心理学者が家賃の値下げに成功した話。ガイ・ウィンチの上手に不満を伝えるコツ
2018年06月01日 公開 2023年05月17日 更新
相手側に「協力したい」と思わせる
次の最後のパートには、2つの目的があります。
ひとつは苦い薬(不満)を飲み込みやすくするための「甘味」となり、読み手に無視しづらいと思わせること、もうひとつは読み手に不満の解消に協力したいと思わせることです。
「どんな形でもいいので、私が置かれている現状を家賃に反映していただけたら幸いです。
その際に、私の署名が必要な書類が発生すれば、喜んで署名いたします。御社には何かしらの対処をする義務も、騒音に対する責任も一切ないことはわかっています。
とはいえ、いまの状況はあまりにも耐えがたく、お願いせずにはいられませんでした。
お返事をいただければ幸いです。ご検討をよろしくお願いいたします。」
甘味の役割を果たすのは、「ご検討をよろしくお願いいたします」の前の「とはいえ、いまの状況はあまりにも耐えがたく、お願いせずにはいられませんでした」です。
この一文から、過剰な期待を抱いていないことと、相手の対応に感謝する用意があることがわかります。それにより、管理会社が助けを申し出やすくなるように、私の苦情を飲み込みやすくなるようにしているのです。
管理会社からすれば、助けを申し出ても要求に屈することにはなりませんし、責任や失態を認めることにもなりません。おまけに、家賃の減額がいくらでも、苦情主の承認と感謝は保証されています。
このように、「不満サンドイッチ」のつくり方はいたってシンプルです。
時と場合、相手によって、サンドイッチの材料の分量を適切な分量にアレンジしつつ、このレシピに従って不満を伝えれば、相手が好意的に受け止める可能性が高くなります。
消費者として不満を伝える際はもちろん、家族や友人、職場の同僚へ不満を伝えるときなども、この「不満サンドイッチ」の伝え方を参考になさってください。
上手に不満を伝えることによって、あなたも、あなたの周りの人々も、より良い環境のなかで心穏やかに過ごせることを願っています。
※本記事は、ガイ・ウィンチ著『NYの人気セラピストが教える 不満を上手に伝える方法』 (かんき出版) より一部を抜粋編集したものです。