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メルカリCOOのひと言が気づかせてくれた「成長企業と衰退企業の差」

谷本有香(フォーブス・ジャパン副編集長)

2018年11月09日 公開

3000人以上のリーダーに出会ってたどりついた、生き残る人の共通点とは?

企業を例にしてお話ししましたが、これからの時代においてより変化が求められるのは「人」、つまり私たち自身です。

これまでリーダーとして人を指導したり、情報発信したりしてきた人であっても、これからの時代に求められる素質を備えていかなければ、生き残ることはできません。ただ、それは悲観すべきことではなく、対応していくことができれば、誰でも新しい時代のリーダーになれる、ということです。

それを私に教えてくれたのが、新旧のトップリーダーの方々です。

私はこれまで金融経済キャスターの経験を活かし、十数年におよび新旧3000人以上のトップリーダーたちと出会い、インタビューしてきました。

過去には、トニー・ブレア元英首相やスターバックス元会長兼CEOのハワード・シュルツ氏、個人投資家のジム・ロジャーズ氏やノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏など、世界的なVIPから大企業の経営者まで、数え上げればキリがありません。

経営哲学やビジネスに関する話題はもちろん、趣味や家族など、仕事以外の部分にも踏み込んだインタビューをすることで、「人となり」も含めて、その人たちをできるだけ感じてきました。

なぜなら、そこにこそ彼らが「成功者」として活躍するにいたった要因の数々が、垣間見られたからです。私は何度も何度も、彼らの哲学や人柄に触れ、感銘を受けてきました。

でも一方で、どうにも腑に落ちないと申しますか、次のような疑問を感じずにはいられないリーダーの方もいらっしゃいました。

「この人は本当に10年後も会社や社会、日本を引っ張っていけるのか?」

正直な気持ちを申し上げるならば、特に日本人の経営者に対してそのように感じることが多いのです。創業者や起業家の方であればそのようなことはほとんどないのですが、そうではない経営者の方の多くに、私はこうした疑問を感じていました(もちろん、そうでない方もたくさんいらっしゃるのですが)。

とはいえ、これまではその疑問の答えが見つからなかったので、私の胸のなかだけにひっそりと留めておくつもりでした。事実、私はこの疑問について、    年以上ものあいだ人に言ったことはありません。ビジネスパートナーはもちろん、親友にも、家族でさえも口にすることはありませんでした。

そんな私でしたが、フォーブス ジャパンでの仕事を通して、長年抱いてきたことの答えに驚くほどアッサリと気づくことができたのです。

そしてその答えは、これからの時代を迎えるすべてのビジネスパーソンにとって役立つ内容といえるものでした。だからこそ私は、本書を通してその内容を多くの人に届けたい、そう思い執筆を決意したのです。

では、なぜフォーブス ジャパンが答えを導いてくれたのか。それは、同誌が圧倒的に「イノベーター」に注目しているからです。

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「代替不可能な人材」になるということ

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