40歳を超えたら、運動は「8,000歩/20分」のウォーキングで十分
2016年06月09日 公開 2024年12月16日 更新
「ながらウォーキング」を日々の生活に取り入れよう
具体的にどの速さのウォーキングが中強度の運動に相当するかは、その人の体力によって違います。20~30代の人は体力があるので、速歩きでは「なんとか会話ができる程度」という状態にはならないでしょう。若い人にとっては、ジョギングなどが中強度の運動に相当します。40代になって体力が落ちてくると、ジョギングをしながら会話するのは難しくなりますから、速歩きが中強度の運動になります。
つまり、運動の強度で見れば「20~30代にとってのジョギング」と「40代にとっての速歩き」は同じであり、どちらも20分続ければ同じ健康効果を得られるということです。「40代になったらジョギングからウォーキングへの切り替えを考えたほうがいい」と先ほどお話ししたのも、これが理由です。
実は、1日に8,000歩を歩いている人の多くは、とくに意識しなくても、普通に生活を送っているだけで、1年365日の平均を取ると、中強度の運動を1日20分しています。自然と速歩きになったり、階段を昇ったりしているからです。これも中之条研究でわかったことです。
ただ、家事中心の生活をしていると、家の中でよく歩いてはいるけれども、中強度の運動は不足していることがあります。農家の人でも、歩数は多くても、中強度の運動が不足していることが多い。身体を大きく動かす機会が少ない職種の人は、運動の強度を意識するべきでしょう。
逆に、運動の強度は足りているけれども、歩数が不足している人もいます。自動車で通勤し、仕事はデスクワークで、運動はジムでしている、というような人は、気をつけてください。
ビジネスマンがこれからウォーキングを始めるなら、まずは今の自分がどれだけ歩いているか、どれだけ中強度の運動をしているかを確認すること。「身体活動計」と呼ばれる健康器具を使えば、数値を測定できます。その結果、もし「8,000歩/20分」をクリアしていたら、それ以上ウォーキングをする必要はありません。現状の生活習慣を維持すれば、健康を保つことができます。
「8,000歩/20分」に届いていなければ、足りないぶんをウォーキングで補いましょう。とはいえ、そのための時間を特別に作る必要はありません。習慣化するには、普段の生活の中で歩数を増やすのが一番です。会社では、エレベーターを使わず、階段を使う。あえて1階上のトイレに行く。こうした「ながらウォーキング」を取り入れれば、仕事が忙しい人でも無理なく目標を達成できます。
さらに大事なのは、毎日必ず「8,000歩/20分」を達成しようと思わないこと。「今日はデスクワークが多かったので6,000歩しか歩けなかった」という日があれば、他の日に多めに歩いてカバーすればいいのです。1日で達成できなくても、1週間や1カ月で帳尻が合えば良いですし、最終的には1年365日の平均が「8,000歩/20分」になればいい。そう考えることが、長く続けるための秘訣です。