ができないかというと、理由は2つ。

①そもそも、自分の気持ちがわからない
②適切な意思表示の方法がわからない

まず、①のように、相手やまわりの空気に合わせているうちに、「自分がどうしたいのか」がわからなくなっている可能性があります。

そんな人へのおすすめ習慣は、「ほんとうのところ、どうしたいの?」と問い続けること。とくに日常生活でモヤモヤしたり、人間関係のストレスを感じているときは、心の声に耳を澄ませて。

自分の本音がわかると、それに合った選択をするし、たとえ「ここは相手に合わせよう」という選択をしても、自分の気持ちをわかって主体的に選ぶのと、仕方なく選ぶのでは、心の負担がまるで違います。

自分を大切にできないと、人から大切にされることもないのです。

 

意見を言うときは、「私」を主語にして伝える

自分の気持ちを表明できない人には、①そもそも自分の気持ちがわからない人と、②自分の気持ちはわかっていても適切に伝えられない人がいます。

①については、前項で解決策をお伝えしたので、ここでは、②の自分の気持ちを伝えられる方法について考えてみましょう。言いたいことを言うのを躊躇うのは、相手に嫌な思いをさせたり、関係がギクシャクしたりするのを恐れているからです。

が、言いにくいことは、大抵、大事なこと。たとえば、「いまの仕事のやり方は非効率だから、変えたほうがいい」と思っていても、これまでやってきたことを否定しているようで、言い出しにくいものです。

そんなときは「私は、新しい方法を試してみる価値はあると思うのですが、いかがでしょう?」と、「私」を主語にした一個人の意見として"I・メッセージ"で伝えるのです。異なる意見を伝えようとすると、つい「この方法は無駄が多いですよ」「いまの時代、普通は○○に移行してます」「著名人の○○さんも、こう言っていました」など主語が曖昧で、なにかを否定したり、対立や攻撃を生む言い方になりがち。

あくまでも個人的な意見として「私はこう思う」「私はこれが好き」「私はこうしたい」など、「私」がどう感じるかを伝える。イメージとしては、意見を戦わせる場ではなく、みんなでよりよい答えを導くための合議制の場で、意見を述べる感覚です。

家族や恋人にも「あなたって、どうしてそうなの!?」という「あなた」を主語にしたひと言で、「そういうお前だって......」と相手のスイッチが入り、ケンカになるのはよくある話。

「私は悲しかった」「私は○○してほしい」など「私」を主語にした建設的な言い方を心がけたいもの。たとえ自分の意見が却下されたとしても、それはしょうがない。「自分の意見を伝えた」という姿勢と行動を喜び、誇りをもちましょう。

 

自分のご機嫌をとる手段を、いくつかもっている

「なぜか好かれる人」の筆頭として思い浮かぶのは、いつも機嫌がいい人です。機嫌がいい人とは、いつも明るく穏やかな微笑みを讃えていて、心が安定しているもの。そんな人と一緒にいると、安心できて、こちらまで楽しい気分になってきます。

逆に、いつも不機嫌な人と一緒にいると、こちらまで感情が乱れてくるもの。なかには、自分の思い通りにならないから拗ねて、イライラ、プンプンしている幼い人もいますが、不機嫌をばら撒くのは罪。なにより、自分自身が不安や怒りなど、負の感情に引きずられて、しんどい思いをしているはずです。

いつも機嫌がいい人は、自分で自分のご機嫌をとるのが上手いのです。自分がちょっと幸せになれるもの、夢中になれるもの、癒やされるもの、ワクワクするものなどをいくつかもっていて、日常的に気分転換を図ります。

生きていれば、だれでも「今日はテンション低め」「忙しくて、イライラしがち」「結構、落ち込んだ」などという日はあります。いつもご機嫌な人は、心の状態が悪化しないよう予防したり、重症化する前にいち早く気づいて、ケアをしています。

たとえば、「仕事でモヤモヤしたら、屋上に行って空を見上げる」など、場所を変える、自然に触れる、大きな空間に浸るのは、気分を変えるのに最適です。がんばった自分へのご褒美に、お気に入りのデザートを食べる。サウナに行く。カラオケで歌う。おしゃべりをする。映画を観るなど、ご機嫌になれることなら、なんでもいいのです。

ただし、お酒やギャンブルなど、自己嫌悪になるものは避けて。信頼される第一歩は、"ご機嫌力"を高めること。一日のなかに「ちょっと気分がよくなること」をちりばめて、できるだけ多くの幸せを、味わい尽くしましょう。心が満ちた多幸感は、愛ややさしさになって、あふれ出していくのです。

 

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