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[負けない生き方] 薄っぺらいスキルに意味はない



2013年04月23日 公開

山本真司(経営戦略コンサルタント)

『勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術』より》

謙虚に努力せよ。
薄っぺらいスキルに意味はない。

 雑誌や書籍で紹介される「仕事のテクニック」の上辺だけを模倣しても、なんだか軽々しい感じがしませんか? スキルを学ぶって、なんか薄っぺらい感じがしませんか? ノウハウ本の塊のような人生は、大きな価値を生み出すものでしょうか? もしそうだったら、数百年~数千年前に究極のスキル本が完成して、教えられて、誰もが成功を手にしているはずです。

 仕事を通して、自分と向き合い、自分の働く意義、生きる意味を問いながら、毎日の辛さ、喜びを知り、何か自分の成長なのかを感じ、考え、確認し、身につけて、さらなる課題に立ち向かうのが、僕たちの人生です。スキルもノウハウも全く役に立たないとは言わないけれど、そうした人生学習の刺激剤の1つでしかない。そう、僕たちは生まれてからずっと、生き方を巡って学習しているんだ。

 だから、今、この一瞬のあなたの発言、判断、素振り、仕事のアウトプット、メール……全てに、あなたの過去の学習と経験が凝縮している。軽く学習したスキルは、軽くしか受け取られない。促成栽培で身につけたノウハウも、軽々しい、薄っぺらいものに見えてしまう。あなたの顔に、表情に、仕草に、あなたの生き様が全て投影されているんだ。そうであるから、人は第一印象が全てを語る。僕も、初めての人にお会いするとき、顔を見た瞬間に、知らず知らずに、「Yes」「No」の判断をしている。

 あなたの実力は、ごまかせないよ。ちょっと勉強するくらいじゃ、たかが知れてるよ。遊ぶのはOKだけど、軽薄な、ずるい生き方はしないほうがいい。姑息に生きるなよ。ショートカットばかり探して生きるなよ。全部、顔に出ちゃうから。

 自分の素顔をつくるためには、勉強だけでなく、挑戦も必要だ。挑戦には2つ。自分のやったことのないものに着手するか、やり方を大いに変えるかのどっちかだ。それができるかどうかは、「コケてもいい」と思えるかどうかにかかっている。

 失敗を知らない優等生より、失敗だらけの劣等生のほうが、腹が決まって腰が据わってたりすることもある。僕はこれを「二流の強さ」と呼んでいる。失敗したって見栄を張らないで、泥臭く、しぶとく生きていける自信もある。だから、いざとなったら自分を捨てやすいのが二流人材。失敗を甘受できる二流のほうが、失敗を恐れる一流よりも伸びるもの。おまけに二流のほうが人数も多い。

 守る一流に用はない。挑戦する二流は偉大な仕事を成し遂げる。

 そして、どんどん一流に成長する。気がついたら、世の大立者、革新者は二流出身者が主流にもなる。だから、人生っておもしろいのだ。

 主流になるためには、「目標」を立てなければいけない。目標が低すぎれば、やる気は出ない。目標が非現実的でも、やはりやる気が出ない。「大変だけど、一丁やってみるか! やれたらスゲーぞ」くらいの目標がちょうどいい。業界3位か4位だったら、「打倒! 1位!」つて感じかな。

 次は「計画」。アバウトでいい。計画とはアンテナを立てること。跳躍のために役立つステップに、目標達成に必要なヒト・モノ・カネが引っかかってくるアンテナを立てまくること。「ビシバシ引っかかってくるぜ!」――そんなときは、いける風が吹いているとき。なんにもアンテナに引っかからないときは、まだまだタイミングじゃない。焦らずアンテナを立てておく。成果を出すには、最低1年、普通は3年かかるもの。3年間信じてアンテナを立てまくれ。そうすれば、必ずあなたの思いは叶うよ。

◆負けない生き方◆
 姑息に生きるなよ。ショートカットばかり探して生きるなよ。

 

チャンスは
風とともにやってくる。

 風に流されて生きてみないか?

