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緑茶と紅茶、体を冷やすのはどっち? 体調に合った「薬膳茶」の作り方

植木もも子(国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師)

2025年08月19日 公開

緑茶と紅茶、体を冷やすのはどっち? 体調に合った「薬膳茶」の作り方

夏の不調には体のバランスを整える「薬膳茶」で効果的な水分補給がおすすめです。管理栄養士の植木もも子さんが、種類によって様々なお茶の性質とアレンジ方法を教えてくれました。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年9月号より内容を抜粋・編集したものです

 

ひと工夫でできる健康維持に最適なお茶

人間の体は、陰と陽という相反する2つの概念で成り立っており、バランスがどちらかに傾くと体に異変が生じます。たとえば暑がりの人は陽に、冷え性の人は陰に傾いている状態です。「薬膳茶」はこうした偏りを整える働きを担っています。

ご紹介する薬膳茶は、並段飲んでいる緑茶や麦茶などに食材をひとつ加えるだけでできます。陰と陽のバランスを整えるだけでなく、食欲減退や不眠、便秘などの不調改善にも効果が期待できます。

 

バランスの偏りがわかるセルフチェック

バランスの偏りがわかるセルフチェック

 

体調や季節に合わせた食材選びのコツ

●陰陽のバランスは五性で整える

「五性」とは食物がもつ、体を温めたり冷やしたりする性質です。

体質的に陰(冷ます力)が足りない場合は寒性の食材を食べて熱を逃がす、陽(温める力)が足りない場合は熱性の食材を食べて温めます。

【陽が足りない人がとるとよい性質】
熱性…温める力が強く、冷えを取り除く作用がある。
温性…穏やかに体を温め、冷えを改善する効果がある。

平性…冷やすことも温めることもない。

【陰が足りない人がとるとよい性質】
涼性…穏やかに体を冷やす。熱中症予防にも効果がある。
寒性…冷やす力が強く、体にこもった熱をとる作用がある。

●症状の改善には五味の作用を意識する

「五味」とは食物の味を5つに分類したものです。便秘気味の場合は排出作用のある苦味のある食材、疲れやすい場合は気・血を補う作用のある甘味のある食材を食べて、症状の改善を促します。

酸味…汗や咳を止め、下痢を改善。唾液の分泌を促し、食欲を促進する。
苦味…排出作用を促進し、熱をとる作用がある。
甘味…気・血を補い、疲労回復効果がある。緊張をほぐし、痛みを和らげる作用がある。
辛味…発散・発汗作用があり、熱を下げる。血流や水分代謝を促す。
鹹味…塩味。硬いものを柔らかくする作用や、詰まりを改善して流れをよくする作用がある。

→便秘気味なときは、苦味のあるコーヒーがおすすめ。疲れやすいときはオレンジなどの甘味があって香りがよいものを

\旬の食材を積極的に/

旬の食材は、その時期に体が必要とする性質、作用をもっています。たとえば、夏野菜のトマトは体の熱を冷まし、食欲増進作用があり、食欲不振を改善します。旬の食材はおいしいだけでなく、季節由来の不調を改善してくれるスーパーフードなのです。

 

いつものお茶にプラスワン 夏の不調を改善

毎日飲むお茶に1食材お好みの量を加えるだけの薬膳茶で暑い夏もより快適に過ごせます。

【緑茶】
性質:寒性
五味:甘・苦
緑茶には、気分の高まりや苛立ちをリセットしてくれる効果や、体を冷やす作用があります。温かい緑茶は胃腸の負担にならず後味もスッキリ。水出ししてから温めるとカフェインを軽減できます。

+レモン
性質:涼性
五味:酸・甘
暑い日が続くと、イライラしてしまいがち。体を冷やす作用がある緑茶に疲労回復やストレス解消効果のあるレモンをプラスすれば、一気にリフレッシュタイムにぴったりのさわやかな1杯に。

+菊花
性質:微寒性
五味:甘・苦
食用の菊の花は、体内の余分な熱を外に出し、頭痛やめまい、目の充血など体の上部に現れるトラブル防止に最適な食材です。おすすめは温かい緑茶に菊花を加える飲み方。胃腸を冷やさずに、さっぱり感を得られます。

+はちみつ
性質:平性
五味:甘
はちみつは平性でバランスを崩さず、陰(冷ます力)を補う作用があります。また、甘味の作用で気(生命力・元気)を補い疲労感を緩和するので、夏におすすめです。
※ボツリヌス菌による中毒を起こす可能性があるので、1歳未満の子どもには与えてはいけません。

