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信念をもち、楽観的に~松下幸之助 心を強くするヒント

2019年02月14日 公開

大江弘(PHP研究所社会活動部長)

松下幸之助

思うようにできそうで、なかなか思うにまかせないのが自分自身の心です。勇気をもって困難に挑戦しようとしても、どうしても失敗を恐れて腰が引ける。健康のために暴飲暴食は止めようと決意するのに、我慢しきれず食べ物に手が伸びてしまう。他の人を思いやることが大事だとわかっているにもかかわらず、つい自分の得だけを考え行動してしまうなどの体験は、誰しも少なからず覚えがあるはずです。

沢庵禅師の『不動智神妙録』には、「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」という言葉があります。これは、自分の心を惑わすのは自分自身の心に他ならないというほどの意味でしょう。どんなに立派なことを口にしていたとしても、自分の心一つ思うように律することができない。それでは言行不一致ともなって、信用を失うばかりです。これは人間の偽らざる一面ではないでしょうか。

弱い心を強くするのも弱くするのも、要は自分の心のあり方次第です。なかなか難しいことですが、お互い自らの心に注意を払いつつ、少しでも好ましい心のあり方を保つことができるよう日頃から努力を重ねたいものです。
 

確固たる信念があればくじけない

「自分は若いんだ、自分には大きな可能性があるんだ、という自覚、認識というか、または、そこから生れてくる信念というようなものを持っておれば、そこには矢でも鉄砲でも持ってこい、おれはやってやるぞ、という心がけが生れてくると思うのである。若い人びとが、今後の社会生活において、日々これ戦いである、日々これ苦難の連続である、というような場面に直面されることも、非常に多いことと思うが、その時に心が動揺するか、動揺しないかということは、この信念の有無によってきまってくると思う。このことは、単に若さの問題だけにとどまらず、人の世のすべてのことにも通じよう。自覚、認識というか、信念の有無ということは、人生の重要なポイントとなってくると思う。確固とした信念のあるところには、心の動揺はなくなるであろうし、自分の所信をつらぬいてゆくこともできると思う。非常に成功してもあまり驚かないし、非常に失敗してもまた驚かなくてもすむ。常にたんたんとして大道をゆくが如く、処世の道を歩んでゆくことができると思うのである」(『なぜ』)

このように松下幸之助は信念をとても大切にしていました。信念があれば道は必ずひらけるというのです。それではそれはいったいどのような信念なのでしょうか。

“自分には可能性がある、成し遂げる力がある”という自分の力への信頼も一つでしょう。どうせ自分にはこの程度の力しかないと自らの力、可能性を見限っている人は、おそらく少々の困難にも簡単にあきらめ、くじけてしまうように思えます。過信は過ちの元ですが、自分の実力をあるがままに認識し、それを信じ切ることができなければ成果を上げることなどできません。

また“これは正しい”との信念も同様です。松下は言います。

「どんな頭のよい人でも、自分のやっていることが誤っているとか、よくないことだとなれば自信を持てませんものね。だから、何が正しいかを常に自問自答し、自分のやっていることは正しいという信念を持てるようにしておかなければなりません。そこに説得力も生まれ、事も進んでいくのですな」(『人生談義』)」

正しさに立った信念は自分を支える大きな力になるというわけです。

こうしたことは、使命感でも言えるでしょう。この仕事は社会のためにぜひやらなければならない、〝自分がやらずして誰がやる〟というほどの信念に立った人は、思いもよらない力を発揮するにちがいありません。さらには、“自分は運が強い”“困難はチャンスだ”“誠心誠意努めていれば社会は受け入れてくれる”“努力は決して裏切らない”“成功するまで続ければ必ず成功する”などなど、そのような先人が抱いていた信念をしっかりと持つことは、何事であろとも全力で取り組んでいく上においてきわめて大事です。

心を強くするとは、いかに力強い信念を心の中に醸成するかにかかっていると言っても、決して過言ではないでしょう。
 

楽観的に考える

“思うようにならなかったらどうしよう”“もしかしたら失敗するんじゃないだろうか”考えてみれば難しい課題がたくさんあるし、これはやめたほうがいいのでは…”どんな物事にも問題はあります。何ら問題なくすんなり事がなる、成功するというのはきわめて珍しい例です。そのため、つい不安に襲われ、意欲をそがれ、思い切ってやってみようという勇気まで失いがちになるのは一面、致し方ないことかもしれません。松下幸之助は言います。

「悲観しかけたら、もうとことん人間は悲観して、しまいには自殺してしまう。しかし楽観に楽観をもって暮らしていけば、必ず楽観のとおりに世界がひらけてくると思うんです。悲観主義か楽観主義か、どっちがいいかというと、私はすごく神経質ですけれども、楽観主義をとるんですよ。人間はみな、生まれつき楽観主義もある、悲観主義の人もあります。ぼくは神経質やから悲観主義になるほうが多いんです。けれども最近は、徹底した楽観主義である。顔に青筋立てて腹が立っているときでも、その奥の底には、楽観に徹するということを考えている。顔は引きつってヒステリックになっておっても、その腹の底には楽観している。そういうふうにならないといかんと思うてるんです。そういうことを信じてやってるんです」(『松下幸之助発言集5』)

もちろん物事に取り組むにあたっては、慎重に検討しなければなりません。これは自分の力量で成し遂げられるか。予想される問題に対して適切な策がうてるか。場合によっては、他の支援や助力が得られるかなども十分考えておくことが大切です。

しかし、何事であろうと心配の種は尽きることがありません。考えれば考えるほど、頭を悩ますことが次々と浮かんできます。その上で絶対に成功しなければならない、完璧に対処しなければならないとなると、段々と気分は憂鬱にもなってきます。そもそも完全や完璧などありえません。結局、考えるだけ考え、悩みに悩み、やがて悲観的になって、物事に取り組む意欲を失い諦めてしまう……。こんなことでは、何一つ成し遂げることはできないでしょう。失敗がない代わりに成功も決して得られません。

ある程度、考えたならば、あとはきっと何とかなる、うまくいくと楽観的に物事を受け止めることも大事だと松下幸之助は言います。そうしてこそ意欲がわき、創意工夫する心のゆとりも生まれ、結果的に物事を成し遂げることになるというわけです。

心配なのはよくわかります。不安もあるでしょう。しかしある程度検討し、しっかり考えたならば、あとは楽観的になって思い切ってやってみてはどうでしょうか。
 

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