<<ある程度のキャリアを積んだビジネスパーソンなら、一度は転職を考えたこともあるのではないでしょうか。本当に転職するべきか留まるべきか、方向転換をした方がいいのかなど、転職に関しては悩むこともたくさんあるでしょう。
転職についてプロはどう考えているのか? 50億円もの赤字を抱えていた企業の代表取締役に就任して1年目で営業利益を黒字化、これまでに2000社を超える企業の再生事業に参画して赤字会社の大半を立て直してきた会社再建のプロ、長谷川和廣氏がキャリアアップを目指すための理想の転職とは?>>
※『利益を出すリーダーが必ずやっていること』(かんき出版)より一部を抜粋編集したものです。
転職するなら自分なりの明確な基準を持つべし
転職に至るきっかけは人それぞれ、様々な理由があると思いますが、転職の形には2種類があります。自分をより成長させる「キャリアアップ」と、ただ仕事や職場を替えるだけの「ジョブホッピング」です。
この2つを混同すると、得るものの少なかったり自分が納得できない結果になってしまうこともあるため、ぜひ注意したいものです。
キャリアアップは前職の経験を活かしながら、さらにスキルや人脈、経験を突き詰めるために新たなステージに挑戦することを指します。
たとえば、「部下3人のチームリーダーとしての課長代理が、さらにマネジメント力を高めるために、同業他社の部下10人の課長職に転職する」というのは立派なキャリアアップです。
一方、仕事の内容や職場の人間関係、待遇に不満があり、ひとまず環境を変えるために行う転職がジョブホッピング。現実逃避の意味合いが強く、職種や業界にこだわらず安易に転職を繰り返すのが特徴です。
厄介なのは、本当はジョブホッピングにすぎない転職も、自分を正当化すればキャリアアップに思えることです。
本当は会社から評価されないことに嫌気がさして転職したのに、それを認めたくなくて、「どうしても別の業界で自分を試したかった」と自分を納得させてしまう。
このような安易な道を選ばないように、私が自分自身に課していたことは、「給料が1円でも安くなるような転職は絶対にしない」というルールでした。
ビジネスパーソンにとって、給料は自分の市場価値を最も端的に示す数字です。それを下げるような転職は、表向きにどんな見栄えのいい理由があっても、逃げの転職をごまかしているだけだと考えるようにしたのです。
もちろん給料は下がっても、裁量が増えてキャリアアップになる転職もあります。たとえば、大手企業で歯車として働くより、給料が下がっても、ベンチャー企業のマネージャーとして自分の裁量で仕事をするという選択も、キャリアアップの1つです。
いずれにしても大切なのは、自分なりの明確な基準を持つことです。
「この転職では給料優先」「次の転職は裁量優先」などと転職の基準となる考え方をころころと変えていたら、いくらでも自分をごまかすことが可能です。
この転職はキャリアアップなのか、それともジョブホッピングなのか。転職するときは、もう一度、自分の基準に照らし合わせて考えてみましょう。
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スペシャリストになるべきかゼネラリストになるべきか