 僕は、ある時期から、ずっと風に流されて生きている。「北京で蝶が羽ばたくと、二ユーヨークで嵐が起こる」といわれる複雑系の世の中、将来のことなんてわかるわけがないからだ。「未来はこうなる」「自分の将来はこうあるべきだ」と考えすぎると、疲労困憊してしまう。わからないことを考えるのは、徒労以外のなにものでもない。

 「適職」「天職」という考え方も危険だ。やってみなければわからないことは、考えても仕方がない。転職、人事異動をはじめとして、自分の力だけではない「偶然の力」に左右されることはたくさんある。もちろん、ぼやっとした大きな目標やビジョンを持つことは悪いことではない。けれど、そこに向かって、1年後にあれをして、3年後にこれをして、10年後に……という小さな目標を立てるのには意味がない。今の世の中、半年であっという間に変わってしまうからだ。変数が多すぎることをあれこれ考えて何になるだろう。

 だから、「まあ、こっちにいけばいいかな」くらいの軽い気持ちで流されるほうがいい。毎日、遭遇する仕事、降りかかってくるミッションに対して、「まずはやってみるか」と一瞬一瞬全力で取り組めばいい。1つひとつの仕事が完成するごとに、「オールマイティ感」が生まれる。「やればできるじゃん」と自分を評価することができる。そんな達成感を味わうことを続ければ、いずれ気づかないうちに、自分の能力が上がっているものだ。能力が上がれば、吹いている風をよりキャッチできるようになる。能力が低いうちは気づかない、あるいは、キャッチできなかった風を感じることできるようになっているものだ。

 だから、もし「いつかあれをしたいな」というものがあったら、それを頭の片隅においたまま、目の前の仕事に全力投球してほしい。そうすると、いつの間にか仕事のほうからやってくることはよくあることだ。

 僕も「これからの日本は農業をしっかりやらなきゃ駄目だな。農業関係の仕事をしたいな」と思ったまま、違う仕事を頑張っていたら、いつの間にか、農業関係の仕事が増え、今では講演会などにも呼んでもらえるようになった。

 「チャンスは風とともにやってくる」― 本当にそうなのだ。

 もちろん、悪い風が来ることもある。そんなときは、「何かが間違っている」という警鐘と捉えよう。すぐに仕事の仕方、気合い、生活習慣を見直してみる。そうすれば、「うまくいかないこと」「鳴かず飛ばずのとき」もチャンスになる。大きな反省と勉強の時と割り切ればいい。良い風が来ないとき、自分のやりたい方向に風が吹いてこないとき。そういう風のときは、「今は時機じゃない」と思って、慌てない。機が熟すのを、じっと待つ。

 良い風が来たら、素直に乗る。でも、気分を高揚させないように気をつける。良い風は、悪い風のお陰で訪れるもの。良い風だけに喜ぶのは筋違い。あらゆる風に感謝して、喜ぶべき。

 風に流されると、いつでも、平常心でちょっと楽しく生きられる。良い風が来たときは、かなり上までのぼれるもの。風に抗っては駄目、風と戦っては駄目。自分の力はたかが知れている、無茶しても、先には進めない。自然体で、でも努力して、それが楽しくいくコツ。

◆負けない生き方◆
 あらゆる風に感謝して、喜ぶべき。

 

山本真司

(やまもと・しんじ)

経営戦略コンサルタント、〔株〕山本真司事務所代表取締役

1958年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、〔株〕東京銀行入行、シカゴ大学経営大学院にて修士号(MBA with honors、全米成績優秀者協会会員)取得。1990年、ボストン・コンサルティング・グループ東京事務所入社。A.T.カーニー東京事務所マネージング・ディレクター・極東アジア共同代表、ペイン・アンド・カンパニー東京事務所代表パートナーなどを歴任。20年以上の経営戦略コンサルティング経験。2005年、英国『ユーロマネー』誌より、「世界のトップ金融コンサルタント」に日本人として唯一選出される。現在、〔株〕山本真司事務所代表取締役、立命館大学経営大学院客員教授(戦略コンサルティング論)、静岡県サッカー協会評議員、慶應義塾大学大学院非常勤講師などとして活動中。
著書に、『40歳からの仕事術』(新潮社)、『20代 仕事筋の鍛え方』(ダイヤモンド社)、『会社を変える戦略』(講談社)、『儲かる銀行をつくる』(東洋経済新報社)、『30歳からの成長戦略』『35歳からの「脱・頑張り」仕事術』(以上、PHP研究所)などがある。


<書籍紹介>

勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術

山本真司 著
本体価格1,200円   

「夢や理想を持て! でも食べられてなんぼ!」――一流コンサルティング会社を経て、独立した男が教えるサバイバル術。



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