接待ゴルフのマナー~一流営業マンはわざと負ける?本気でプレーする?
2016年10月18日 公開 2024年12月16日 更新
むやみに「ナイスショット!」と叫ばない
お客様が打ちました。いい当たりです。そのとき、あなたはこう思うかもしれません。
「そうだ、営業マンとしては『ナイスショット!』と叫ばなくちゃ!」
ドラマなどの接待ゴルフのシーンでは、営業マンが「ナイスショット!」と大声で叫んでいる場面がよく出てきます。お客様とのゴルフでは「ナイスショット!」と言って持ち上げるのが常識、あなたはそう考えていませんか?
私はそういった見え透いたお世辞は一切言いません。むしろ無礼だと思います。
ゴルフに行くと、やたらと「ナイスショット!」「ナイスオン!」を連発している人がいますが、たとえ接待ゴルフでも、そんなヨイショは全然必要ないでしょう。
むやみやたらにお世辞を連発するのは、逆に失礼になる場合もあります。
というのも、ナイスショットの価値観というのは人それぞれ違います。見ている人が「いい当たりだ!」と思っても、打った本人にしてみたら、「あぁ、ちょっとミスった……」
と思っていて、その人にとってはナイスショットではないかもしれないのです。
不本意な当たりなのに「ナイスショット!」なんて叫ばれると、人によっては「わかってないなぁ」と思われることもあります。
私は「いい当たりだ!」と思ったときでも、すぐに「ナイスショット!」と叫ぶのではなく、そのプレーが終わったあとで、「今みたいな球って、どれぐらいで打てるようになるんですか?」
と質問をしたり、逆に今ひとつの当たりだと思ったときは、
「今のは少し当たりが薄かったですかね」
といった正直な感想を伝えるようにしています。でも、それでお客様が怒るなどということはありません。
「だけど、さっきのティーショットの当たりはホントすごかったですよね」
「だろ。あれが俺の本来の実力なんだよ、……なんてね、実はたまたまなんだよ」
と、むしろ話が盛り上がったりするのです。
また、あんまり大きな声で叫ぶと、前の組や後ろの組に迷惑をかける場合もあります。
「ナイスショット!」と叫びたい場面でも、周囲への気遣いも忘れないように心がけましょう。
むやみにヨイショすることが、お客様への気配りではありません。それよりもプレーについて何かアドバイスを受けたときは、素直に実行してみましょう。
そして実際にうまくいったら、「本当にいい球が打てました!」とすぐに相手にフィードバックするのです。そのほうがお客様も嬉しいと思います。
私は商談中の雑談などで、お客様から「あの店のラーメンが美味しいんだよ」といった話を聞いたときには、すぐに食べに行って「すごく美味しかったです!」などと感想をフィードバックするように心がけています。これも本当に些細なことですが、たったそれだけでも喜んでいただけることが少なくないのです。
人はほんの些細なことでも、自分の話をちゃんと聞いてもらえると嬉しいものです。何かを人にすすめたときに、相手が実際に行動に移してくれたらもっと嬉しく感じますよね。それはきっと、自分の思いが相手に伝わったと実感できるからなのでしょう。
相手にとって本当に嬉しいことは何か?
ゴルフでも仕事でも普段の生活でも、いつでもそのような考え方ができれば、深い人間関係が築けるのではないでしょうか。