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「年収1500万円の50代」が最も“お金がない”皮肉な現実

2019年03月19日 公開

江上治

50代に待ち受けいている厳しい試練とは

<<著名アスリートから経営者まで年収1億円を超えるクライアントを50名以上抱える富裕層専門のファイナンシャルプランナーである江上治氏。

1967年生まれの50代の江上氏は、現在の50代が直面されている現状は厳しく、ゆとりある人生を送るためには生き方を変える必要があると指摘している。

ここでは、同氏の近著『一生お金に嫌われない生き方』より、年収1500万円の高給会社員ほど老後資金が不足している現実を述べた一節を紹介する。>>

※本稿は江上治著『一生お金に嫌われない生き方』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです
 

退職後の準備金が「ゼロ」の人たち

一つ残酷な現実がある。われわれの世代は、すでに「人生100年時代」に突入しているということだ。

かつてのモーレツサラリーマンは、馬車馬のように働き、家にもほとんど帰らず、外で酒を飲んでばかりという日々を過ごしていた。

不摂生が当たり前で、平均寿命も73歳程度だった。定年後は体がガタガタになり、会社からもらった退職金を使い切るまえに死ぬことができた。

それが現在は、定年を迎えてもみんな元気だ。健康に気を使う人が増え、平均寿命もどんどん伸び、この傾向はますます強まるだろう。

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコットの『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)は、そんな時代の新しい生き方を提示したものだが、そこには2050年までに日本の100歳以上の人口は100万人を突破するとも書かれている。

いま50歳以下の日本人なら、100年以上を生きるのが当たり前になるだろう。

昔のサラリーマンが定年後、10年ちょっとで死んだのに対し、いまの50歳は65歳で定年を迎えたのち、35年以上生きなければならない。70歳まで働いても、残り30年以上の人生が待っているのだ。

ここで、お金があるならいい。健康だって、ある程度はお金で買える時代だ。自由に使えるお金があれば、楽しい老後が待っているだろう。だが現実には、「老後の準備は万全」などという人は稀だ。それどころか「ゼロ」という人も少なくない。

フィデリティ退職・投資教育研究所の調査(2015年)によると、20代から50代のサラリーマンの40パーセントが退職後の準備金を「ゼロ」と答えているのだ。定年を目前に控えた50代でも、約26パーセントがゼロと答えている。

 

むしろ年収1000万円を超える層の老後に暗雲

これは大企業に勤める、年収1000万円や1500万円の人も例外ではない。むしろ年収1000万円から2000万円の中間、つまり年収1500万円ぐらいの人が一番お金を持っていないというのが、私の実感だ。

年収1500万円というと50歳前後の人が多いが、この年代はY君もそうだったように、子供の教育費に一番お金がかかる。

私立の学校に行かせれば、それだけで大変な授業料を払わねばならないし、塾や習い事にお金をかけている家庭も多い。大学に入ってからの学費もある。浪人すれば、さらにお金がかかる。

しかも年収が1500万円ぐらいあれば、銀行からの勧誘が来る。「年収が1500万円あるなら、タワーマンションが買えます」などと言われ、ついその気になって買ってしまう。そうして7000万円ぐらいの借金を背負ってしまうのだ。

また大手企業のサラリーマンだと、妻が専業主婦というケースも多い。専業主婦の妻たちの見栄の張り合いという問題もある。

「あそこがタワーマンションを買ったからウチも欲しい」「あの家はBMWに乗っているから、ウチはアウディにして」といった具合。以前、知人のディーラーに聞いたところ、アウディの顧客で多い層は、年収1000万円台の人たちだった。

だが年収1500万円は、じつはそれほどお金持ちではない。年収1500万円なら、月収にして90万円ちょっとだ。年収900万円以上は33パーセントの所得税がかかるから、税抜き後の所得はもっと少ない。

さらに健康保険や厚生年金保険などの社会保険料を引くと、手元に残るのは50万円程度になる。これが経営者なら、いろいろと節税もできるが、源泉徴収で天引きされる会社員は、それもできない。

手取り50万円でタワーマンションや高級外車を買ったりすれば、お金が残らないのも当然で、小遣いにしてもせいぜい3万円程度だろう。

そこには、「もはや右肩上がりの時代は来ない」という背景もある。昭和30年から始まった高度成長期の経済成長率は平均9パーセント以上で、しかもそんな時代が20年近く続いた。その後起きたオイルショックで景気は萎むが、それでも経済成長率は平均約4パーセントあった。

それが現在は、成長率一パーセント前後という時代が続いている。もはや昔のような成長を望むことはできない。

だから最近の50歳前後の仲間たちは、部下と飲みに行っても割り勘が当たり前になる。部下が上司に誘われたときは、当然、奢られることを期待している。

それが割り勘なら、「なぜお金を払ってまで、ジジイの昔話や自慢話を聞かなきゃいけないのか」が、若い世代の本音だ。それが年収1500万円の現実で、とうてい老後の資金づくりどころではない。

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