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自己肯定感を高める「感謝」の習慣のつくり方

三浦将(「習慣力」エキスパート)

2018年08月21日 公開 2024年12月16日 更新

自己肯定感を高める「感謝」の習慣のつくり方

「幸せになりたい」というのは、誰しもの願いだと思います。

幸せを感じるために最も大切なことは、「自分自身を受容している状態になること」。そして、そのバロメーターとなるのが、「自己肯定感」です。

では、どうやったら自己肯定感を高めることができるでしょうか? 
 

「感謝」すると、なぜかすべてうまくいく!

自己肯定感を持つために、かなり有効だと実感できる習慣をご紹介します。とてもシンプルな習慣です。

それは、感謝する習慣。

あなたはこの感謝ということをどう捉え、感謝があなたの1日の中にどのように存在しているでしょうか。ここ3日間くらいの自分を振り返ってみてください。

どんなことに感謝しましたか。
どんな人に感謝しましたか。
どのくらい感謝をしましたか。

「感謝と言われても、あまり感謝することなんかないし、そんな善人ぶるのも何だかなあ」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。

もちろん道徳的なことを押し付けるつもりもありません。私がお伝えしたいのは、「感謝しているほうが得なことがいっぱい起きる」ということです。

「感謝することがない」と思うのは仕方がないと思います。私自身も10年くらい前は、同じような気持ちでした。「感謝することがない」というのは、生きる上での様々なことを「当たり前」だと思っているからです。

「注文した料理がちゃんと出てくるのは当たり前だろう(金を払っているのだから)」
「親だから育ててくれるのが当たり前だろう」
「依頼したことは、部下がちゃんとやってくるのが当たり前だろう」

これらちょっとしたことを「当たり前」と捉えると、感謝の気持ちなど湧いてきません。しかし、本当に当たり前なのでしょうか。
 

「感謝ノート」で脳がポジティブに変わる!

イギリスで暮らしていた時、注文した料理がちゃんと出てこないことを何度か経験しました。ロンドンの中華街では、頼んだものがテーブルに届く時、皿ごと飛んできたこともありました。こんな経験をすると、注文した料理がちゃんと丁寧に届くことにも感謝の念が湧いてくるようになりました。

また、700円のアジフライ定食を頼んで、その定食が目の前にちゃんと運ばれてきた状態を想像してみてください。あなたは700円を払います。その対価として、この定食が運ばれてきました。

ところで、この定食があなたの目の前に現れるためには、どれだけの人がかかわってきたのでしょうか。

アジを採ってくれた漁師さん、パン粉の小麦や米や野菜を栽培してくれた農家のみなさん、それらを運んでくれたり、販売してくれたりした流通業のみなさん、それを料理し、配膳してくれたお店の方、それ以外にも数多くの人の手がかかって、やっとのことでアジフライ定食として目の前に現れてくれているのです。それを、「700円要らないから、自分1人で全部やって」と言われたら、ちょっと困ってしまいますよね。

こう考えると、たかがアジフライ定食というなかれ、「目の前にちゃんと出していただいて感謝」という感じになるのではないでしょうか。そして、そのように感謝することにより、何とも気分が良くなってくると思います。子どもを育てるために、一生懸命働き、多くの苦労がありながら、完璧ではないにせよ、自分に様々な計らいをしてくれる親の毎日の行為が「当たり前」でしょうか。

あなたが親の立場になってみて、自分の子どもが「育ててくれるのは当たり前だろう」という態度で、感謝もしてくれなかったらどうでしょうか。

親と思うから当たり前になるという部分もあります。変な話、親ではなく、縁もゆかりもない隣の家のおじさんが、その親切心だけで、あなたが学校に行ったり、生活するために毎月何十万円というお金を出してくれたとしたら、それは当たり前ではないですよね。

こう考えると、親に感謝を感じられるところは至るところにあると思います。

部下が仕事をしてくれるのは、部下というものは上司の指示に従うのが当たり前だからでしょうか。

仮にあなたに3人の部下がいたとして、みながその当たり前のことをしてくれなかったら、あなたのチームの仕事はどうなってしまうでしょうか。

ビジネスマンとしてやるべきことをちゃんとやるのは、たしかに当たり前です。当たり前のことを当たり前にやり続けることができる人をプロフェッショナルと呼びます。

一方、あなたが部下の立場の場合、「当たり前のことをやっているだけだから、感謝なんて少しも要らない」と思えるでしょうか。

当たり前のことを一生懸命やって、上司から「きっちりやってくれたね。ありがとう。本当に助かるよ」と言われたらどうでしょうか。

これを嬉しいと感じるならば、今度はあなたが感謝するほうになってみるのはいかがでしょう。上司-部下の関係が、きっとより円滑になっていくと思います。

これらのことも「感謝しているほうが得なことがいっぱい起きる」の一部分です。

そして、おすすめする習慣は、「感謝ノートをつける習慣」です。

これは、1日の終わりに、その日感謝したことをノートに3つ書く習慣。

すでにこれを習慣化している方がいらっしゃるかもしれません。

心理学者のショーン・エイカー博士によると、これに費やす時間は、1日たった2分半で、これを21日続けるだけで、ポジティブなものを見つけようとするパターンが脳の中にできてくるそうです。そして、これを習慣化して続けることによって、このパターンはさらに強化されていきます。

もしあなたが、「自分はネガティブだ」という思い込みに悩んでいるとしたら、それを解決するための習慣としてもかなり強力なものでしょう。

このことにより、自分を否定する機会はどんどん減っていき、自己肯定感をしっかり持てるようになってくるわけです。

実際に私自身も専用ノートを用意して、「毎日感謝を3つ書く」を習慣化し、その威力を感じています。感謝を感じるというのは、実に清々しいもので、1日の終わりに、この感覚を得られるというのも、「得なこと」の1つです。こんな感覚の毎日ですから、非常に寝つきも良く、快眠を享受しながら、早起きまでできてしまうという大きなメリットもあります。そして、この感覚があると「今日も感謝を感じることができることをしよう」という気持ちになってくるので、良い連鎖がどんどん起こってくるのです。

また、私の私塾である「一流習慣養成塾」という、一流の習慣を身につけるための塾の塾生さんたちには、これを必ず習慣化してもらっています。入塾当初は、ネガティブで否定的なものの見方が多く、自己肯定感を持てなかったような塾生さんでも、数週間後には、見違えるように、ポジティブで、積極的で、調和的な人になっていきます。こういう変化が起こって、自己肯定感が上がらないわけがないのです。

著者紹介

三浦 将(みうら・しょうま)

「習慣力」エキスパート

人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ。株式会社チームダイナミクス代表取締役。英国立シェフィールド大学大学院修了(MSc 理学・経営学修士)
大手広告会社、外資系企業を経て、エグゼクティブコーチとして独立。「習慣力」をはじめとするそのコーチングの成果が評判を呼び、依頼殺到の大人気コーチとして活躍する。
著書にシリーズ累計20万部突破の『自分を変える習慣力』『相手を変える習慣力』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
ブログ:https://ameblo.jp/lifecoach1

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