不安や憂うつ、イライラ、焦り...それは"思考過剰"が原因かもしれません。現代人の意識は思考に偏りやすく、そのアンバランスが生きづらさにつながることがあるのです。そのため、思考過剰から抜け出し、「今ココ(過去や未来にとらわれず、今この瞬間に目を向けること)」に意識を向けることが重要です。
本稿では、意識を今ココに留めることに役立つ「ブレインデトックス」の方法を書籍『じぶんでできる左脳過剰の静め方』より紹介します。
※本稿は枡田智著『じぶんでできる左脳過剰の静め方』(かや書房)を一部抜粋・編集したものです
左脳に偏る現代人

左脳は論理的に思考する脳、右脳は感覚的に感じる脳、といえます。もちろん、単純に分けられない部分もたくさんあり、厳密にはいえないのですが、大雑把に分けるとそうなります。
私たち現代人は、左脳の働きに意識が集中しています。左脳の「物事を切り分ける働き」「言葉を使う働き」「時間を処理する働き」が過剰に動いています。
すると、「あの人と私は違う」「日本人とアメリカ人は違う」「A社の社員とうちの社員は違う」というように、人々を区別し、分離する傾向が強まります。
また、物事を「成功」「失敗」に分けたり、「勝ち」「負け」に分けたり、「優れている」「劣っている」と分けたりする傾向も強まります。これは左脳の「切り分ける」働きです。
そして、やたらと時間を意識し、時間に追われるようになります。過去と未来を意識し、過去を後悔し、未来を心配するようになります。これは左脳の「時間処理」の働きです。
そして、言葉を使って頭の中で考え事をします。「あの仕事をやらなければならない」「あれは失敗だったのではないか」「あいつはナゼあんな事を言ったのだろう」といった言葉による思考が絶えず頭の中を巡ります。
このような左脳の働きは、生活に役立つものではありますが、過剰になると私たちの意識を縛りつけ、苦しめてしまいます。
●左脳を静めれば人生は変わる

さらに、左脳の働きが過剰になると、右脳の働きが抑え込まれます。言葉で表現できないけど確かに感じていること、心地よさや美しさ、静けさ、楽しさ、といった感覚や感情を感じられなくなります。
この状態が続くと、人生は息苦しく味気ないものになってしまいます。そうならないためには、過剰な左脳の働きを静める必要があります。
何もしない時間を持つ

「ただ何もしない」
それだけで右脳は活性化します。普段私たちは常に何かをしています。何か目的を持ち、それを目指して行動しています。
平日の仕事中は仕事の目的に向かって行動し、休日は買い物に出かけたり、家事をしたり、動画やテレビを見たりと、さまざまな目的に向かって行動しています。何もしない時間はほとんどありません。
この「目的に向かって行動している」状態は、「今ココ」から離れやすい状態です。目的は未来にあるものなので、目的を意識すると未来に意識が向かうからです。
例えば仕事中は「12時までにこの資料をつくろう」といった未来の目的があり、それに向かって行動しています。休日にデパートに行く予定なら、「デパートに行く」という未来の目的に向かって行動します。目的に向かう意識が強すぎると、途中の過程は意識に入らなくなります。
例えば、「デパートに行く」という目的意識が強いと、デパートのイメージで意識が一杯になり、向かう途中で見える景色や聞こえる音、体の感覚などは、意識にほとんど入らなくなります。
このように、目的を目指して行動していると、意識は未来に向かい「今ココ」から離れやすいのです。
何もしないだけで右脳は活性化する
逆に、目的を持たずに「ただ何もしない」だけで、意識は「今ココ」に留まるようになります。特にテクニックはいりません。ただ何もしないだけです。
しかし、いざ何もしないでいると、退屈感や焦りを感じたり、用事を思い出したりして、いても立ってもいられなくなり、何かしたくなると思います。私たち現代人は、何もしないで過ごすことに慣れていないため、何もしないことに耐えられないのです。
しかしそこで、その退屈感や焦りを嫌がらずに、何もしないことに留まってみてください。それが右脳優位な意識を鍛えるすばらしい訓練になります。
ブレインデトックス
①公園やカフェなど、のんびりできる場所に行きます。家の中よりも外のほうが何もせずに過ごしやすいので、外のほうがおススメです。何もしないでいられるなら、家の中でもかまいません。
②スマホを見たり本を読んだりはせず、ただ何もせずに座ります。思考が出てきてもかまいません。ただし、自分から「コレを考えよう」と決めて、進んで考えることはしません。勝手に思考が出てくる分には、出るままにしておいてかまいません。
③退屈感や焦りが出てきたら、その退屈感や焦りをただ感じてみてください。退屈感や焦りと共に、何もしないことに留まってください。10分ほど続けます。いろいろな思考が浮かんでくるでしょうが、10分もすればそれらはたいてい落ち着きます。気分がスッキリし、心身が休まったと感じられます。
右脳優位な意識を日常に取り入れるコツ
日常に右脳優位な意識を取り入れるコツは、気合を入れすぎないことです。「強度よりも頻度」です。一回一回は気軽に、気負わずにさらっとやりましょう。一回一回を「ちゃんとやろう」と気合を入れすぎると、その分ハードルが上がってしまいます。
一回一回を、ある意味で「いい加減に」「適当に」行います。例えば、10秒時間があれば呼吸を一回感じてみます。一回だけでは意味がないとは思わないでください。一回でも立派なトレーニングです。そのくらいの気楽さでやってしまいましょう。
もう一つ大切なのが「忘れないこと」です。気楽に軽くやりますが、やること自体は忘れないでおきます。リラックスしながらも、忘れずに繰り返し思い出します。このように日常で練習を繰り返していくと、日常に右脳優位な意識が浸透していきます。







