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3年後に中国が日本の音楽市場を追い抜く。それは日本にとって好機でもある

2018年06月25日 公開

山口哲一(エンターテック・エバンジェリスト/音楽プロデューサー)

山口哲一(エンターテック・エバンジェリスト/音楽プロデューサー)

 

ムー大陸のように突如出現した中国音楽市場。あと3年で日本を抜き去る

僕がこの10年間で最も衝撃を受けたこと。それは中国に音楽市場が確立されたことです。

つい近年までこんなことが音楽業界内で語られていました。

「中国では、海賊版ですらプレスされない。違法サイトでいつでも聴けてしまうから」
「中国は好況だから、ライブのギャラは良いが、原盤(音源)で商売をするのは不可能だ」

中国では音源ビジネスは不可能だ――と多くの業界人が思い込んでいました。

2015年12月に僕はあるニュースに触れ、驚きました。
中国政府が「2020年までに自国の音楽市場を5兆円に成長させる目標」を発表したのです。

私だけでなく、日本の音楽業界人の多くは懐疑的に見ていたでしょう。しかし、そこは国家計画で動く国。単なる誇大妄想ではありませんでした。
中国の巨大IT企業Tencentがこの国家方針に同調するがごとく、音楽サービスに積極的に乗り出しました。

同社はテンセント・ミュージック(旧QQMusic)という月額170円のストリーミングサービスを力強く展開し、2017年には目標として掲げていた有料会員2,500万人に到達したと見られるほどの急成長を見せたのです。

「中国では音源にお金を払わない」という日本の音楽業界の固定観念は、たった1、2年にしてあっさりと突き崩されました。

テンセントだけでなく、アリババ(阿里巴巴)等の中国系の巨大IT企業は、アメリカで上場しているケースが多数です。基本的にはアメリカのビジネスルールに従いシェア獲得争いを演じています。

テンセント・ミュージックも例に漏れず、世界一のシェアと言われるSpotify(スポティファイ)のビジネスモデルを踏襲し、対抗すべく、Spotifyと同水準の料率(使用料)を払う一方で、世界に冠たるレコード会社であるユニバーサル・ミュージックもテンセント・ミュージックに原盤供給しています。すでに世界の音楽市場において大きな存在感を示しているのです。

このように、大方の日本人の予想を裏切り、海賊版と違法サイトの無法地帯だった中国に原盤市場が突如として”出現”しました。まるでムー大陸が浮かび上がってきたかのように。

約3,000億日本の音楽市場。中国がその規模を追い抜くのに3年あれば十分ではないかと予想する方も少なくありません。

(次ページ:アジア市場を活用すれば、日本の音楽市場は現在の2倍にまで成長する)



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