原理原則中心の生き方を~博多一風堂店主が実践した「7つの習慣」
2016年06月30日 公開 2016年07月04日 更新
「影響の輪」を広げよう
私は自分を変えることで「影響の輪」を広げ、チームワークを立て直すことができました。何も難しいことをしたわけではありません。先輩のひと言で、「関心の輪」のなかにいる「思いどおりに動かない」スタッフを責めていた自分に気づき、「いまの自分にできること」が見えたのがラッキーでした。
ひと昔前になりますが、劇団四季の浅利慶太さんが「いまは自分の時間を持たない人が多い。他人の時間に左右される人がなんと多いことか」「研究生はたくさん来るが、自分より高いレベルの人と自分とを比べてしまい、限界を感じて去ってしまう」と嘆いていた記事を目にしたことがあります。
これを読んだときに私の頭のなかで、「関心の輪」と「影響の輪」の概念と浅利さんの話が結びついたのです。
「関心の輪」と「影響の輪」の話に置き換えると、次のようなことになるでしょう。
なんで自分はあの人のようにうまくいかないのだろうという「関心の輪」(他人の時間と才能)がある。それは「自分がいまできること」ではないのに、そのなかに「影響の輪」(自分の時間と才能)を落とし込む。そうなると結局は「影響の輪」を広げることができずに退団してしまう。それならば自分がいまできることを信じて、自分の「影響の輪」を広げれば、スターになれるチャンスはある。
私は浅利さんの記事を読んで「影響の輪」を広げることの重要性を再認識したのでした。
原理原則を大切に。繰り返すな、積み重ねよ
『7つの習慣』を読むと、時代を超えて人間社会に共通する普遍的な原則を軸に生きることが人格を磨くことになるのだと気づかされます。普遍的な原則とは「誠実」「正直」「公正さ」「奉仕」「貢献」「忍耐」「人間の尊厳」といったものです。
頭ではわかっていても、実際に世の中はうまくいくことばかりではありません。一瞬の気の迷いで大きな「過ち」を犯すことすらあります。
また、「影響の輪」を増やそうという生き方を選択した人間は、どんどん主体的になっていくことで、いろんなことに挑戦するようになります。
すると、必ずついてくるのが「失敗」です。
こういった「過ち」や「失敗」はまぎれもなく過去のことです。過ぎ去った出来事は、当然ながらいまさらやり直すことはできません。もはや自分ではコントロールできない「影響の輪」の外にあることです。
だからといって放っておいていいわけではありません。大切なのは自分が犯した「過ち」や「失敗」をしっかり認めることです。これができなければずっと「原則中心の生き方」から外れ、自分や他人に嘘をついて生きることになり、同じ失敗を繰り返してしまいます。それは人生において最悪なことです。
過去は変えられないならば、いまに生きるしかありません。大切なのは「過ち」や「失敗」をしっかりと受けとめて振り返り、反省すること。その積み重ねが新しい主体性と未来をつくっていくのです。