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「糖質中毒」糖が脳をバカにする! 糖に変わる脳の栄養源「ケトン体」で脳力アップ

2013年08月07日 公開

白澤卓二(順天堂大学大学院教授)

《『THE21』2013年8月号より》

 

なぜ、糖質を摂ると脳が麻痺するのか。

多くの人が「頭の回転を速くする」と思っているが、実は脳を麻痺させる食べ物がある。それは、糖質だ。甘い食ペ物だけではなく、炭水化物にも含まれている。なぜ、糖質を摂ると脳が麻痺するのか。糖質を摂らなくても脳や身体は大丈夫なのか。白澤卓二氏にお聞きした。<取材・構成:塚田有香>

 

昼食後に眠くなるのは炭水化物と砂糖が原因

 仕事で疲れたときに、「甘いものを食べて脳にエネルギーを補給しよう」と考える人は多いと思います。しかし、甘いものが脳に良いというのは、大きな間違いです。

 確かに、ブドウ糖は脳のエネルギー源になります。しかし、一方で、糖質を過剰に摂取すると“糖質依存”に陥り、脳が徐々にむしばまれていくのです。

 糖質を摂ると、体内で何が起こるのでしょうか。

 まず、血糖値が急激に上昇し、膵臓から大量のインスリンが分泌されます。インスリンは血液中のブドウ糖を除去しようとするので、今度は血糖値が下がりすぎ、正常値よりも低い状態になります。すると、脳のエネルギー源となるブドウ糖が足りなくなり、脳がガス欠を起こして機能しなくなるのです。また、血糖値が急激に下がると、脳の働きに必要なアミノ酸が枯渇し、神経伝達物質が作れなくなって、脳が麻痺状態になります。

 つまり、「脳の働きを良くしたいから甘いものを食べる」というのは、完全な逆効果だということです。白いご飯やパン、麺類などの炭水化物も同様。炭水化物は糖類で合成される化合物であり、砂糖と同じ、糖質であることに変わりはありません。

 昼食後の会議は眠くてしかたないという人もいると思います。それは、昼食で砂糖や炭水化物を摂った結果、脳が機能不全に陥るからです。

 何より恐ろしいのは、糖質には中毒性があるということです。砂糖や炭水化物を日常的に摂取していると、より多くの量を食べないと我慢できなくなり、その欲求が満たされないと、イライラしたり、怒りっぽくなったりします。こんな状態では、とても仕事に集中することはできないでしょう。

 これは、糖質が脳へダイレクトに影響を与える物質だからです。白砂糖や炭水化物を摂ると脳のA10神経系というところが刺激されます。すると、ドーパミンという物質が分泌されて、強い快感をもたらします。このメカニズムは、コカインなどのドラッグを服用したときとまったく同じです。糖質の摂取時とコカイン摂取時で脳の同じ回路が使われていると考えれば、その中毒性の恐ろしさがわかっていただけるのではないでしょうか。

 マウスを使った実験でも、糖度10%の砂糖水を与えると、摂取量がどんどん増えることが確認されています。摂取量を増やさないと気が済まなくなるのです。糖度10%といえば、炭酸飲料やスポーツドリンクとほぼ同じ。これらの飲料を日常的に飲まないと気が済まない人は、すでに立派な中毒症状だと自覚すべきです。

 甘い食品によく使われるコーンシロップには果糖が多く含まれており、これも同様の作用をおよぼすことが明らかになっています。

 また、最近の研究では、現在、米国で栽培されている品種改良種の小麦に含まれるエクソルフィンという成分も中毒性を持ち、脳の働きを鈍化させることがわかっています。この点からも、小麦は避けるべきです。

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著者紹介

白澤卓二(しらさわ・たくじ)

白澤抗加齢医学研究所所長・医学博士

1958年、神奈川県生まれ。1982年に千葉大学医学部を卒業後、東京都老人総合研究所分子病理部門研究員、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007~15年、順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。15年より、米国ミシガン大学医学部客員教授。専門は、寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学・分子生理学、アスリートの遺伝子研究など。テレビ、雑誌、講演、書籍などでの老化防止対策のわかりやすい解説に定評がある。
日本抗加齢(アンチエイジング)医学会理事。主な著書に『100歳までボケない101の方法』(文春新書)、『2週間で効果がでる!〈白澤式〉ケトン食事法j(かんき出版)、『「砂糖」をやめれば10歳若返る』(KKベストセラーズ)など。

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