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仕事の悩みを引きずらない技術

笹氣健治(心理カウンセラー)

2013年01月30日 公開 2022年12月07日 更新

《PHPビジネス新書『仕事の悩みを引きずらない技術』より》

悩みを引きずると悪循環になる

仕事に悩みはつきものです。仕事をしていれば、どうすればいいかわからなくなって悩んでしまうことが誰にだって必ずあるものです。

そうなったとき、すぐに気持ちを切り替えられればいいのですが、いつまでも悩みを引きずってしまう場合は注意が必要です。

悩みを引きずる間はストレスにさらされます。それが長く続くと、やがて精神的にも身体的にも悪影響を及ぼすことになります。

イライラする、焦りを感じる、気が休まらない、くよくよする、落ち込む、憂うつになる、といったマイナスの心理状態に陥ったり、胃潰瘍、円形脱毛症、片頭痛、下痢、便秘、自律神経失調症などの症状を患ったりします。

こうなってしまうと、当然ながら仕事の効率が悪くなります。

やるべきことに集中できなくなる。何も手につかなくなる。モチベーションが上がらなくなる。仕事がどんどんたまって、それがさらにストレスを増やしていく……。

ただでさえ企業は経営効率化のために人員削減を推進していて、社員1人当たりの仕事量は増えています。そんな中で、仕事の効率が悪くなるのは致命傷です。

仕事の効率が悪くなると、その分だけ長く働かなければならなくなり、疲労が蓄積していきます。自分の自由な時間もとれなくなるばかりか、周囲から仕事が遅い「使えない社員」だと思われてしまう恐れもあります。

さらに、最悪にも病気になってしまったら、もう仕事どころではなくなります。病院や薬に日々お世話になって、貴重な時間もお金もムダにすることになります。

この悪循環の元凶となるのが、悩みを引きずることです。

では、悩みを引きずらないためには、いったいどうすればいいのでしょうか?

 

「心理モードマトリクス」を使って心を安定させる

悩みを引きずらないためには、心の不安定を解消し、冷静になって問題の解決に当たることが必要です。つまり、心を安定させることがすべてのスタートであり、最も重要な取り組みだと言えます。

問題の解決法については、さまざまな本や雑誌、インターネット、セミナーなどで学べますが、それらをいくら集めても、心が安定していないとうまく使いこなすことはできないために、真の効果は得られません。

本書『仕事の悩みを引きずらない技術』では、15種類の心理パターンについて、その解説と解消法を紹介していますが、ここでは、また別の解説、そして、心の安定化の方法をお伝えしたいと思います。

もちろん、基本的な方向性が変わるわけではありません。これから説明するのは、多種多様な心理パターンをシンプルにまとめたものです。それが、人の心理状態を4つのモードに分類する「心理モードマトリクス」です。

 

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あらゆる悩みは「4つのモード」で把握できる

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