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経営者ならば孫子に学び、兵法家であれ~越智直正(タビオ株式会社会長)

松下幸之助経営塾講義録

2016年02月18日 公開 2016年04月05日 更新

経営者は兵法家たれ

幕末の儒学者で、のちに奈良県知事になった春日潜庵(かすがせんあん)は「人生で最初にやらなければならないことはたった1つ。それは志を立てること」と言っています。また、思想家の橋本佐内は「志のないものは魂のない虫と同じ」、陽明学の始祖・王陽明は「志がないことは舵のない船に乗るようなもの」との言葉を残しています。

志がなければ、どちらに向いて進めばいいかが分からなくなる。志のない人間が一所懸命努力すると、かえって危ない方向に進んでしまうかもしれません。

志があれば、みずからの考え方や行動に統制がとれます。ぼくは76歳になってしみじみ思うんです。もしぼくの志が、お金を儲けて、いい車に乗って、いい服を着る、そんなものだったら、会社はとうに倒産していただろう、と。

時代は常に変化します。そんな状況で「枝葉」の知識をつけても意味はありません。変化する時代に対応するためには、「根本」を知っていなければいけないのです。算数でもいちばん貴い教えは加減乗除。加減乗除を知らなくて出せる答えなんてないでしょ。商売にも加減乗除があるのです。それは古典が教えてくれる原理原則。「根本」をどれだけ知っているかで商売は決まってきます。

「兵法」――。何と読みますか?そう、「ひょうほう」と「へいほう」、2つ読み方がありますね。意味はまったく違うのです。「兵法(ひょうほう)」は、剣術や武術のこと。「兵法(へいほう)」は、人を使って戦うこと。兵法(ひょうほう)と兵法(へいほう)を比べるのは、宮本武蔵と徳川家康の戦い方を比べるようなものですね。

2人が戦ったらどちらが勝つと思いますか? 剣は武蔵が強いかもしれないけども、そもそも家康は刀を抜いたりしないでしょう。家来を動かして戦います。

経営者なら、兵法(へいほう)家にならないといけません。自分1人が技を磨いていてもダメ。人を動かす方法を勉強しなはれ。

原理原則を学んで、どういう戦い方をするか、戦略を立てる。それで自分たちは絶対に負けないと分かったら、社員たちは安心して戦ってくれるのです。

 

☆本サイトの記事は、雑誌「PHP松下幸之助塾」掲載記事の一部を抜粋したものです。

経営セミナー松下幸之助経営塾

著者紹介

越智直正(おち なおまさ)

タビオ株式会社代表取締役会長

1939年愛媛県生まれ。15歳で大阪の靴下問屋に丁稚奉公に出る。1968年ダンソックスの商号で総合靴下卸売業を創業。1977年株式会社ダン設立。1984年福岡・久留米市に靴下専門店「靴下屋」の1号店を開店。その後も国内外に積極的な展開を図り、同社は靴下の製造・卸・小売で国内トップ企業となる。2006年タビオ株式会社へと商号変更。2008年より現職。

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