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生き方

澤穂希 夢はみるものではなく、かなえるもの

100年インタビュー

2017年02月17日 公開 2024年12月16日 更新

※本記事は、澤穂希著『夢はみるものではなく、かなえるもの』より一部を抜粋編集したものです。

 

夢をかなえるために

─いくつもの壁を乗り越え、夢をかなえてきた澤さんですが、夢に向かって挑戦する人たちに伝えたい、これまで大切にしてきた言葉がありますよね。

夢はみるものではなく、かなえるもの。

─ずっとこれを、大切にしてこられた?

学生時代からずっと、この言葉を大切にしてやってきました。夢とか目標を持つということは、そこに向かって頑張る努力をする自分も生まれるし、やっぱり自分自身が強くなれますよね。

─どうしたら夢をかなえられるのでしょうか?

まず、夢を見つけることから始まりますよね。それは、どんなに小さくても、大きくてもよくて、やっぱり目標がないと頑張れないですよね。

それで、頑張っても、頑張っても、結果が出ないと、目先の結果であきらめてしまうことが多いのですが、本当に自分の夢をかなえるためには、相当な時間がかかると思うんです。

10年、20年、時には30年以上かかるかも知れませんが、でも、やり続ける。やはり、継続することが大切だと思います。夢をかなえるためには、大変な道のりがたくさんありますが、いろんなことを努力したり、頑張ったりすれば、最後にはかなうと信じています。実際、自分がずっと目標にしてきたことが、かなったので、やり続けるということが本当に、大切だと思います。

─今、夢を持っているすべての人たちに、どんなことを伝えていきたいと思いますか?

今、「なでしこジャパン」と言えば、みなさんご存じだと思いますが、私が子どもの頃は、「女の子がサッカーやるの?」という、そんな時代でした。でも、私はサッカーが大好きだったから大学もやめて、アメリカに一人で行きました。

その頃は、今のようにネットを見る環境が多くなかったですし、異国の地で、日本人にもほとんど会わない状況でした。

チームとの契約も一人で、英語で、何でもすべて自分でやって。お金もぜんぜんなかったのですが、少ない貯金でアメリカに飛んで。今ではもう一度やれるかどうか、想像もつかないほど大変だったのですが、でも、そういうことがあったからこそ、今があるんだと思えます。

楽して何かを得ることはできないと思うので、いろんなことにチャレンジして努力して、夢をつかんで欲しいと思います。その夢に向かって日々努力し、とにかくあきらめないで継続していって欲しいという、ただ、それだけです。

─澤さんは、「天才」と言われたり、「すごい人」と言われたりしていますが、努力の人なんですね。

私は絶対に天才ではありません。自分で言うのもなんですけど、小さい時は本当によく練習をしたと思います。

仕事も練習もそうですが、「やらされている」と義務みたいに感じてしまったら、絶対に楽しめないし、長続きもしないのではないでしょうか?

「これをやればうまくなるんだったら、頑張ろう」という気持ちで取り組むと、苦しい練習も楽しくなります。勉強も仕事も、やらされていると考えると面倒だけれど、考え方次第で変わってくると思います。

─本当に努力、努力の積み重ねで、世界一まで来たということですか?

努力……、そうですね。努力は裏切らない。

私はサッカーしかやってこなかったけれど、サッカーを頑張れたことは、ほかのことをやる上でも自信につながりました。スポーツでも、それ以外のことであっても、そう大差はないと思います。

とにかく自分の好きなことを一生懸命やること。思い続けること、願い続けることが、現状を変えてくれるはずです。

何をやるにしても壁は立ちはだかります。壁にぶつかるからこそ、人は頑張れるのだと思います。最初からいいことなんてないですよね。いいことも悪いことも知っているから、人として成長できるのだと思います。

 

100年後につないでいくみなさんと、100年後のみなさんへ

100年後、日本サッカー。

日本女子サッカーがブームではなく、文化になっていて欲しいと思います。

そして、ワールドカップで男女ともに優勝を何回もして欲しいと思います。

また、バロンドールというサッカー選手にとって最高の名誉ある賞を、日本人が一人でも多く獲って欲しいと思います。

ちなみに、私はバロンドールをいただいた初めての日本人です。

  2016年12月

澤穂希  

【日めくり】澤穂希 夢をかなえる「あきらめない自分」をつくる心の言葉

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