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メルカリCOOのひと言が気づかせてくれた「成長企業と衰退企業の差」

谷本有香(フォーブス・ジャパン副編集長)

2018年11月09日 公開

進化し続けられないリーダーの末路とは

たとえば、メルカリ。スマホで誰でもいつでも簡単に売買が楽しめるという新たな価値を生み出しました。フリーマーケットは元から存在したものです。それを新たにスマートフォンのアプリを使って進化させることによって、価値を創造したのです。

実は先日、どうやったら、旧態依然としたビジネスをしている企業のリーダーが新たな価値を生み出していけるのかという質問に対して、そのメルカリ取締役社長兼COOの小泉文明さんがこんなことをおっしゃっていました。

 「新しい価値や時代を自ら創り出すか、それにすぐに乗っかるか、または座して死を待つか――そのどれかだ」

つまり、今の時代、進化し続けない者に待っているのは「死」なのです。

もちろん、山一證券も進化を目指してはいたでしょう。けれど、自ら新たな価値を生み出していくという進化に重きをおいていたかというと、そうではなかった気がするのです。

そして、未だ旧来型のリーダーに囚われている会社は、世の中にたくさん存在しています。

たとえば、日本の大手銀行に目を向けてみましょう。他国の銀行などに比べてPBR(株価純資産倍率)が1倍以下のところも多く、これは「経営者の落第点」と解釈する向きがあってもおかしくありません。

つまり、投資家から見て、経営者がその企業の純資産に対して、リスクに見合う分以上の利益を追求するような経営を将来行うと考えられていないということなのです。

これは、健全な進化・成長に対する渇望があるかどうかを投資家が純粋に判断した結果です。つまり、「保持」「継続」といった旧来型の考え方・働き方では、これからの時代に利益をあげ続けることはできないと投資家たちが考えていることを如実に表しています。

旧来型の働き方をしていた山一證券と、新時代をリードするフォーブス ジャパン。

その「両極端」を経験したことは類をみない経験だと今は思います。その貴重な経験を通して、私はこれからの時代において「消える働き方」と「生き残る働き方」があるということに気づくことができたのです。

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3000人以上のリーダーに出会ってたどりついた、生き残る人の共通点とは?

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