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デフレ時における「家計の鉄則」とは?

荻原博子(経済ジャーナリスト)

2016年09月16日 公開 2024年12月16日 更新

デフレ時における「家計の鉄則」とは?

住宅購入は2020年まで待ち、貯金最優先で

将来のために今どのようにお金を使い、貯めて、増やせばよいのか――それがわからず、漠然と「将来が不安」という人は多い。生活に根ざしたアドバイスで人気の、家計経済のパイオニアである荻原博子氏が考える、「使っていいお金・やっておくべき投資」と「使ってはいけないお金・やってはいけない投資」とは?《取材・構成=塚田有香、写真撮影=まるやゆういち》

通信、電力、保険……どの支出ももっと削れる!

日銀が掲げた「2年で2%」のインフレ目標の達成が絶望的となった今、これからもデフレは脱却できないと考えるべきです。デフレ時における家計の鉄則は、「借金を減らして、現金を増やす」。住宅や車のローンを抱える人は、繰り上げ返済をして負債を減らしましょう。

住宅の購入を検討している人は、少なくとも2020年までは買わないほうがいいでしょう。東京オリンピック後はバブルが弾け、不動産価格は下がります。しかもこれからは、住宅が余る時代。すでに現在でも、東京都内の10軒に1軒は空き家です。無理して高いローンを組まなくても、格安の中古住宅がいくらでも手に入る時代がやってくるのですから、マイホームを買うのはそれからでも遅くありません。

貯蓄を増やすには、家計の支出の見直しが必須です。
まず削減すべきは、通信費。今は一カ月の利用料金が2,000円程度の格安スマホがありますし、今夏にサービス開始予定の「LINEモバイル」は月々500円からという激安価格。家族全員が三大キャリアを使っている場合は、ひと月に数万円単位で支出を減らせます。

次にチェックすべきは、電気代。電力自由化により、新規参入した会社がお得なプランを出しているので、新電力への変更で電気代が安くなる可能性があります。注目は、ガス会社と携帯通信会社の電力プラン。来年にはガスも自由化されるので、今のうちに電気事業に食い込みたいガス会社と、顧客を囲い込みたい通信会社は、消費者に有利なプランを出しています。

そして、いまだに無駄が多いのが保険です。サラリーマン家庭の場合、もし父親が亡くなっても、子供が18歳になるまで月々15万円前後の遺族年金が支払われます。ほとんどの会社から死亡退職金も出ますし、住宅ローンを組んだ際に団体信用生命保険に加入していれば、残りの支払いはなくなるので、生命保険の死亡保障は最低限のもので十分です。

 

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今は投資に手を出さず貯蓄を増やすべき

著者紹介

荻原博子(おぎわら・ひろこ)

経済ジャーナリスト

1954年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所に勤務。82年、フリーの経済ジャーナリストとして独立。家計経済のパイオニアとして、お金と経済の仕組みを生活に根ざしてわかりやすく解説する第一人者として、テレビや雑誌で活躍。『10年後破綻する人、幸福な人』(新潮新書)など、著書多数。

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