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「忙しいのに話しかけてくる同僚」 角を立てず、上手に断る方法とは?

時田ひさ子(HSS型HSP専門心理カウンセラー)

2025年05月01日 公開

「忙しいのに話しかけてくる同僚」 角を立てず、上手に断る方法とは?

「自分の仕事で手一杯なのに、新しい仕事を追加で頼まれた」「忙しいのに、同期から雑談をされる」こんなシチュエーションに陥ったとき、どのように対処したらいいのでしょうか? お人好しさんのための上手な断り方について、書籍『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』より紹介します。

※本稿は、時田ひさ子著『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

 

「コレ」だけであなたのコミュニケーションが変わる

じょうずに断るルール

これから、職場で起こるのではないかと考えられるさまざまなシチュエーションを想定し、そのシチュエーションに合った断り言葉を紹介していきます。

でもその前に、まずは「じょうずに断るルール」をお教えします。これに従えば、相手を傷つけたり不快な思いにさせたりせずに断れるようになります。

 

上司からの依頼を断る

●自分の仕事で手一杯なのに、新しい仕事を追加で頼まれた!

――こっちの仕事もやってもらえますか?

①【肯定】あ、はい。これですね

②【現状・事実】今急ぎでこの案件を進めていて、資料を△△商事さんに、水曜日の12時までにお送りすると約束してしまっているんです

③【譲歩】なので、この案件が大体終わる、木曜日の朝から取りかかるようにするかたちでもいいですか?

\いい人ポイント/
断るだけでなく、相手に納得してもらえる理由も添えよう!

 

こうした、自分の忙しさや大変さを相手に伝えて断る場合は、その話し方も重要です。

目線はスケジュールを追うなどしながら、声のトーンは少し低めに、だけど③はとびっきりの優しい声と表情で話しましょう。

そうすることで、「本当に△△商事さんとの案件で今は手一杯なので、その頼みを引き受けたいのは山々なんですけど、今はできないんです。でも、木曜日からならなんとか......!」という気持ちが、相手により伝わるようになります。

他人の気持ちや状況を優先しすぎて、自分の現状や意見を伝えられずに仕事を抱え込むことが多い人には、ぜひともこうした自分を優先するための断りをしてほしいと思います。

それに、仕事の場ではこうやって、自分の状況を理解してちゃんと断って、仕事量を調整できる人のほうが「仕事ができる」と評価されやすくなります。時には優しくしすぎないほうがいいこともあるのです。

 

同期からの要求を断る

●今日は忙しいのに、仕事中に同期から雑談をされる!

――ねえねえ、この間のさぁ、あのドラマ見た?

①【肯定】ああ、うん

②【現状・事実】ああ、あれね。うん、見たよ〜見た見た

③【譲歩】ごめん! なんか今の私の返事、テキトーみたいだったよね? そんなつもりはなかったの!

\いい人ポイント/
自分から直接的に伝えて断るのではなく、相手に察してもらえるように伝えよう!

 

今回のシチュエーションでは、相手に「あ、今は話しかけるのやめておいたほうがよさそうだな」と気づかせる、という方向にもっていくのがいいでしょう。

目はちらちらと自分の仕事を見て、一応あなたの話は聞いてますよ、という目の動かし方をしながら、あいまいな返事をします。そして、そのあいまいな返事をしてしまったことを謝るのです。

日本人は謝られると、とっさに「大丈夫」と返事をしてしまいがちですし、自分の責任だと言ってくれがちです。なので、こうすると、相手から会話をやめてもらえる流れが作り出せます。

それに、はっきりと「やめましょう。今仕事中ですよ」と伝えて会話を断ると、角が立ちますし、話しかけてくれた相手が気分を害してしまう可能性が高いです。確かに、仕事中におしゃべりをするのは褒められたことではないですが、職場の人との適度な親和性も、協力的に気分よく仕事を遂行するためには、ある程度必要であることは、言うまでもありません。

 

社内の人からの攻撃を断る

●社内の人から嫌味を言われた!

――このファイルは私じゃなくて、Aさんに渡してください。Bさんから聞いてないですか?

①【肯定】あ、わかりました

②【現状・事実】Bさんからはそういった指示は受けていませんでした

③【譲歩】Aさんに渡しておきますね

\いい人ポイント/
お人好しさんは、他人の小さなトゲトゲ言葉にも反応しやすいので、「嫌味かな?」と思った時はできるだけ冷静を心がけよう!

 

いい人って、こういう少し冷たい対応をされちゃうと、「自分に何か非があったのかもしれない」って考えて、逆にものすごく優しく丁寧に対応したくなっちゃうんですよね。よくも悪くも、他人からの評価を大切にするからです。それに、他人の嫌味に過剰に反応する傾向もあるので、こうした小さなやり取りでもザクっと傷ついてしまいます。

こうした場合は、とりあえず角が立たないように、嫌な感じにならないように、でもできるだけ相手の温度感に合わせて対応するようにしましょう。

そういう冷たい対応には、冷たい対応で返しちゃって大丈夫なんです。そこであなたが神経をすり減らして優しく対応する必要はありません。

だから事務的に聞かれた時は、聞かれたこと以上のことは言わず、質問に答えるだけにしましょう。そしてあなたの優しさは、他の、もっと優しくしてくれた人に返してあげるためにとっておくんです。

優しさには優しさで、冷たさには冷たさで返すのが、楽な人付き合いをするためのポイントです。

 

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