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『本所おけら長屋』を語りつくす!“セキララ”座談会



2020年05月02日 公開

畠山健二 × おけら女子

最新刊(11巻)はどうでしょう?

畠山
昔の“巻”ばかりが挙がりますが、最新刊(11巻)はどうでしょう?

福田
最後のお話「らくがき」がまた泣けました。私も絵を描くので、その気持ちがわかるというか。それよりなにより、「ぬけがら」のお染さんの過去! これがまた……ねぇ。

畠山
お染は、重要なキーポイントを握る人物なんです。これまで、いろいろな人物の過去を明かしてきましたが、じつは松吉の過去はまだ出していない。

橋本
「こまいぬ」の石貫が、“松吉のお父さんに似ている”とあって。そのうち、松吉のことも明らかにされるのかな、って。

福田
居酒屋のお栄ちゃんのこともまだですよね?
 

橋本
私、お栄ちゃんと松吉のやりとりが気になってる。松吉は、まだ気づいていないですよね、自分がお栄ちゃんに惹かれているってことを。

福田
万造よりも、松吉なんだ! 先生、意図していたんですか?
 

畠山
もちろん!
 

桑原
ところで、先生自身はどの回がお好きなんですか?
 

一同 知りたい(笑)。

福田
それにキャラクターは、ご自身の性格とか癖を反映していたりするとか? 先生の分身というか、先生そのものが『おけら長屋』だなって感じてます。

桑原
ひとり『おけら長屋』になっているハズです(笑)
 

畠山
書いていて泣いたのは、5巻の「はるこい」。黒石藩主の津軽高宗が、売られてきた女郎に慰められるシーン……あれは泣いた。女郎にならざるを得ないという選択をさせたのは、ほかならぬ高宗であって。その実情、吉原にいるという姿を目の当たりにして。でも、自分が慰められてしまうという……とても切ない場面でね。
ハッピーエンドじゃないんだけれども、高宗が大人になっていくというのが好きだな。

桑原
「はるこい」の尾形清八郎のその後も知りたいです。
 

福田
露骨な質問をします。毎回、「泣かそう」「笑わそう」と思って書くんですか?

畠山
根底にはありますね。ただ「泣かそう」として泣かせるものを書けるワケじゃない。

橋本
ほぼ毎回、泣かされていますが。
 

畠山
ありがとう(笑)。でも泣かすほうが、笑わせるよりも簡単かな。書店回りをしていると、「おけら信者」の書店員さんがいらして。「この一文がすごかった。笑い転げた」なんて報告されると、ものすごくうれしい。

橋本
金太が登場すると、いつもクスッとします。でも裏にいろんなテーマを含んでいるんだろうな……とも。

畠山
金太の登場場面は、現代社会へのアンチテーゼでもあるんだよね。あの世界では、隔離や疎外することを絶対にしない。
とはいえ、「仲間にしましょう」というのもおかしくて。なんとか、こいつの居場所をつくってやるという、自然な流れを前提にしている。

福田
じつは幼稚園や保育園にもそういう子はいて。大人は隔離したり、反対に仲良くさせたりと画策しがちだけれども、私はそれが嫌で。大人が関与せずに育ったら、そのまま“金太とおけら長屋”のような関係になるんじゃないか、って思います。

西山
金太の存在は大きい。今の社会で大切なことを教えてくれるような気がする。

畠山
『本所おけら長屋』の隠れテーマは人間力です。どんな問題も、『おけら長屋』の面々は、人間力で解決していくから。神代の昔から、普遍的に、いじめとかセクハラとかずっとあった。でもそれは人間力でカバーできるはずだったのに、今はそうじゃない。物事、粋か野暮かで判断できれば、ストーカーなんて絶対に存在しないよね。

桑原
みんながそれぞれ違って、それでいいということを理解しないと。互助という言葉がありますが、防災にしろ福祉にしろ、今の人たちって「やり方がわからない」って言うでしょ? 
でも、『本所おけら長屋』を読めば、ちょっとしたおせっかいのことが載ってるから! お互いに関心を持つことからはじめましょうよ。

西山
お仕事につなげる、桑原さんもすごい(笑)。『おけら』のいいところって、女同士の“いざこざ”がいっさいないの(笑)

福田
そうですよね(笑)。女性はたくさん出てくるけれど、みんな仲よくて、いい意味で自己主張できてるしね。

橋本
不満があっても、その場で言いたいことを言っているから、そこで解決できちゃうのかも。

桑原
これができない長屋があってねぇ。今回(11巻)の「らくがき」に出てくる(笑)

福田
比較できるからこそ、『おけら長屋』の住人が光るんですよ。ホント、教科書に載ればいいのに!

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