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15秒で上司に言いたいことを言う技術

2018年11月13日 公開

齋藤孝(明治大学文学部教授)

齋藤孝(明治大学文学部教授)
写真:長谷川博一

<<日常には、言いたいことを言えない場面が少なからずあります。本当に言わないほうがいい場合も多々ありますが、ちゃんと言わないとますます不利な立場に追い込まれたり、事態を悪化させたり、お互いに気まずい思いをしたりすることも多いと思います。

しかし、どんなに言いにくいことでも、わずか15秒で済ませられるなら言える気がするのではないでしょうか。ポイントは、どんな言葉を選び、簡潔に意図を伝えるか。語彙力や文脈力の問題でもありますが、うまい言い方というのは、考えればけっこうあるものです。

パワハラ上司と相対する時も、そのような「有効な一言」があります。ここで二つ、紹介したいと思います。>>

※本稿は齋藤孝著『15秒あれば人間関係は変えられる』(PHP研究所刊)より一部・抜粋編集したものです
 

上司の物言いがパワハラだと感じても、我慢しなければならないのか

「たいへん申し訳ないのですが、そういう言い方をされると仕事のモチベーションが下がってしまいます。別の言い方をしていただけないでしょうか。私も、必ず態度を改めますので」

いまやパワハラは、発覚すれば解任に至るほど大きな問題です。ただやっかいなのは、あくまでも受け手側の感じ方しだいということです。

パワハラを自覚している上司は、滅多にいないでしょう。業務の一環として、厳しい言い方もしなければいけないと考えている程度だと思います。もしかすると、それが部下のためだとさえ考えているかもしれません。

また部下の側も、それをパワハラと感じるかどうかは人それぞれです。少々キツい言い方をされても、聞き流せる部下もいる。仮に一〇人の部下全員がパワハラだと感じれば、そこに情状酌量の余地はありませんが、もしかすると一人だけかもしれません。

では、その一人は我慢しなければならないかというと、そんなことはありません。たとえ九人は平気でも、一人がパワハラだと感じれば、それは上司が悪い。それが昨今のパワハラの基準でしょう。一人でストレスを抱えるのではなく、はっきり上司にその旨を伝えてもいいのです。

むしろ、「そういう言われ方は嫌だ」というポイントを上司に伝えるのは、仕事上の責務とも言えるでしょう。上司も、部下個々人の感受性までは把握し切れません。

指摘がなければ、「この程度の言い方なら大丈夫なんだな」と思うだけ。さらに表現をだんだんエスカレートさせるおそれもあります。そこに歯止めをかけるには、パワハラと感じた部下が意思表示するしかありません。

とはいえ、「その言い方はパワハラだと思います」とストレートには言いにくい。逆に脅しているようにも聞こえるからです。その後も上司・部下であり続けるなら、できるだけ関係性は壊したくないでしょう。

かといって「折り入ってお話が……」などとかしこまって迫るのも面倒くさい。こういう話こそ、さっさと十五秒で終わらせたいところだと思います。

それなら、「モチベーションが下がる」という表現が便利でしょう。「好き・嫌い」という感情からも切り離せるし、あくまでも仕事のため、という大義名分が立ちます。言われた上司としても、余計な感情は抜きにして「モチベーションを下げられては困る」と感じるはずです。「モチベーション」という、使える語彙を持っているかどうかが、カギになるのです。

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