中田敦彦「30代以下は外に出ていくしかない」
2019年02月05日 公開 2019年02月27日 更新
(写真:shu tokonami)
<<オリエンタルラジオの中田敦彦。藤森慎吾とともに、リズムネタ『武勇伝』を引っさげて"史上最速のブレイク"とも呼ばれた人気を獲得。人気加熱の反動も乗り越えつつ、ブレイクを瞬間風速に終わらせず、2016年には音楽ユニットRADIO FISHによる楽曲『PERFECT HUMAN』が大ヒット。紅白歌合戦にも出場。
このプロフィールだけを見れば、お笑いコンビの一人、お笑い芸人と称されて然るべき中田氏。しかし、昨今注目されているのは、テレビタレントにとどまらない「経営者」としての手腕。
2018年、自身のオンライサロン「NKT Online Salon」を開設。アパレルブランド「幸福洗脳」を起ち上げ、既存のタレントの枠を超えた活動を次々と展開し、いずれも大きな話題を集めている。
そんな中田敦彦氏が近刊の著書『労働2.0』にて、企業や社会が老いて、ベテランばかりが居場所を占拠しているのならば、可能性ある若手は"外に出るべき"ことを推奨している。発売前の同書から、その一節を先駆けて紹介する。>>
※本稿は中田敦彦著『労働2.0』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。
優秀な人ほど、超速でノウハウを吸収して辞めていく
「やりたいことをやって出世する」には3つの条件があります。
・何が求められていて、どうすればベストな形で達成できるかを判断する想像力を持つこと。
・善い目的であること(「会社、社会のため」ならOK。「自分の利権のため」はNG)
・クビになるレベルの反則技は犯さないこと。
この3つを備えていれば、少々勝手な事をしても大丈夫。やりたいことができる上に、有望な人材として重宝されます。組織の中でそれなりの地位に登ることもできるでしょう。
ではここまで来たら、「歯車」は脱出できるでしょうか。
答えはNOです。
どんなに出世しても経営者にならない限り歯車は歯車です。「もの言う歯車」になれたところで、その組織に身を置いている限り、発言力には限界があります。
ですから、私は皆さんに言いたい。「いつかは会社を辞めよう」と思っていてほしい、と。
ハッキリ言いましょう。会社を辞めようと思ってない人は優秀ではありません。優秀な人ほど、「自分はこの組織には収まりきらない」と感じるものです。
同じことを、会社側の視点で考えてみましょう。
会社は――とくに日本の会社は、人をおいそれと解雇することができません。いったん正社員として採用したら、本人が辞めたいと言わない限り、定年まで雇うのが原則。リストラが行われるのは、やむを得ない事情があるときのみです。
この「終身雇用の原則」を喜ぶのは、優秀ではない人々です。彼らはクビになったら生活できないので、会社にしがみつきます。
逆に、優秀な人間はノウハウを素早く飲み込み、あらかたの業務をこなして「これをあと何十年も続けるなんてつまらないな」と見切りをつけます。
つまり会社組織というものは、優秀ではない人たちが沈殿する仕組みになっているのです。
聞いた話によると、企業の成長は「上2割」の優秀な人材をいかに辞めさせずにおくか、かつ「下2割」にいかにうまいこと去ってもらうか、にかかっているのだとか。
さらに困ったことに、下2割にいる人たちのほとんどが、自分が会社の「お荷物」になっていること気付いていないそうです。
上2割がC、下2割がB、残りの6割が可もなく不可もないA、の人材と言えそうです。
私は、常にCタイプの人材でいたいと思っています。そして組織に身を置きながら、いずれは自分の会社を持ちたいと思っています。