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「ゲームが得意」が仕事になる時代 澤円氏が語る「好き」を仕事にできる人の共通点

澤円(株式会社圓窓代表)

2026年08月21日 公開

「ゲームが得意」が仕事になる時代 澤円氏が語る「好き」を仕事にできる人の共通点

YouTuber、プロゲーマー...個人でも簡単に発信できるようになった現代において、「好きなこと」を仕事にしている人も多くなりましたが、その一方で「好きなことなのに続かない」という人も多いのではないでしょうか。

本稿では、株式会社圓窓代表である澤円さんの著書『思考をアップデートする全技術』より、好きなことを続けていくために重要な視点について紹介します。

※本稿は、澤円著『思考をアップデートする全技術』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

好きなことや得意なことだけは、絶対に「やめない」

時々、僕の生き方に触れた人から「澤さんはコンプレックスの取り扱いが上手ですね」と言われることがあります。ただこれは、自分ではわかりません。僕は自己肯定感がとても低い状態で育ち、大人になってからも自己否定をしながら生きてきたからです。だから、自分では挫折やネガティブな体験からのリカバリー力が高いというよりも、驕らないで生きていることのほうが大きい気がします。

「いつだって自分より上がいる。天狗になってはいけない。でも3つ以上を掛け合わせれば僕だって世界一なんだから、まあ、良しとするか」という感じ。落ち込むたびにそうやって体勢を立て直し、自分にとって大切なことや、自分がやる必要があることに立ち戻っていこうとしています。

もちろん、3つを掛け合わせても、努力しなければ世界一にはなれません。得意なことだからといってほったらかしにしていたら、やがて枯れていくからです。自分でも気づかないうちに、静かに欠落していくことでしょう。そこで自己投資の観点からあなたにぜひ伝えたい、最強のアプローチをご紹介しましょう。

それは、「絶対にやめない」こと。やめてしまうと、せっかくのユニークな部分や、あなただけの持ち味がどんどん小さくなっていきます。だからこそ、好きなことや得意なことはやめてはいけないのです。

「やめないこと」は、世の中で結果を出している人たちの多くに共通した資質です。また、「これは仕事、これは遊び」と割り切って考えるのではなく、たとえ苦手な仕事のなかにも自分の得意なことや楽しみをうまく探し出し、それを地道に続けていける人が長期的に成果を上げています。

 

好きなことを続けるうちに仕事になる可能性もある

「やめない」人たちの代表が起業家でしょう。あえて乱暴に言えば、バカみたいにずっとそのことばかり考え続けられる人が起業家として成功します。ビル・ゲイツも寝ないでプログラミングばかりやっていたそうですし、マーク・ザッカーバーグも同じような資質を持っていたと言います。

「でもね、その"続ける"ことができないんだよ」

そう思うかもしれません。でも、それが自分の好きなことならどうでしょうか?

たとえば、好きなゲームだったらいくらでも続けられる人はいると思います。でも、「ゲームばかりやって!」と怒られて、一般的にはまるでダメ人間であるかのように扱われるから、早々にゲームの道を諦めてしまうわけです。本当は大好きだったにもかかわらず、ここでも同調圧力が襲ってくるのです。

テクノロジーの進化もあって、現在は何でも続けていくうちに仕事になる可能性が高い時代になりました。もちろん、仕事にならなければいけないわけではありませんが、好きなことを続けていくうちに、逆に世の中が追いついてくるといった展開も十分あり得る時代になっているのです。

日本でもかなり普及してきましたが、ゲームの腕を競う『eスポーツ』(エレクトロニック・スポーツ)は、オリンピックの新種目になるのではと話題になるなど、ビジネスのフィールドが整いつつあります。アメリカではプロゲーマーがすでにスポーツ選手として認められており、中国や韓国での市場規模も日本とは桁違い。

でも、古い価値観に縛られている人たちは「あれはスポーツではない」などと言っているわけで、グローバルな流れに思考がまったくついていけていません。従来のスポーツ観に凝り固まっているから、新しい競技が生まれるメカニズムが理解できないのでしょう。「スポーツは勇気づけられるじゃないか」と言うなら、素晴らしいゲームプレイを見て勇気づけられる人は、それこそ世界中にたくさんいます。

つまり、自分はどちらの価値観や考え方を選ぶかということ。そこで、僕は声を大にして言いたいのです。「続けられない」というよくある悩みも、そのほとんどは「それほど興味がない」「本当は好きではない」のが原因だと僕は考えています。ずっと続けないがために成功体験も得ることができず、途中でやめる原因になるのでしょう。

