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老けたくない!老化物質AGEをためない食と習慣

2012年05月25日 公開

山岸昌一(久留米大学医学部教授)


 

「AGE」が老化のスピードを決めている

<<老化の原因となる物質が、ついに発見された!
名前は「AGE」で、この物質こそが老化のスピードを決めている。皮膚にしわがよったり、血管がポロポロになったり、骨や筋肉が弱くなったり、認知症やがんの発症にも、この物質が関係している。

PHP新書 『老けたくなければファーストフードを食べるな』 は、この謎の物質AGEの正体を解き明かし、AGEを体の中にためない生活習慣を紹介した本邦初の書。

その鍵を握るのは、主に血糖値と食事の内容で、食材と調理法によっては、老化の予防も可能だと力強く訴える。ここでは、本書よりその一節を紹介する。>>

※本稿は山岸昌一著『老けたくなければファーストフードを食べるな』 (PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。
 

老化の原因となる物質

人の体が老化するのには、必ず原因があります。

年をとったら、皮膚がたるんだり、血管がポロポロになったり、視力が衰えたりするのですが、それは自然にそうなるのではなく、体の中で組織が何らかの変化を起こしたからです。

つまり老化のきっかけとなる物質がある。その物質として最近注目され始めたのが、老化物質AGE(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)の存在です。

そしていろいろ調べていくと、こうした老化現象はこのAGEで説明できそうだということが、最新の医学でわかってきました。

老化の原因物質が発見されたからには、それを取り除いたり、減らしたりすれば老化を防ぐ方法も見つけることができるはずです。人類の長い間の夢だった「不老不死」の入口に、ようやくほんの少しだけ近づいたと言えるでしょうか。

でもどうやって老化物質AGEを取り除くのか? 老化物質AGEを増やさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか? 

 

「血糖値×持続時間」が老化の速度をあらわす

AGEはタンパク質が糖化して、変質した最終糖化物質です。

それが体内のあちこちに沈着し、組織を劣化させて、老化やそれにともなうさまざまな病気を引き起こします。

このAGEを考える場合、重要なポイントが2つあります。1つは血糖値です。これが高いとAGEがつくられ、老化が進みます。体内に糖がたくさんあればあるほど、タンパク質が糖とくっついてAGEがつくられる。

もう1つは時間です。高い血糖値の期間が長くつづけばつづくほど、その間にAGEがつくられ、やはり老化が進みます。

同じくらいの高血糖値でも3、4日だけなら、その間につくられるAGEはわずかです。でもそれが3年、5年、10年とつづけば、その分、どんどんAGEはつくられて、取り返しがつかない量までたまってしまいます。

AGEの値は、どれだけ高い血糖に、どれぐらい長い期間さらされたかという、いわばかけ算であらわすことができます。

AGEの量=血糖値×その持続時間

かけ算の値が大きいほど、AGEの量は増えますので、ツケのようにたまってしまっては元に戻せません。

老化を問題にするときは、たとえ血糖値が正常の範囲内にあっても、70年、80年と長く生きてきたとすると、その分、AGEの量は多くなる、という見方をしなければいけません。

つまり生きている時間が長くなるにつれて、血管が傷んだり、脳梗塞や心筋梗塞になったり、歯周病になったり、骨がもろくなったり、認知症になるなど老化現象があらわれるということです。

「長生きすれば、それだけ組織がポンコツになって、老化するのは当たり前だろう」と思うかもしれませんが、なぜポンコツになるのかというと、その老化のメカニズムにAGEが深くからんでいるのです。

反対に若い人でも血糖値が高いと、かけ算の値が大きくなるので、老化は早く進みます。人によって、老化の進行に個人差があらわれることが理解されます。

そして最悪なのは、血糖値が高い状態のまま年齢を重ねていくことです。かけ算の値が飛躍的に増えて、老化が加速します。このことを見ても、中年になって高い血糖値を放置することが、いかに危険なことなのかがわかりますね。

健診で「あなたは血糖値が高いから食生活を改善しなさい、運動をしなさい」と指摘されても、まったく意に介さない人がいます。しかし、この助言は「あなたは老化の進行がほかの人と比べて早いですよ」と宣告されていることと同じことです。それでも、あなたが耳を貸さないとするなら、自らせっせと老化を早めているようなものです。

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著者紹介

山​岸昌一(やまぎし・しょういち)

医学博士

1963年、新潟県上越市生まれ。金沢大学医学部卒業。医学博士。金沢大学医学部講師、ニューヨーク、アルバートアインシュタイン医科大学研究員などを経て、現在、久留米大学医学部教授。循環器・糖尿病の専門医として診療に携わる一方で、糖尿病と血管合併症の研究から老化の原因物質AGEに着目。AGEに関する英語論文400編以上発表。

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