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睡眠には、あなただけの「最適解」がある!

裴英洙(医師/ハイズ代表取締役社長)

2019年04月30日 公開 2023年09月05日 更新

眠りを妨げる「問題」の見つけ方

 次に、睡眠の質を上げる方法をお話ししましょう。睡眠の質は基本的に、個人要因と環境要因の掛け合わせで決まります。

 個人要因とは、ごく簡単に言えば「体質」。寝つきの良し悪し、レム・ノンレムの周期の長さなど、人それぞれ違いがあります。いわゆるロングスリーパー・ショートスリーパーと言われるように、睡眠時間の長さにも個人差があります。

 環境要因にも、音・光・着るもの・寝具・温度湿度など、多くの要素があります。したがって、質の良い睡眠をとる方法も千差万別。「万人向けの正解」ではなく、「自分のための最適解」を見つけることが肝要です。

 そこで役立つのが「睡眠ログ」。入眠時間・起床時間・両者から算出できる睡眠時間・目覚め感・日中のパフォーマンス、および「30分の昼寝」「飲み会」「3時間の残業」などの外的要因を簡単にメモしましょう。

 これは自分の睡眠の「見える化」であり、「イシュー(問題)の分析」でもあります。ビジネスにせよ睡眠にせよ、物事の改善を図るためには「問題の特定」が必須です。平日5日間ほどログをつけていると、どのような要因が眠りを妨げたかが見えてきます。

 寝る直前の大食、深夜までのパソコン作業など「原因らしきもの」を、1つずつストップして様子を見ましょう。このとき2つ以上同時にストップすると、原因を正確に特定できないので要注意。

「良いこと」を試すときも同様です。「日中に身体を動かす」「夜の食事は軽めにする」など、1つずつ試して変化の有無を確認すれば、確実に「最適解」へと近づきます。

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ショートスリーパーが良いとは限らない

著者紹介

裴 英洙(はい・えいしゅ)

ハイズ〔株〕代表取締役社長/医師/医学博士/MBA

1972年、奈良県生まれ。金沢大学医学部卒業後、金沢大学第一外科に勤務。医師として働きながら、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)を首席修了。ビジネス・スクール在学中に、医療機関再生コンサルティング会社を設立。現在も医師として臨床業務をしつつ、医療機関経営に関するアドバイスを行なう。著書に、『一流の睡眠「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』(ダイヤモンド社)など。

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