できなかったことができるようになること。このシンプルな喜びこそが成功体験。だからこそ、できるまで続ければいい。そのために、自分が好きなことである必要があるのです。

 

「いつか」よりも「いつ」で、自分の人生を動かす

好きなことをして生きるようにすると、一つひとつの物事に集中して取り組めるようになり、日々の幸福感も増していきます。ただ、いくら好きなことといっても「いつか役立つだろう」と思っていると続けにくくなることもある。そもそも、好きなことは役に立たなくても続けられるはずなのに、そんなことを思って途中でやめてしまう人がとても多いようです。そんな人は、まずこのことを心に刻み込んでください。

「"いつか"はこない」

あなたの部屋の押し入れは「いつか」というものが詰まっていませんか?いつか使うかもしれない道具、いつか着るかもしれない服......。「いつかは」と思って残しておいた結果、知らないうちに押し入れがパンパンになってしまうわけです。

「いつかはこない」と思えばほとんどの不要なものは捨てられます。これは自戒の意味も込めて言います。これからは「いつか」というマインドもアップデートする習慣をつけていきましょう。

「"いつか"ではなく、"いつ"するのか?」

大切なのは、「いつか」役に立つだろうとタイミング任せにするのではなく、自分で「いつ」と決めること。そのために「このころにはこんなふうになっているといいな」という大まかなマイルストーン(中間目標点)を立てることをおすすめします。

可能であれば「何歳までにこれを達成する」と明確にゴールを決めて達成できれば素晴らしいですが、僕はそんな人たちを「すごいな」と尊敬しつつも、「自分には難しい」と思って見ています。自分がしんどく感じるアプローチでやっても、続けることが難しくなるからです。

だからゴールではなく、ざっくりしたマイルストーンでいいから考えてみるのです。ゴールを考えることがしんどい人も、慌てる必要はありません。自分なりのペースで進みながら、「いつごろまでにここまでいこう」というマイルストーンを持っているのと、持っていないのとでは雲泥の差があります。

何も考えないでただ好きなことをしているだけでは、どこに向かっているのか自分でもわからず、まったく見当違いの方向に向かってしまうこともあり得るでしょう。数年後のマイルストーンをまず立てて、さらにそこへ至るまでの小さいマイルストーンをざっくり逆算して立てていければ、モチベーションを保ちながらうまく続けることができると思います。

たとえば「今日から勉強して来年はアメリカに1人旅へ行こう」とマイルストーンを立てれば、日常英会話の習得やそのための貯金、休暇の設定など小さいマイルストーンをざっくりと逆算できる。ゆるくマイルストーンを考えるだけでも、アクションプランは立てられます。

そして、アクションプランがあると、やはり行動に移しやすくなるのです。「いつ」は自分で決める。だって自分の人生なのだから、人を傷つけたり理不尽な迷惑をかけたりしない限り、あなたの人生はすべてあなたが決めなければならないのです。

ちなみに、僕自身もそう心がけて毎日を生きているので、自ずと逆算した行動が増えていきます。すると、いろいろな場所で化学反応が起こって、自分で思っていた人生のマイルストーンはほとんど前倒しで達成されていきました。

アウトプットをして、フィードバックを得ることが一番の学びになる。具体的なアクションにもつながります。ですから、僕はいつも「これがしたい」「こうなりたい」と周りに言い続けています。そして、僕ははっきりとこう思います。

「夢は人に伝えよう。そうすれば叶いやすくなる」

夢は、ぼんやり思い浮かべている状態が最も危険です。他者に伝えることで自分のなかで言語化され、また他者からのフィードバックを受けて、どんどん自分の頭で考えられるようにもなるのです。

厳密なゴールを設定しなくても構いません。まずは、目指す方向へマイルストーンを立てることから始めましょう。そして「いつ」と決めることで、人生の舵を取る。これが自分を大きく成長させるために必要な自己投資のマインドなのです。

プロフィール

澤円(さわ・まどか)

株式会社圓窓代表

株式会社圓窓代表。武蔵野大学専任教員。元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。マイクロソフトテクノロジーセンター長などを歴任。
現在は、プレゼンテーション、コミュニケーション、グローバル人材育成を中心に講演・研修・メンタリングを行い、大手企業の顧問やスタートアップ企業のメンターとしても活躍。著書に『メタ思考』(大和書房)『The Giver 人を動かす方程式』(文藝春秋)などがある。

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