雑談の上手さは“リアクション”で決まる 会話を弾ませる「魔法の言葉10選」
2026年04月10日 公開
「人と話すのが苦手で、なかなか会話が続かない」「上司や同僚と話すと緊張する」――そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
300以上の企業や行政機関でコミュニケーションスキルを教える「伝え方のプロ」ひきたよしあきさんも、以前は雑談が苦手だったそうですが、「雑談がラクになる仕組み」を知ったおかげで楽しめるようになったとのこと。本稿では、雑談を楽しめる人が行っている「反応のコツ」を紹介していただきます。
※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
話せない原因は「リアクションの語彙不足」だった
雑談が苦手な人の中には「リアクションするのが難しい」と感じる人も少なくありません。たとえば、相手の話にただうなずくだけで終わってしまう。「うん」とか「そうなんだ」といった単調な返事ばかりになってしまう。そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
これらに共通するのは、リアクションに使える言葉のバリエーションが少ない、いわゆる「ボキャ貧」の状態です。雑談が苦手な人は、自分が思っている以上に、同じあいづちしか打っていません。たとえば「たしかに」「なるほど」を何度も繰り返してしまう。これは多くの人に見られる傾向です。
このあとも触れていきますが、雑談が苦手な人はリアクションだけに限らず、さまざまな場面で「語彙」が足りていないことが多いのです。そんな方に役立つのが「鉄板リアクション」です。まずは、使い勝手がよく、とっさの場面でもすぐに使える言葉を覚えてみましょう。
次に紹介する10のリアクションは、知っているだけで雑談がぐっとラクになります。ぜひインプットして、実際に意識して使ってみてください。
困ったら思い出せ!「あ行+す」の魔法ワード
たとえば、「なるほど」「そうですね」だけを連呼する。相手の意見に同意したりするときに「はいはいはいはい......」と「はい」を連呼するパターンも、語彙不足によるものです。
では、どのようなリアクションが効果的なのでしょうか。それが「あ行」と「す」の鉄板リアクションです。
①ああ!(思い出しと同調)
②いいですね!(共感)
③うわぁ!(純粋な驚き)
④ええ〜?(本当に? という驚き)
⑤おお!(感心・納得)
「あ行」には、人に共感する言葉、自分の感情を示す言葉が集中しています。「す」のリアクションとは、次のものです。
⑥すごい!
⑦すてき!
⑧すき!
⑨するどい!
⑩すばらしい!
「す」からはじまる言葉には、はじめてのものを見聞きしたときの、新鮮な驚きを好意的に伝える言葉が集まっています。こんな感じに使ってみましょう。
「これ見てくださいよ」→「うわぁ!なんです、これ!?」
「これ、新しく買った時計なんです」→「へぇー、いいですね!」
「禁煙して、やっと1カ月だよ」→「すごいじゃないですか!」
「今日はお弁当を作ってきたんです」→「おお!すばらしい!」
相手の発言に対し、「あ行」「す」のさまざまなリアクションを返す。10の鉄板リアクションが、雑談を盛り上げてくれるはずです。最初から全部覚える必要はないので、まず、自分が試しやすいものをいくつかやってみてください。
ひと言キャッチで流れを作る「奪取の技」
反応で会話に勢いをつけることは大切ですが、それだけで終わってしまう可能性もありますよね。もちろん上手くリアクションできたときに、相手が乗ってどんどん話してくれる場合もあります。
けれど、たとえば「へぇー、いいですね!」と返したとしても、「そうなんですよ......」で会話が途切れてしまうこともある。そこで会話がフェードアウトしかけてしまう、というのはよくあることです。だからこそ、次のステップがあります。
リアクションにプラスして「とにかく相手の言葉のうち、どこかひと言に反応してつなげる」ことをやってみましょう。相手のひと言をキャッチして、流れを作るのです。「難しそう......」と感じるかもしれませんが、実はとてもシンプルです。やることは、相手の言葉の中で気になったフレーズを拾って、繰り返すだけ。これも立派な反応です。
たとえば、相手のお家にお邪魔したときに、いい香りがしたとしましょう。こんなふうに会話を続けることができそうです。
自分:「この部屋、とってもいい匂いがしますね」
相手:「ああ、頂き物のディフューザーがありましてね、その香りかもしれまん」
自分:「ええ~!頂き物!」
相手:「いいですよね」
自分:「こんな素敵な贈り物をされる方がいらっしゃるんですね!」
相手:「そうなんです」
自分:「素敵!ディフューザーなんておしゃれなもの、贈ろうとも思ったことありませんよ、いいなぁ」
相手: 「その方がすごくおしゃれな方で、私が○○(ブランド名)が好きだということを覚えてくれていたんですよ」
自分:「○○(ブランド名)ですか!たしかに身につけられている物にも多い気が......」
どうでしょうか?このように、相手の言葉の一部に反応するだけで会話はつながっていきます。特に「頂き物(贈り物)」「ディフューザー」「ブランド名(固有名詞)」など、相手の言葉を拾って反応すると、自然と会話が広がるのです。
もちろん、それでも会話が途切れることはあります。けれど、まずは「つなげてみる」という意識が大事です。反応を少し重ねていくだけで、会話がフェードアウトせずに続いていく可能性はぐっと高まります。
実はNG!会話を止める3つのあいづち
ここまで、リアクションの力についてお伝えしてきました。反応の仕方ひとつで会話が自然に転がり出す......そんな実感を持っていただけたのではないでしょうか。
しかし、実はその「リアクション」には注意が必要な側面もあります。というのも、リアクションの中には、会話を前に進めるどころか、ピタッと止めてしまうものがあるのです。
「えっ、そんなことあるの?」と思うかもしれません。でも、これは多くの人が無意識にやってしまっている"会話ブレーキ"です。それが、「なるほど」「たしかに」「そうなんですか」。どれも一見、丁寧で前向きな言葉に思えますが、使い方を誤ると、相手の話を終わらせてしまう危険なあいづちなんです。さらに、「なるほど」や「たしかに」は本来、目上の人が評価するときに使う言葉でした。だから、下手に使うと、相手を小馬鹿にしている印象を与えてしまうリスクもあります。
「なるほど」を使って相手の共感を得るには、「なるほど」を感嘆詞として使うことです。つまり、「へぇー!」「ほぉー!」「ふーん!」と、あなたの心が動いたときに、こう使います。
「なるほど!そういうことだったんですね」
「なるほど!それはいけますね」
「なるほど!夜は焼肉ですか」
と、何に「なるほど」と感嘆しているかということまで、しっかりつけてリアクションすると、より相手に気持ちが伝わります。ただ「なるほど」だけを多用すると、適当に返事をしている、または上から目線で返答しているととられることも。そういうときのために「なるほど」のあとに、気の利いた言葉が出てこない場合は、気持ちを添えてください。
「なるほど!びっくりです」
「なるほど!面白い」
「なるほど!美味しそう」
これで、立派なリアクションになります。繰り返しになりますが、雑談の上手い人の多くは、「リアクション」が上手いのです。話題を提供しているわけでもなく、人の話にリアクションで花を添えているだけなのに、それが、場のいい空気を作っていく。そんな人、いますよね。
まずは、お試し。「なるほど」「たしかに」のあとには気持ちを添える。「あ行+す」という鉄板リアクションから使ってみて、効果を感じてください。






