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伝わる!「論理的な文章」の書き方

西村克己(芝浦工業大学大学院客員教授/経営コンサルタント)

2013年02月12日 公開 2022年12月08日 更新

 

コ≡ユニケーシヨンの6つの構成要素とは

<Point>「背景」「テーマと問い」「書き手」「読み手」「答え」「期待する反応」

 ◇4つのコミュニケーション条件と2つのコミュニケーション成果

文章を書くということは、何らかの「問い」に対して「答え」を提供するという目的があります。

たとえば営業活動で出張報告書を書く場合、「出張の成果はどうだったか?」という「問い」に対して、「A社との商談は成功しました。契約条件はこうです」という「答え」を提供することが求められます。問いと答えは、書き手と読み手がコミュニケーションする最も重要な情報です。

書き手と読み手が文章を通じてコミュニケーションするためには、6つの構成要素があります。文章を書く前に、6つの構成要素を整理しておきましょう。6つの構成要素とは、4つのコミュニケーション条件と2つのコミュニケーション成果です。

4つのコミュニケーション条件とは、「(1)背景」「(2)テーマと問い」「(3)書き手」「(4)読み手」です。2つのコミュニケーション成果とは、「(5)答え」「(6)期待する反応」です。

 

◇コミュニケーションの6つの構成要素を明確化しよう

1つめの「背景」とは、テーマ設定が必要な理由、テーマ設定の大義名分です。2つめの「テーマと問い」は、何を明らかにしたいのか、問いかける内容を明確にします。3つめの「書き手」は、書き手の立場を明確にすることが必要です。4つめの「読み手」は、読み手が誰かを明確にします。

コミュニケーションの「答え」は、問いに対する答えです。つまり問いに対する結論や主張です。「期待する反応」は、書き手が読み手にどうして欲しいのかを明確にしたものです。書き手が読み手に期待する反応であり、期待通りの反応が得られれば、目的が達成できた文章といえます。

 経営会議における新規事業提案の例で、コミュニケーションの6つの構成要素を例示したのがこの図です。まずは、コミュニケーションの6つの構成要素を明確にしましょう。これらが明確でないと、結果的に書き直しの無限ループにはまり込みます。

 

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