内臓の筋肉をトレーニングする食べ方とは
「でも、そんなに食べられないよ」と思った方もいるでしょう。
このとき、もちろん、胃腸の状態に合わせて、無理のないごはんの量にするべきですが、食事量を控えるダイエットなどによって食が細くなってしまっている場合には、内臓を鍛えて健康にしてく必要があります。
意外と意識していないことですが、内臓というのは筋肉でできていますから、身体の筋肉と同じように、内臓も筋トレすることが必要なのです。
特に胃の筋肉は、食べることでしか動かすことができません。食事は体内を活発に動かす「内臓エクササイズ」なのです。
大切なのは、1日3食、温かいものを中心によく噛んで食べること。
噛まないで食べた物は消化されないまま胃を通過し、そのまま腸に入ります。未消化物は、腸内で腐敗しやすく、腸内環境を悪化させます。
かといって、液体やサプリメントなどの消化吸収の努力を必要としないものばかりをとっていると、栄養の吸収力が落ち、免疫力が落ちたり、精神的に不安定になったりすることがあります。
介護の現場では、流動食しか食べられなくなると老化が加速する現象が見られます。
とくに、脳機能の衰えは顕著です。噛むことが、どれだけ脳の健康を保っているかは、医学的な見地からも明らかなので、しっかり噛むことが大事です。
腸がしっかりお仕事できる食事のとり方をすれば、身体は衰えず、高齢になっても健康でいられます。
そして、身体の筋肉を鍛えると基礎代謝が上がってやせるように、内臓エクササイズが活発になると、自然とやせやすくなっていきます。
私は20年以上、現場でさまざまな食事法の効果について、検証してきました。とくに、長期間実践できる食事法に注目してきました。
そして、各分野の研究者との意見交換、学術論文の検証を重ねて行きついた食生活は、日本人にとってあたりまえの存在であり、最も身近にある「ごはんと味噌汁」だったのです。
人生を通じて元気でいるためには、一時的に食事法を変えるのではなく、何より、続けられることです。毎日とる食事は、大変では続けられません。
続けるためには、シンプルでカンタンであること、お金がかからないことがやはり欠かせないのではないでしょうか。