 

【麦茶】
性質:涼性
五味:甘
麦茶は、体にこもった熱を取る働きがあるので、暑気払いにぴったり。カフェインレスで、妊娠中・授乳中の人や乳幼児でも安心して飲めます。ミネラルも豊富に含まれており、汗で失ったミネラル補給にも役立ちます。

+オレンジ
性質:涼性
五味:甘・酸
オレンジは香りで食欲を促し、胃の消化機能を整える作用があります。また、喉の渇きをうるおす効果も。涼性の麦茶に合わせることで夏バテによる疲労の回復効果が見込まれ、甘酸っぱい味が麦茶と相性抜群です。

+おろししょうが
性質:温性
五味:辛
発散力のあるしょうがを加えることで、体の熱が外に発散されて、暑気払いに。汗で失われるミネラルは、麦茶で補えるので、一石二鳥です。しょうがの温性は冷房による冷えの解消にも有効的です。

+ミント
性質:涼性
五味:辛
気の巡りをよくしてくれるのが、さわやかなミント。イライラの鎮静化や顔のほてりに有効で、体を冷やす効果もあるので夏にぴったりです。あえて温かい麦茶に加えてりフレッシュするのも◎。

 

【紅茶】
性質:温性
五味:苦・甘
紅茶は緑茶を発酵させたもので、発酵することで寒性から温性に変わり、冷え性改善に効果があります。また、殺菌力が高く、利尿作用でむくみを改善したり、精神を安定させたりしてくれる万能茶です。

+プルーン
性質:平性
五味:甘・酸
紅茶はドライフルーツと相性抜群ですが、そのなかでもプルーンは血を補い、便秘解消にも働きます。ビタミンもたくさん含んでいるので、紅茶に入れて飲むだけで美肌効果も期待大。

 

【コーヒー】
性質:温性
五味:苦・甘
浅煎りのものは平性〜温性で、酸味が強く苦味はほとんどありません。深煎りにすると温性へと変わり、苦味が加わります。便秘や二日酔いによく効き、気・血の巡りをよくする効果もあるので倦怠感を改善してくれます。

+ココア
性質:平性
五味:苦・甘
疲れがひどいときの最強コンビが、コーヒーとココア。ともに覚醒作用があり、ココアは気を補い、動悸や疲労、眠気解消の働きがあります。夏の疲れを一気に吹き飛ばしてくれる飲み物です。

 

ちょっと変わり種のお茶もプラスワンで簡単薬膳茶に!

【カモミールティー】
性質:涼性、五味:甘・苦

+レーズン
性質:平性、五味:甘・酸
夏は寝苦しく慢性的な睡眠不足に陥りがち。そんなときには、鎮静効果のあるカルシウムたっぷりのレーズンをプラスして。カモミールは不眠に効果のあるハーブなので、相乗効果で安眠間違いなし。

【ミントティー】
性質:涼性、五味:辛

+スイカ
性質:寒性、五味:甘
スイカは、9割が水分です。体内の熱を冷まし、喉の渇きを解消します。ミントとの味のバランスもGOOD。熱中症の予防や運動後の水分補給にもおすすめしたい薬膳茶です。

【ローズティー】
性質:温性、五味:甘・微苦

+ナツメ
性質:微温性、五味:甘
ナツメは気と血を補う効果があるので、婦人科系の悩みに効くローズティーとの掛け合わせは最適解。貧血の軽減や月経痛を和らげてくれる効果があります。

【ジャスミン茶】
性質:涼性・平性、五味:甘・辛

+牛乳
性質:平性、五味:甘
ジャスミンの香りをアロマとして楽しみ、消化吸収がよく胃の粘膜を守ってくれる牛乳をプラスして飲むと、癒やし効果が期待できます。胃の機能が復活することで、気・血が充実し、美肌効果も。

※注意事項
・夏場はお茶や茶葉が腐りやすいので、作り置きはおすすめしません。保存する場合は、直射日光を避けた涼しい場所に置いたり冷蔵庫に入れるなどし、早めに飲みきるようにしましょう。
・冷たいお茶やカフェインの取りすぎはNGです!胃腸に負担がかかります。

【植木もも子(うえき・ももこ)】
国際中医師、管理栄養士、国際中医薬膳管理師。「おいしく、賢く、楽しく、健康に」をモットーに、体と心を癒やす日々のレシピを雑誌や書籍、テレビなどに提供している。昔からお茶が大好きで、とくに中国茶への詣が深い。著書に「お茶でかんたん飲む薬膳」(家の光協会)などがある。

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