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「いい声」で相手も自分もコントロールする人 "表情筋"の使い方に違いアリ

鳥山真翔(ボイストレーナー)

2019年03月18日 公開 2023年02月01日 更新

「いい声」で相手も自分もコントロールする人 "表情筋"の使い方に違いアリ

鳥山真翔氏は、テレビ番組、レコード会社、専門学校等で発声を指導をするボイストレーナーである。有名アイドルへの指導経験も豊富で、多くの著名人の声を変えてきた、発声のエキスパート。

そんな鳥山氏は、発声の方法を工夫すれば、気持ちも表情も変わると語る。顔のたるみやカサつく声を改善するエクササイズも提唱している。

本稿では、鳥山氏の近著『美顔ボイトレ』より、声をコントロールすることで仕事や対人関係にもプラスになることを語る一節を紹介する。

※本稿は『美顔ボイトレ 声を出すたびに美しくなる』(祥伝社刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

なぜあの人の提案は通りやすいのか? プレゼンが上手い人に共通する意外なこととは?

同じ内容を言っているのに、「なせか、いつもあの人の意見は通りやすい」と感じることはありませんか? 

「自分のほうがいい提案をしているはずなのに、なぜかあの人のプレゼンばかりが通る気がする……」
「なぜかあいつのほうが、すんなり承認される……」

じつはこれ、気のせいではないのです。
人は、話の内容以前に、ある印象でものごとを判断することが多いからです。

「見た目」も印象を作り出す大きな要素ですが、もう一つ重要なのが、じつは「声」の印象です。

プレゼン上手な人に共通するのは、声のよさ。

声が通る、はっきり伝わる、心地いい響き、信頼できる口調といった、声の印象が、プレゼン力をアップさせているのです。
 

声の印象は見た目以上に相手に残る

ビジネスパーソンの方ならご存じかと思いますが、初対面の人物を判断する際の「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」が与える影響を、それぞれ数値化したメラビアンの法則という概念があります。

このメラビアンの法則によれば、100%中、見た目・表情・しぐさといった視覚情報が占める割合は55%、声のトーン・大きさ・速さ・口調といった聴覚情報が38%、話の内容などの言語情報は7% と言われています。

メラビアンの法則は、初対面の印象にフォーカスしたものなので、プレゼンにそっくりそのまま当てはめることはもちろんできません。

とはいえ、聴覚情報が38%も占めるというのですから、声の印象というのが意外に大きいことが分かります。

しかも、声の印象は、たいていの場合、見た目の印象の後にやってきます。

"新近効果"といって、「人は最後に得た情報に影響を受けやすい」といわれているので、55%を占める見た目よりも、後から入ってくる声の印象のほうが強く残ることさえあるのです。

私たちが何気なく発している声ですが、声には思った以上に大きなパワーがあるのです。

ボイストレーナーとして、1万人以上の指導や、大手企業の研修などで多くのビジネスパーソンと接し、悩みを伺ってきた中で思うこと。

それは、声を味方につけられたら、その人の魅力や力がもっと相手に伝わるのに、その方法を知らない方が多くもったいないということです。

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声は自分でコントロールできる

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