松下幸之助が創刊した雑誌が、いま、職場で読まれている理由

『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
2020年04月09日 公開
作文、メール、レポートから小説まで、いい文章を書くには、何を心がければいいのか。
中学生から大人まで役立つ技術を、著書累計510万部の人気児童書作家はやみねかおる氏が上梓した『めんどくさがりなきみのための文章教室』では、実は多くの人が教わったことのない文章の書き方を小説形式で教えている。
本稿では、多くの人が頭を悩ませる「文章の書き出しについて触れた一節を紹介する。
※本稿は『めんどくさがりなきみのための文章教室』(飛鳥新社刊)より一部抜粋・編集したものです
作文の宿題に苦労する中学生・健のもとにあらわれた謎のぽっちゃり猫。名前は「マ・ダナイ」。10万回くらい生きて作家とも暮らしたというダナイが、健の部屋に住み込んで、不思議なレッスンが始まった……。
ぼくの前には、真っ白い原稿用紙が置かれている。 そして、手には、シャーペン。そばには、消しゴム。シャーペンには、ちゃんと0.5mmの芯が入ってるし、原稿用紙の予備も買ってある。
なのに、ぼくの手は動き出さない。なぜか? たった1つの単純な答え─ 宿題の作文で、何を書いたらいいのかわからないんだ。
もし、溜め息が綿菓子みたいに目に見えるものなら、ぼくの部屋は溜め息で埋め尽くされているだろう。
「ゴゴゴゴゴゴゴゴ……」
足下で、不気味なイビキがする。黒猫のマ・ダナイが、丸まって居眠りしている。
「起きろ、ダナイ」
ぼくは、両足でダナイを揺する。無理矢理起こされたダナイは、不満いっぱいの目で、ぼくを見てくる。
「宿題の作文が書けない。手伝ってくれ」
するとダナイは、大あくびと共に言った。
「書けないんだったら、書かなくてもいいじゃないか」
「そんなこと、できるわけないだろ!」
「人間社会というのは、妙なものだな。『書けない』と言ってる人に、『書け!』というのは、無理な注文じゃないのかい?」
「そりゃ、そうかもしれないけど……」
「無理は、体によくない。─ というわけで、健も一緒に昼寝しよう」
「そんなことしてられないよ。とにかく、書かなきゃいけないんだ」
人間は、猫と違って、文章を書く機会が多い。
作文や日記、手紙(電子メール、LINEなどのSNS)に小論文、レポート、提案文書などなど。
書きたくなかったら、書かなくてもいいとは言っていられない。
しかしそのぶん、文章が書けるようになったらとってもお得!
文章が書けるようになると、論理的に考えたり、自分の気持ちを上手に伝えたりすることができる。
なにより、作文が書けない……と悩む時間が、なくなる。
「健は、これから先、高校受験をするのかな?」
「たぶん……」
「受ける学校にもよるけど、入試に小論文を採用しているところもある。そんなとき、書きたくないから書かないと言ってたら、確実に不合格だね……」
「大学生になったら、レポートの提出が山のようにある。それに、卒業論文を書かないと卒業できないしね」
次のページ
書かなければいけない文章は、書かなければいけない >
『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
江戸に鯖縞模様の三毛猫が一番いばっている長屋があった。この長屋が舞台の「鯖猫長屋ふしぎ草紙」シリーズが時代小説ファン、猫好きの心をもわしづかみにしている。著者の田牧さんに物語誕生秘話を語っていただいた。
あまたいる戦国武将のなかから、各都道府県で一人ずつを選び、短編小説に。くじ引きの結果、第17回は滋賀県! 執筆は、いま最も勢いのある若手歴史小説家・今村翔吾先生です。
創業経営者にはいくつかの曲がり角があるといわれます。そんなときに経営者がとるべき対処法とは?
映画『罪の声』が今年10月30日(金)より公開される。物語の舞台は1984年の日本、劇場型犯罪が列島を震撼させていた。本作で主人公の新聞記者・阿久津を演じた小栗旬さんに、コロナ禍で感じたマスメディアの在り方や役者としての矜持について聞いた。
『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
江戸に鯖縞模様の三毛猫が一番いばっている長屋があった。この長屋が舞台の「鯖猫長屋ふしぎ草紙」シリーズが時代小説ファン、猫好きの心をもわしづかみにしている。著者の田牧さんに物語誕生秘話を語っていただいた。
あまたいる戦国武将のなかから、各都道府県で一人ずつを選び、短編小説に。くじ引きの結果、第17回は滋賀県! 執筆は、いま最も勢いのある若手歴史小説家・今村翔吾先生です。
創業経営者にはいくつかの曲がり角があるといわれます。そんなときに経営者がとるべき対処法とは?
映画『罪の声』が今年10月30日(金)より公開される。物語の舞台は1984年の日本、劇場型犯罪が列島を震撼させていた。本作で主人公の新聞記者・阿久津を演じた小栗旬さんに、コロナ禍で感じたマスメディアの在り方や役者としての矜持について聞いた。