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私立大学の新しい生存戦略とは? 「地域に根差し、貢献する大学」明星大の取り組み

西山昭彦(明星大学客員教授)

2026年02月02日 公開

私立大学の新しい生存戦略とは? 「地域に根差し、貢献する大学」明星大の取り組み


明星大学経営者ネットワーク設立総会(2025年10月11日)

大学進学者数は2026年をピークに減少、2050年には41万人となり、2021年比で3割減るという(文部科学省の予測)。衝撃の未来を前に、明星大学客員教授が大学の生存戦略を明らかにする。

※本稿は、西山昭彦著『明星大学生はうまくいく』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

 

経営努力しだいで成功できる

前回の寄稿(大学生き残りの鍵は固有の強みの発見 多摩地域「社長輩出率1位」の実績)で、定員が充足せず経営できない大学が増えるが、「上位大学でなくても経営努力で成功は可能である」と筆者は述べた。そして、明星大学の固有の強みは「経営者を生み出す大学」という点にある。

それでは、具体的にどのようにすれば、その固有の強みをさらに強化できるのか。多摩地域に根差した明星大学の取り組みを例にして考えたい。

 

大学同窓会内に「独立・起業相談窓口」を創設

明星大学同窓会(一般社団法人明星会)は、ボランティアで起業の相談に乗ってくれる明星大学出身の起業家社長の募集を行ない、交流会を経て2025年4月、ホームページに「独立・起業相談窓口」を開設した。

現在、同窓生起業家10名が相談員として登録している。窓口を通じて学生や卒業生の起業や経営について相談の機会を提供し、経営層の拡大強化を考えている。

また、事業計画の作成、資金計画等専門的な相談について、提携した東京都中小企業振興公社の「TOKYO創業ステーションTAMA」(東京都庁外郭団体)の利用を案内している。

 

「明星大学経営者ネットワーク」の誕生

次に、多摩地区で社長輩出率1位という位置を横に広げるべく、明星大学出身社長の全国の会の立ち上げを行なった。2025年5月、発起人の社長5名と髙城秀一・明星学苑特別顧問、筆者が集まり、会の性格や目的について熱い議論を行ない、全国の社長に呼びかけを行なった。

全国の出身社長779名に案内を送り、2025年10月11日「明星大学経営者ネットワーク」が創設された。登録者は119名で、この日の会の参加者は52名だった。

当日は、吉田元一・明星学苑評議員議長(前理事長)が三井物産、明星学苑時代を振り返って「私の経営原論」という記念講演を行なった。

 

多摩に根差し、地域に貢献する

明星大学経営者ネットワークの目的は2つで、企業環境変化のなかで、明星大学卒業生である会社経営者同士が親睦を深め、経営者としての識見の向上を図り、相互の企業の発展に寄与することである。また、明星大学との密接な協力関係を推進して学生のキャリア支援、インターンシップの受け入れ等、母校の発展に貢献することである。

全国の明星大学出身社長人数の3割を多摩地域が占めており(これは他大学と比べて特出している)、多摩地域に集中していることが特徴だ。これは大きな強みであり、大学のビジョンである「多摩に根差し、地域に貢献する大学」につながるものである。

同時に、全国の他の地域の社長との交流を実現し、輪を広げていくことも重要である。地域によっては、卒業生の社長と会う機会が少ない場合もある。オンラインを含め、交流に参加することで相互によき影響を与え合い、マインドアップも図れる。

それらを通じて、多摩地域の社長も増え、全国への波及も図れる。以上の取り組みにより、社長を生み出す大学の基盤が強化された。

 

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