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「寝だめはNG」 自律神経の名医が"睡眠は時間より質"を主張する理由

小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

2019年01月31日 公開 2022年12月07日 更新

 

休日の寝だめは逆効果

ですから、とくに中年以降は、寝すぎも避けたほうがいいのです。たとえば、休日、日頃の睡眠不足を解消しようと寝だめをする。ぐっすり眠れればそれもいいですが、眠くもないのに、ついダラダラと寝すぎた結果、頭がぼーっとしたり、頭痛が起きたりしてしまう。脳の血管が拡張して、顔面の痛みを伝える三叉神経を刺激してしまうのです。

また、寝すぎで体がだるくなるのは、長時間、体を動かさないことにより、筋肉が過度にゆるみ、血管が過剰に拡張して血流が悪くなり、酸素や栄養素の供給が滞ってしまうことで起こる症状です。

つまり、心身ともにベストな状態を維持する熟睡を得るためには、長時間寝すぎないこと。

それを踏まえて、厚労省の「睡眠指針」では、「健康な人の睡眠時間は加齢とともに自然と減る」としたうえで、適切な睡眠時間を25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間としています。

とはいえ、これもあくまで目安の一つです。いちばんのポイントは、「ぐっすり眠る=質のよい睡眠」を作り出すこと。

ああ、気持ちいいなという感覚で眠りにつき、目覚めたときは、ぐっすり眠った、疲れがとれたという感覚とともに爽やかに目覚める。それが、最高の熟睡なのです。

 

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